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抗ウイルス剤

国内特許コード P150012109
整理番号 S2012-1052-N0
掲載日 2015年6月29日
出願番号 特願2012-275838
公開番号 特開2014-058495
出願日 平成24年12月18日(2012.12.18)
公開日 平成26年4月3日(2014.4.3)
優先権データ
  • 特願2012-181663 (2012.8.20) JP
発明者
  • 木村 晋也
  • 岡田 誠治
出願人
  • 国立大学法人佐賀大学
発明の名称 抗ウイルス剤
発明の概要 【課題】本発明は、新たな作用機序を有する抗ウイルス剤、特に抗HIV剤を提供することを課題とする。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗ウイルス剤であって、HIVに対する増殖阻害作用、細胞膜の流動性低下作用、細胞膜融合阻害作用等を有する薬剤。



(式中、各記号の定義は明細書中に記載の通りである)
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



世界三大感染症の一つである後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)がCD4及びケモカイン受容体であるCXCR4又はCCR5を受容体とし、これらを発現しているヘルパーT細胞やマクロファージに感染し、該免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす深刻な感染症である。近年、合成3’-デオキシヌクレオシド類である3’-アジド-3’-デオキシチミジン(AZT)がHIVの感染を阻害することが報告されて以来、2’,3’-ジデオキシイノシン(ddI)、2’,3’-ジデオキシシチジン(ddC)、3’-フルオロ-3’-デオキシチミジン(FLT)、サキナビル(SQC)等、20種類を超える様々な化合物が、抗HIV剤として使用されている。そして、複数の抗HIV剤を組み合わせてAIDS患者に投与する多剤併用療法(Highly Active Antiretrovial Therapy;HAART)が導入され、HIV感染は慢性疾患と捉えられるようにもなっている。





現在使用されている抗HIV剤は、HIVのDNA合成を阻害する、あるいは、HIVが宿主細胞に侵入するのを防止する等、HIVの生活環には有効ではあるものの、HIVの潜伏感染には効果が認められない。また、これらの抗HIV剤による副作用や薬剤耐性ウイルスの出現等の問題から、HAARTの長期継続が困難な症例も増加している。しかも、慢性化したAIDS患者が、悪性腫瘍を合併して致死となる症例も増加している。しかしながら、既存の市販の抗HIV剤の中に抗がん作用を有すものは報告されておらず、異なる作用機序を有する新たな抗HIV剤の開発が急務となっている。





本発明者らは、ブラジルオトギリ草から抽出した3環系クマリン化合物、下記のGUT-70が抗がん作用を有することを報告している(非特許文献1、特許文献1)。さらに、GUT-70をリード化合物として化学修飾を加えた種々の誘導体を合成し、それらががん細胞の増殖抑制活性を有すること、癌、神経変性疾患、自己免疫疾患及び感染症等の予防・治療等に有効であることを報告している(特許文献2)。





【化1】








しかしながら、GUT-70等の抗ウイルス作用、特に抗HIV作用については報告されていない。

産業上の利用分野



本発明は、抗ウイルス作用を有する薬剤に関する。より詳細には、本発明は、抗HIVウイルス作用を有する3環系クマリン化合物(GUT-70)及びその誘導体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】


{式(I)中、
は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよい複素環カルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、シクロアルケニルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基又は一般式(1):
【化2】


[式(1)中、
16、R17及びR18は同一又は異なって水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、ジアルキルアミノ基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を意味する]
で表される構造を意味し;
は、水素、アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又は置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、或いはOR2a(式中、R2aは、水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又は置換基を有していてもよいアリール基を意味する)を意味し、OR2aはRとともに一般式(2):
【化3】


(式中、R19及びR20は、同一又は異なって、水素、アルキル基、シクロアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を意味し、或いは、C-R1920はC=Oを意味し、R21及びR22は、同一又は異なって、水素、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又はアシルアミノ基を意味し、破線は、ベンゼン環との縮合部分を示す)
で表される環を形成し;
は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、又はアリール基を意味し;
は、水素又はOR4a(式中、R4aは、水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を意味する)を意味し、OR4aはRとともに一般式(2):
【化4】


(式中、R19及びR20は、同一又は異なって、水素、アルキル基、シクロアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を意味し、或いは、C-R1920はC=Oを意味し、R21及びR22は、同一又は異なって、水素、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又はアシルアミノ基を意味し、破線は、ベンゼン環との縮合部分を示す)
で表される環を形成し;
が水素である場合RはOR2aであり、
がOR4aである場合RはOR2aではない;
式:
【化5】


で表される基は、
式(a):
【化6】


(式中、XはO、NH又はNR15(式中、R15は、アルキル基、シクロアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を意味する)を意味し、R5a及びR5bは同一又は異なって、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又は置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基を意味する)で表される基を意味するか、
式(b):
【化7】


(式中、R及びRは、同一又は異なって水素又は置換基を有していてもよいアルキル基を意味するか、C-RはC=Oを意味し、Rはオキソ基又はアルキル基を意味し、
【化8】


で表される結合は単結合又は二重結合を意味する)で表される基を意味するか、
式(c):
【化9】


(式中、Rは、水素又はアルキル基を意味し、R10は、水素又はアルキル基を意味し、R11は置換基を有していてもよいアリールカルボニル基を意味する)で表される基を意味するか、
式(d):
【化10】


