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組織自己接合型体内挿入管 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P150012106
掲載日 2015年6月26日
出願番号 特願2013-102403
公開番号 特開2013-255789
登録番号 特許第6206838号
出願日 平成25年5月14日(2013.5.14)
公開日 平成25年12月26日(2013.12.26)
登録日 平成29年9月15日(2017.9.15)
優先権データ
  • 特願2012-111902 (2012.5.15) JP
発明者
  • 増澤 徹
  • 青代 敏行
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 組織自己接合型体内挿入管 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】体内器官組織との接合を従来より迅速で、且つ簡便に行うとともに、細菌が侵入する隙間が形成されることなく高い接合強度を得るために、複合低エネルギー接合方法に適用できる組織自己接合型体内挿入管及び該体内挿入管と体内器官組織との接合方法を提供する。
【解決手段】本発明は、体内器官組織に覆われた状態で前記体内器官組織と接触して接合される体内挿入管であって、体内挿入管には、少なくとも、体内器官組織と接触する側に体内器官組織の一部が変形又は変位により侵入することにより投錨効果が得られる大きさの溝、孔又は窪みが形成され、体内挿入管と体内器官組織との接合時に溝、孔又は窪みに負圧を作用させるための通路が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要



補助人工心臓を取付けるには、脱血管や送血管を介して心臓に取り付ける必要がある。その際、脱血管の心臓への取付けは、図15の(a)に示すように、脱血管17のカフ(つば)18を用いて心臓19に針と糸を用いた巾着縫合20で行われている。同様に、図15の(b)に示すように、送血管21の動脈19への取付けも縫合で行われている。しかし、このような縫合は、脱血管とカフの接続部分又は送血管と心臓との接続部分にわずかな隙間が生じて、その隙間から細菌が侵入し様々な感染症を引き起こすことが報告されている。





人工心臓の脱血管や送血管を心臓に取り付けるときに生じる接合部分の隙間を除去する方法としては、超音波メスや電気メス等の高エネルギーや医療用接着剤等を用いた生体組織接合が考えられる。超音波メスは、冠動脈バイパス手術等で使用されており、数mmの血管を切断する際、血管の切断面を接合して閉鎖することで止血を行う方法に用いられる。電気メスは、対極板間に電圧をかけ生体組織に電流を流し、それによって発生する熱を利用し接合する装置である。それ以外にも、アルゴン(Ar)レーザやYAGレーザを用いて組織を変性させる組織凝固を利用するレーザメスがある。しかし、これらの高エネルギーを利用する装置は、高エネルギーによって組織を炭化させやすく生体組織損傷が激しいという問題を抱えている。また、電気メスは、人体への電気ショックや他機器への雑音障害等が懸念されている。





医療用接着剤は、例えば、生体血管の代替として使用する人工血管等の軟組織用の接着に利用されており、材料としてはシアノアクリレートやフィブリン系が主に利用されている。医療用接着剤は、作業性に優れ、短時間接着が特徴であるが、生体への毒性と抗菌性の点で問題がある。また、使用中に接着剤劣化や接着剤成分浸み出しなどによって、生体への悪影響だけでなく、接着性の大幅な低下も起こる場合があり、使用範囲が限定される。





上記の高エネルギーや医療用接着剤等に依存しない生体組織接合方法として、特許文献1には、一部又は全体が、線状から形成される多孔性構造体又は多孔性成形体から構成される多孔性構造体からなる血液循環補助用インフローカニューレが開示されている。前記の特許文献1及び特許文献2に記載の多孔性構造体は、血栓による血行障害や疾患の防止のために、前記多孔性構造体の凹凸や孔によって生じる空隙を利用して血栓を安定的にアンカリングするために配置・固定されるものである。





また、特許文献3には、心臓の心内膜がカニューレの外周面に沿って延伸してその延伸部が切れ、この切れた心内膜片が血液中に混入して血管を閉塞してしまうのを防止するために、管状の本体部と、その本体部の外周面を周回するように配置された筒状の多孔質体とを有するカニューレが提案されている。





さらに、特許文献4及び5には、生体内組織として消化管や血管等の吻合、又は人工血管と生体血管との接続のために利用する体内挿入管が提案されている。前記の特許文献4に記載の生体吸収性連結管は、抜け止めのためにフランジを有する構造を備えるものである。また、前記の特許文献5には、耐食性の金属材料より一体に形成された中空の円筒部材からなり、該円筒部材の周壁には、複数の貫通孔が形成され、該円筒部材の外周には、周方向に沿った少なくとも1つの周方向溝が形成された人工血管用接続部が開示されている。

産業上の利用分野



本発明は、生体内組織との接合が行われる体内挿入管、特に、人工心臓と接合される脱血管や送血管又はそれらの一部として使用されるものであり、細菌等による感染症の防止に大きな効果を有する組織自己接合型体内挿入管及び該体内挿入管と体内器官組織との接合方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
体内器官組織に覆われた状態で前記体内器官組織と接触して加熱及び/又は微小振動を加えて接合される体内挿入管であって、
前記体内挿入管には、少なくとも、前記体内器官組織と接触する側に前記体内器官組織の一部が変形又は変位により侵入することにより投錨効果が得られる大きさの溝、孔又は窪みが形成され、前記体内挿入管と前記体内器官組織との接合時に前記溝、孔又は窪みに負圧を作用させるための通路が形成され
前記体内器官組織と接触して加熱及び/又は微小振動を加えて接合された後の引張強度が0.01MPa以上であることを特徴とする組織自己接合型体内挿入管。

【請求項2】
請求項1に記載の組織自己接合型体内挿入管は、前記の体内器官組織の変形又は変位を起こさせるための溝、孔又は窪みが形成された管を外管とし、該外管の内部に、さらに血液、輸液又は配線の通路として機能する内部空洞を有する内管を備え、前記の溝、孔又は窪みに負圧を作用させるための通路が、前記の外管及び内管の少なくとも何れか一つに形成されていることを特徴とする組織自己接合型体内挿入管。

【請求項3】
請求項2に記載の組織自己接合型体内挿入管は、次の(A)、(B)、及び(C)、すなわち
(A)前記外管の溝、孔又は窪みから、前記体内挿入管の外部に向けて、前記体内挿入管と前記体内器官組織との間に存在する空気を排出又は吸引することによって前記溝、孔又は窪みに負圧を作用させるための通路を前記の外管又は内管に備えること、
(B)前記外管の溝、孔又は窪みから、前記内管の内部空洞に向けて、前記体内挿入管と前記体内器官組織との間に存在する空気を排出又は吸引することによって前記溝、孔又は窪みに負圧を作用させるための通路を前記内管に備えること、及び
(C)前記外管の溝、孔又は窪みから、前記内管の内部空洞に向けて、前記体内挿入管と前記体内器官組織との間に存在する空気を排出又は吸引することによって前記溝、孔又は窪みに負圧を作用させるための通路を前記の外管と内管の両者に備えること、
から成る構成群の中から選ばれる何れか一つを有することを特徴とする組織自己接合型体内挿入管。

【請求項4】
前記の外管と内管は、緩衝剤又は弾性体を介して固定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の組織自己接合型体内挿入管。

【請求項5】
前記組織自己接合型体内挿入管は、前記溝、孔又は窪みに負圧を作用させるための通路と直結する排出口又は吸引口を備えることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の組織自己接合型体内挿入管。

【請求項6】
前記組織自己接合型体内挿入管は、加熱用熱源を備えることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の組織自己接合型体内挿入管。

【請求項7】
前記体内挿入管が、人工心臓脱血管であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の組織自己接合型体内挿入管。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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