TOP > 国内特許検索 > ネットワークポリマー及びポリマーゲル電解質

ネットワークポリマー及びポリマーゲル電解質 新技術説明会

国内特許コード P150012067
掲載日 2015年6月19日
出願番号 特願2013-551243
出願日 平成24年12月25日(2012.12.25)
国際出願番号 JP2012008283
国際公開番号 WO2013099224
国際出願日 平成24年12月25日(2012.12.25)
国際公開日 平成25年7月4日(2013.7.4)
優先権データ
  • 特願2011-286761 (2011.12.27) JP
  • 特願2012-135463 (2012.6.15) JP
発明者
  • 山吹 一大
  • 大石 勉
  • 鬼村 謙二郎
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 ネットワークポリマー及びポリマーゲル電解質 新技術説明会
発明の概要 本発明は、ロタキサン構造を有する新規ネットワークポリマーを得ること、及び、リチウムイオン二次電池等の二次電池用電解質として使用することができる、高い安全性と高いイオン伝導度を併せ持つポリマーゲル電解質を提供することが課題である。本発明のネットワークポリマーは、下記式(I)で表される部分構造の環状部に、下記式(II)又は下記式(II')で表される部分構造が串刺し状に包接されてなる単位(A)を有するネットワークポリマー、又は前記単位(A)及びラジカル重合性モノマー由来の単位(B)を有するネットワークポリマーであって、前記式(I)で表される部分構造と式(II)で表される部分構造とのモル比((I)/(II))が1/1~10/1である(ただし、単位(A)が式(I)で表される部分構造と式(II)で表される部分構造からなり、単位(B)を有しない場合を除く)。
【化1】


従来技術、競合技術の概要



従来より、ゲル材料は、食品、医療品、生活用品及び工業製品等に幅広く利用されており、これらに用いられる高分子化合物の種類も多様であるが、構造という観点から眺めてみると、物理ゲルと化学ゲルのわずか2種類しか存在しない。





物理ゲルは、ゼラチンや寒天などのように自然界でよく見られるゲルであり、また、生体組織の大半も多種多様な物理ゲルが占めている。

かかる物理ゲルは、高分子間に働く物理的引力相互作用によってネットワークを構成しているため、温度や溶媒に対する安定性が低い。





一方、化学ゲルは、ネットワーク全体が共有結合で直接つながった巨大な1分子であるため、温度や溶媒に対する安定性に優れており、多方面に産業利用されている。

しかし、化学ゲルでは、架橋点が固定されているため、架橋反応において形成される不均一な構造が永久に保持され、機械強度が著しく低いという欠点があった。





これに対し、近年では、斬新な手法を用いて物理ゲル、化学ゲルのいずれにも分類されない新しい種類のゲル、即ち「環動ゲル」又は「トポロジカルゲル」が提案されており、このような環動ゲルには、ポリロタキサンが用いられている。

このポリロタキサンは、環状分子(回転子:rotator)の開口部を直鎖状分子(軸:axis)で串刺し状に貫通して環状分子を直鎖状分子で包接し、且つ環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両末端に封鎖基を配置して成るもので、かかるポリロタキサンを複数架橋して成り、環動ゲルに適用可能な架橋ポリロタキサンが開示されている(特許文献1~9参照)。





この架橋ポリロタキサンは、直鎖状分子に串刺し状に貫通されている環状分子が当該直鎖状分子に沿って移動可能(滑車効果)なために粘弾性を有し、張力が加わっても、この滑車効果によって当該張力を均一に分散させることができるので、従来の架橋ポリマーとは異なり、クラックや傷が極めて生じ難いという優れた性質を有するものである。





しかしながら、これら架橋ポリロタキサンは刺激応答性が低く、製造に多段階を要するなどの課題を有している。

これら架橋ポリロタキサンに対し、本発明者らにより、擬ロタキサンが重合した高分子化合物から成るゲルが報告されている(非特許文献1)。当該高分子化合物は、製造が容易であることから、さらなる応用が期待されている。





一方、ゲル材料の応用分野として、リチウムイオン二次電池などに使用される電解液をゲル化させたゲル電解質の開発が検討されている。例えば特許文献10及び11には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、ポリアクリロニトリル(PAN)などのポリマーに電解液を混合し、加熱することでポリマーを電解液に溶解させ、その後冷却することでゲルを作製することが開示されている。





これらゲル電解質を用いた電池は、ゲルによって電解液が保持されるために、液漏れが起こりにくいという利点を有していた。しかし、従来のゲル電解質では、電解液の使用量が多く、熱安定性も不十分であることから、依然として安全性の点で改良が求められていた。

産業上の利用分野



本発明は、クラウンエーテルを有する新規ネットワークポリマーに関し、また、ネットワークポリマーを含有するポリマーゲル電解質、さらに該ポリマーゲル電解質を含有する二次電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)
【化1】


(式中、R及びRは、同一又は異なって、-O-、-CO-、-COO-又は-CONH-を有していてもよい、飽和又は部分不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、炭素数1~15の炭化水素基を表し、n1は、3又は4の整数を表す。n2は1~30の整数を表す。)で表される部分構造の環状部に、
下記式(II)
【化2】