(式中、XはN又はCHを意味し、R12は、水素又は置換基を有していてもよいアミノ基を意味する)で表される基を意味するか、又は
式(e):
【化11】


(式中、R13は、水素又は置換基を有していてもよいアリール基を意味し、R14は、水素又は置換基を有していてもよいアルキル基を意味する)で表される基を意味する}で表される化合物、又は
その薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗ウイルス剤。

【請求項2】
一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である、請求項1記載の抗ウイルス剤:
【化12】


{式(II)中、
1’は、水素、複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基、複素環カルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、シクロアルケニルカルボニル基又は一般式(1’):
【化13】


[式(1’)中、
16’、R17’及びR18’は同一又は異なって水素、アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を意味する]
で表される構造を意味し;
2’は、アルコキシ基を意味し;
3’は、水素又はアルキル基を意味し;
4’は、OR4a’(式中、R4a’はアルキル基を意味する)を意味し、OR4a’はR3’とともに一般式(2’):
【化14】


[式中、R19’及びR20’は、同一又は異なってアルキル基を意味し、破線は、ベンゼン環との縮合部分を示す]
で表される環を形成し;
式:
【化15】


で表される基が、
式(a’):
【化16】


(式中、R5a’及びR5b’は同一又は異なって、水素又は置換基を有していてもよいアルキル基を意味する)で表される基を意味するか、又は
式(b’):
【化17】


(式中、R8’はアルキル基を意味する)で表される基を意味する}。

【請求項3】
一般式(I)で表される化合物が、
5-メトキシ-2,2-ジメチル-6-[(2E)-2-メチルブテ-2-ノイル]-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
5-メトキシ-2,2-ジメチル-6-(2-メチルブタノイル)-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-6-(2-メチルブタノイル)-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-6-[(2E)-2-メチルブテ-2-ノイル]-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-6-プロピオニル-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
4-(5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-8-オキソ-6-プロピオニル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-10-イル)ブタン酸、
4-(5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-8-オキソ-6-プロピオニル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-10-イル)-N,N-ジメチルブタンアミド、
5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-10-[4-オキソ-4-(4-ピリジン-2-イルピペラジン-1-イル)ブチル]-6-プロピオニル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-6-プロピオニル-10-プロピル-2,7-ジヒドロ-2H,8H-ピラノ[2,3-f]キノリン-8-オン、
6-アセチル-5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-6-ペンタノイル-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-6-イソブチリル-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
10-(3-ブロモフェニル)-5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-6-プロピオニル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
3-(5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-8-オキソ-6-プロピオニル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-10-イル)プロピオン酸エチルエステル、
3-(5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-8-オキソ-6-プロピオニル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-10-イル)プロピオン酸、
5-ヒドロキシ-8,8-ジメチル-4-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-2-オン、
5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
3-(5-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-8-オキソ-6-プロピオニル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-10-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド、
5-メトキシ-2,2-ジメチル-10-(3-オキソ-3-ピロリジン-1-イルプロピル)-6-プロピオニル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
6-シクロブチルカルボニル-2,2-ジメチル-5-メトキシ-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
6-シクロヘキシルカルボニル-2,2-ジメチル-5-メトキシ-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、又は
6-シクロペンチルカルボニル-2,2-ジメチル-5-メトキシ-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン
である、請求項1記載の抗ウイルス剤。

【請求項4】
一般式(I)で表される化合物が、
5-メトキシ-2,2-ジメチル-6-[(2E)-2-メチルブテ-2-ノイル]-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、
6-シクロブチルカルボニル-2,2-ジメチル-5-メトキシ-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン、又は
6-シクロヘキシルカルボニル-2,2-ジメチル-5-メトキシ-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オン
である、請求項1記載の抗ウイルス剤。

【請求項5】
一般式(I)で表される化合物が、下記構造式を有する、5-メトキシ-2,2-ジメチル-6-[(2E)-2-メチルブテ-2-ノイル]-10-プロピル-2H,8H-ピラノ[2,3-f]クロメン-8-オンである、請求項1記載の抗ウイルス剤。
【化18】



【請求項6】
ウイルスがレトロウイルスである、請求項1記載の抗ウイルス剤。

【請求項7】
レトロウイルスがHIVである、請求項6記載の抗ウイルス剤。

【請求項8】
少なくとも一種の他の抗HIV剤を含む請求項1記載の抗ウイルス剤。

【請求項9】
他の抗HIV剤が、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、DNAポリメラーゼ阻害剤及びDNA合成阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種である請求項8記載の抗ウイルス剤。

【請求項10】
HIV感染患者におけるHIV複製を阻害するための薬剤を製造するための、請求項1~4のいずれか一項記載の化合物の使用。

【請求項11】
患者ががん、他の感染症又は免疫疾患を患っている、請求項10記載の使用。

【請求項12】
がんが、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、カポジ肉腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、平滑筋肉腫、絨毛癌、多発性骨髄腫、軟部腫瘍、小細胞肺癌、慢性骨髄性白血病、甲状腺癌、骨肉腫、頭頸部癌、食道癌、非小細胞肺癌、乳癌、大腸癌、胃癌、胆道癌、脳腫瘍、悪性黒色腫、腎臓癌、膵臓癌、肝臓癌、子宮頚癌、睾丸癌、皮膚癌又は肛門癌からなる群より選択される請求項11記載の使用。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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