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育苗期病害耐病性植物種子の製造方法及び育苗期病害の発病予防及び防除方法

国内特許コード P150012113
掲載日 2015年7月1日
出願番号 特願2014-045598
公開番号 特開2014-195451
出願日 平成26年3月7日(2014.3.7)
公開日 平成26年10月16日(2014.10.16)
優先権データ
  • 特願2013-047121 (2013.3.8) JP
発明者
  • 有江 力
  • 寺岡 徹
  • 野中 陽子
  • 加藤 亮宏
  • 田中 淳
  • 徳永 智美
  • 倉内 賢一
  • 鈴木 智貴
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
  • 地方独立行政法人青森県産業技術センター
  • 宮城県
発明の名称 育苗期病害耐病性植物種子の製造方法及び育苗期病害の発病予防及び防除方法
発明の概要 【課題】安定的な食料生産と供給のために、イネばか苗病等の育苗期病害に対して高い耐病効果を有し、安全かつ安価に供給可能な微生物農薬を開発することである。
【解決手段】種子伝染性病原菌に対応する非病原性菌を微生物農薬として開花期前後の宿主植物花部に接触させ、その後に得られる前記非病原性菌が定着した宿主植物の種子を回収することによって調製される育苗期病害耐病性植物の種子製造方法および、その種子を用いた育苗期病害の防除方法を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



植物の種子伝染性病害は、土壌伝染性病害と共に育苗期病害に位置づけられる。種子伝染性病害を引き起こす種子伝染性病原菌は、保菌種子によって翌世代に伝搬され、翌世代の苗植物に感染することで拡大する場合が多い。





例えば、イネばか苗病は、Fusarium fujikuroi(完全世代名Gibberella fujikuroi)に属するイネばか苗病菌によって引き起こされる農業上重要なイネの種子伝染性病害である。このイネばか苗病菌が定着したイネ種子(種籾)が発芽すると、周辺の健康なイネ苗に病原菌が伝播するのみならず、感染した植物体は異常な徒長及び黄化症状を示し、その後枯死に至る。枯死した植物体では、葉鞘下部表面に本菌の分生子が多数形成され、この分生子が飛散して周辺の健全株の花部や雌蕊や葯や葯骸に付着して籾が汚染される。その籾は、保菌種子として翌年の伝染源となる(非特許文献1)。





本病害はベノミル剤やペフラゾエート等の化学農薬による種子消毒によって効果的に防除可能であり、それ故、圃場では長らく沈静化していた。ところが、化学農薬への過度の依存は耐性菌の出現を早めることから、これらの薬剤の無効化が懸念された。さらに、イプコナゾール等の作用機作が異なる殺菌剤を用いることで、本病は沈静化していた。しかし、化学農薬の使用には耐性菌の出現のリスクが常に存在しており、また環境汚染、及び米への残留等の問題も残る。さらに、昨今は環境への関心の高まりと共に、環境と調和した持続可能な農業への移行が求められており、化学農薬の代替防除技術として、例えば、温湯浸漬法のような物理的防除法や、微生物農薬による生物的防除法が普及し始めている。これらの方法は、安全な農産物を生産して消費者に安心感を与え、植物保護による環境負荷を低減し、また化学農薬を利用し難い病害虫等を制御することを目標としている。





しかし、その一方で従来の物理的防除法や生物的防除法は、化学農薬に比べて効果が不安定で、イネばか苗病をはじめとする種子伝染性病害の発生を十分に抑制できないという問題や、処理にかかる労働力が増加するという問題があった。その他にも、微生物農薬の場合にはコスト面での問題が、また物理的防除法の場合には処理の煩雑さや種子発芽率低下等の問題があった。

産業上の利用分野



本発明は、種子伝染性病原菌に対応する非病原菌を利用した育苗期病害耐病性植物種子を製造する方法、及び育苗期病害耐病性植物種子を用いて翌世代での育苗期病害の発病を予防、防除する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
種子伝染性病原菌に対応する非病原性菌を開花期前後の宿主植物の花部に接触させる工程、
前記工程後に得られる前記非病原性菌が定着した宿主植物の種子を回収する工程
を含む、育苗期病害耐病性植物の種子製造方法。

【請求項2】
前記宿主植物がイネ科植物である、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記イネ科植物がイネである、請求項2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記非病原性菌がFusarium属菌、Nectria属菌、Gibberella属菌、Calonectria属菌、Hypomyces属菌、Trichoderma属菌、Penicillium属菌、Talaromyces属菌、Acremonium属菌、Alternaria属菌、Verticillium属菌、Bacillus属細菌、Pseudomonas属細菌、Xanthomonas属細菌及びStreptomyces属細菌からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項5】
前記非病原性菌がFusarium oxysporum、Fusarium moniliforme、Fusarium fujikuroi、Fusarium proliferatum、及びFusarium sacchariからなる群から選択されるFusarium属菌由来である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項6】
前記非病原性菌が受託番号NITE BP-01538又はNITE BP-01539である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項7】
種子伝染性病原菌に対応する非病原性菌を開花期前後の宿主植物の花部に接触させることによって得られる育苗期病害耐病性植物の種子。

【請求項8】
前記宿主植物がイネ科植物である、請求項7に記載の種子。

【請求項9】
前記非病原性菌が請求項4~6のいずれかに記載の非病原性菌である、請求項7又は8に記載の種子。

【請求項10】
請求項7又は8に記載の育苗期病害耐病性植物の種子を用いる育苗期病害の発病予防及び防除方法。

【請求項11】
前記植物がイネ科植物である、請求項10に記載の予防及び防除方法。

【請求項12】
前記育苗期病害が種子伝染性病害及び土壌伝染性病害である、請求項10又は11に記載の予防及び防除方法。

【請求項13】
種子伝染性病原菌に対応する非病原性菌を有効成分とする育苗期病害防除用微生物農薬。

【請求項14】
イネ科植物適用用である、請求項13に記載の微生物農薬。

【請求項15】
前記非病原性菌が請求項4~6のいずれかに記載の非病原性菌である、請求項13又は14に記載の微生物農薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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