(式中、R及びRは、同一又は異なって、-O-、-CO-、-COO-又は-CONH-を有していてもよい、飽和又は部分不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、炭素数1~15の炭化水素基を表し、Zは対アニオンを表す。)、又は下記式(II')
【化3】


(式中、R及びRは式(II)における定義と同じであり、Rは、求電子剤由来の残基を表す)で表される部分構造が串刺し状に包接されてなる単位(A)を有するネットワークポリマー、又は前記単位(A)及びラジカル重合性モノマー由来の単位(B)を有するネットワークポリマーであって、
前記式(I)で表される部分構造と式(II)で表される部分構造とのモル比((I)/(II))が1/1~10/1であるネットワークポリマー(ただし、単位(A)が式(I)で表される部分構造と式(II)で表される部分構造からなり、単位(B)を有しない場合を除く)。

【請求項2】
前記単位(A)と前記ラジカル重合性モノマー由来の単位(B)とのモル比((A)/(B))が1/1~1/100であることを特徴とする請求項1に記載のネットワークポリマー。

【請求項3】
式(I)で表される部分構造が、下記式(III)で表される構造であることを特徴とする請求項1に記載のネットワークポリマー。
【化4】


(式中、mは1~13の整数であり、点線部は、ベンゼン環の3位又は4位のいずれか一方に結合することを示す。n2は、式(I)における定義と同じである。)

【請求項4】
式(II)で表される部分構造が、下記式(IV)で表される構造であることを特徴とする請求項1に記載のネットワークポリマー。
【化5】


(式中、yは1~12の整数を、Zは対アニオンを表す。)

【請求項5】
ラジカル重合性モノマーが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ポリエチレングリコール、スチレン及びアクリロニトリルからなる群から選ばれる1又は2以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のネットワークポリマー。

【請求項6】
式(V)
【化6】


(式中、R及びRは、同一又は異なって、-O-、-CO-、-COO-又は-CONH-を有していてもよい、飽和又は部分不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、炭素数1~15の炭化水素基を表し、X及びXは同一又は異なって、重合反応時に結合部位として作用する基を表す。n1は、3又は4の整数を表す。)で表される環状化合物と、
下記式(VI)
【化7】


(式中、R及びRは、同一又は異なって、-O-、-CO-、-COO-又は-CONH-を有していてもよい、飽和又は部分不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、炭素数1~15の炭化水素基を表し、X及びXは、同一又は異なって、重合反応時に結合部位として作用する基を表す。Zは対アニオンを表す。)で表される直鎖状化合物とを反応させて、前記式(I)で表される部分構造の環状部に、前記式(II)で表される部分構造が串刺し状に包接されてなる構造(A)を有する化合物を生成させた後、前記構造(A)を有する化合物を重合することを特徴とする請求項1に記載のネットワークポリマーの製造方法。


【請求項7】
下記式(VII)
【化8】


(式中、R及びRは、同一又は異なって、-O-、-CO-、-COO-又は-CONH-を有していてもよい、飽和又は部分不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、炭素数1~15の炭化水素基を表し、X及びXは同一又は異なって、重合反応時に結合部位として作用する基又は重合反応時に結合部位として作用しない基を表す。ただし、n2が1の場合は、X及びXは重合反応時に結合部位として作用する基である場合に限る。
n1は、3又は4の整数を表す。n2は1~30の整数を表す。)で表される環状化合物と、
下記式(VI)
【化9】


(式中、R及びRは、同一又は異なって、-O-、-CO-、-COO-又は-CONH-を有していてもよい、飽和又は部分不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、炭素数1~15の炭化水素基を表し、X及びXは、同一又は異なって、重合反応時に結合部位として作用する基を表す。Zは対アニオンを表す。)で表される直鎖状化合物とを反応させて、
前記式(I)で表される部分構造の環状部に、前記式(II)で表される部分構造が串刺し状に包接されてなる構造(A)を有する化合物を生成させた後、前記構造(A)を有する化合物とラジカル重合性モノマーをラジカル重合することを特徴とする請求項1に記載のネットワークポリマーの製造方法。

【請求項8】
重合後、さらに、得られたネットワークポリマーと求電子剤とを反応させて、
式(II)
【化10】


(式中、R及びRは、同一又は異なって、-O-、-CO-、-COO-又は-CONH-を有していてもよい、飽和又は部分不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、炭素数1~15の炭化水素基を表し、Zは対アニオンを表す。)で表される部分構造を、式(II')
【化11】


(式中、R及びRは式(II)における定義と同じであり、Rは、求電子剤由来の残基を表す)で表される部分構造に変換することを特徴とする請求項6又は7に記載のネットワークポリマーの製造方法。

【請求項9】
電解液中に請求項1~5のいずれかに記載のネットワークポリマーを含有することを特徴とするポリマーゲル電解質。

【請求項10】
電解液がヘキサフルオロリン酸リチウム又はテトラフルオロホウ酸リチウムのプロピレンカーボネート溶液又はエチレンカーボネート溶液であることを特徴とする請求項9に記載のポリマーゲル電解質。

【請求項11】
請求項9に記載のポリマーゲル電解質を用いることを特徴とする二次電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2013551243thum.jpg
出願権利状態 公開
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close