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腫瘍細胞選択的抗がん剤

国内特許コード P150012101
掲載日 2015年6月26日
出願番号 特願2013-106793
公開番号 特開2014-001204
出願日 平成25年5月21日(2013.5.21)
公開日 平成26年1月9日(2014.1.9)
優先権データ
  • 特願2012-117205 (2012.5.23) JP
発明者
  • 有馬 英俊
  • 本山 敬一
  • 東 大志
  • 岡田 誠治
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
発明の名称 腫瘍細胞選択的抗がん剤
発明の概要 【課題】 本発明は、腫瘍細胞選択性が優れた新規な抗がん作用をもつ化合物を有効成分として含む抗がん剤を提供することを目的とする。本発明はまた、腫瘍細胞選択的な新規な抗がん作用有する化合物を用いた薬剤デリバリー剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明により、葉酸修飾メチル化シクロデキストリンを抗がん作用の有効成分として含む医薬組成物が提供された。本発明によりまた、葉酸修飾メチル化シクロデキストリンを薬剤デリバリー剤として含む医薬組成物が提供された。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要



がんは、わが国における死因第1位の疾患である。一部のがんでは生存率は改善しているものの、進行がんでは未だ十分な治療法がなく、より有効な治療法の開発が望まれている。がん細胞に対して殺細胞効果が高い抗がん剤に加えて、特に抗がん剤を標的部位に選択的かつ効率よくデリバリーさせる薬物送達システム(Drug delivery system :DDS)の構築が期待されている。DDSとは、薬物の体内動態を制御し薬物治療の最適化を目指すものであり、薬物放出挙動の制御、薬物の吸収促進、薬物の標的組織へのターゲティングなどに分類される。キャリアにターゲティング能を付与させる方法として、抗体、糖鎖、葉酸、トランスフェリンなどのリガンド修飾が知られている。





中でも葉酸は、1)安価である、2)葉酸レセプター(Folate receptor :FR )は、各種上皮がん細胞で過剰発現し、正常細胞では発現が低いため、FR介在性エンドサイトーシスによりがん細胞選択的に取り込まれる、3)抗原性がないため反復投与が可能である、4)分子量が比較的小さいことからキャリアの細胞内動態に影響を与えにくい、などの利点からリガンド分子として汎用されている。





シクロデキストリン(CyD)は環状のオリゴ糖であり、種々の薬物をその疎水空洞内に取り込み包接複合体を形成する単分子的ホスト分子に分類される。CyDsの超分子的な包接特性は、食品、化粧品、臨床検査薬、膜学、高分子化学など多方面で利用されており、薬剤学・製剤学領域では、CyDsの機能性や生体適合性を利用して、複合体形成による医薬品の安定化、溶解性の調節、バイオアベイラビリティの向上などへの応用が試みられ、国内外で実際製剤に使用されている。





近年、機能性や生体適合性を高めた種々のCyDs誘導体が開発され、DDSの応用に関する基礎的研究が行われている。CyDs誘導体の一部に、例えば、Methyl-β-CyD (M-β-CyD)や2,6-Di-O-methyl-α-CyD (DM-α-CyD)があり、Grosseらは、ヒト乳がん細胞MCF7またはヒト卵巣がん細胞A2780を移植したヌードマウスにおいてM-β-CyDを腹腔内に2ヶ月に渡って投与(300~800 mg/kg)すると、抗がん剤であるドキソルビシン(DOX)投与(2 mg/kg)と同様に、コントロールに比べ腫瘍の増大を抑制する効果を示すことを報告している(非特許文献1)。また、服部らは、天然β-CyDの1級水酸基にカプロン酸2分子をスペーサーとして葉酸を結合させた葉酸修飾β-CyDを調製し、FR介在性がん細胞選択的DDSキャリアとしての有用性を報告している(非特許文献2)。





また本発明者らにより、メチル-β-シクロデキストリンに葉酸を修飾した、葉酸修飾メチル化-β-シクロデキストリン(FA-M-β-CyD)が、KB細胞(FR高発現細胞)に対して濃度依存的に細胞障害性を示したが、A549細胞(FR低発現細胞)に対しては殆ど細胞障害性を示さないこと、抗がん剤DOX併用によるFA-M-β-CyDの細胞障害性は、DOX単独より有意に増強されることが報告されている(非特許文献3)。さらに本発明者らにより、担がんマウスモデルの腫瘍内にFA-M-β-CyDを直接投与したところ、腫瘍の成長が有意に抑制されたことが報告されている(非特許文献4)。





しかしながら、FA-M-β-CyDがKB細胞(FR高発現細胞)に対して細胞障害性を示すためには高濃度であることが要求され、DOX等の抗がん剤と同程度の濃度では、KB細胞に対して細胞障害性を示さなかった。具体的には、FA-M-β-CyDがKB細胞に対して細胞障害性を示すためには、DOXに比べて3オーダー程度の高濃度が要求され、そのままで抗がん剤として使用することには問題があった。

産業上の利用分野



本発明は新たな抗がん剤に関する。より具体的には、本発明は、新たな腫瘍細胞選択的抗がん剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
葉酸修飾メチル化シクロデキストリンを有効成分として含む抗がん剤である医薬組成物。

【請求項2】
全身的投与のための医薬組成物である請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項3】
静脈内注射剤である請求項2に記載の医薬組成物。

【請求項4】
少なくとも1週間以上間隔を空けて投与されるように用いられることを特徴とする前記請求項1~3のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項5】
5回以下の反復投与で用いられることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項6】
投与後に抗がん作用を確認した上で、再度投与されるように用いられることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項7】
単回で投与されるように用いられることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項8】
1回あたり10~100mg/kg体重の葉酸修飾メチル化シクロデキストリンがヒトに対して投与されるように用いられることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項9】
反復投与の合計投与量が、500mg/kg体重以下の葉酸修飾メチル化シクロデキストリンがヒトに対して投与されるように用いられることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項10】
前記葉酸修飾メチル化シクロデキストリンが、葉酸修飾メチル-β-シクロデキストリンである、請求項1~9のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項11】
薬剤デリバリー剤として葉酸修飾メチル化シクロデキストリンを含む、抗がん剤であるの医薬組成物。

【請求項12】
さらに抗がん作用を有する薬剤を含む請求項11に記載の医薬組成物。

【請求項13】
前記抗がん作用を有する薬剤が、ドキソルビシンである請求項12に記載の医薬組成物。

【請求項14】
全身的投与のための医薬組成物である請求項11~13のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項15】
静脈内注射剤である請求項14に記載の医薬組成物。

【請求項16】
少なくとも1週間以上間隔を空けて投与されるように用いられることを特徴とする請求項11~15のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項17】
5回以下の反復投与で用いられることを特徴とする、請求項11~16のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項18】
投与後に抗がん作用を確認した上で、再度投与されるように用いられることを特徴とする請求項11~17のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項19】
単回で投与されるように用いられることを特徴とする請求項11~15のいずれか一つに記載の医薬組成物。

【請求項20】
前記葉酸修飾メチル化シクロデキストリンが、葉酸修飾メチル-β-シクロデキストリンである、請求項11~19のいずれか一つに記載の医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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