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上肢リハビリテーション支援装置 コモンズ

国内特許コード P150012142
掲載日 2015年7月3日
出願番号 特願2015-099847
公開番号 特開2016-214343
出願日 平成27年5月15日(2015.5.15)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発明者
  • 坂口 正道
  • 和田 郁雄
  • 堀場 充哉
出願人
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
  • 公立大学法人名古屋市立大学
発明の名称 上肢リハビリテーション支援装置 コモンズ
発明の概要 【課題】腕の筋肉のみを使った訓練法の問題を解決し、筋肉に加えて手の指先の触覚を利用したリハビリ効果の大きい上肢リハビリテーション支援装置を提供する。
【解決手段】上肢リハビリテーション支援装置は、平面上を前後左右に移動可能な一対の運動提示部10と、被験者イの指に対する接触対象としての触覚提示部30とを有している。被験者イは、一対の運動提示部10に左右の掌を置くと共に、左手に含まれる指の少なくとも1本と右手に含まれる指の少なくとも1本とを触覚提示部30の上にそれぞれ接触させて、リハビリ訓練を行う。
【選択図】 図10
従来技術、競合技術の概要


厚生労働省の2011年度調査によると、日本の脳卒中総患者数は111万人にものぼる。また、脳卒中後遺症の患者は推計約160万人にものぼり、これは介護が必要となった原因の第一位を占めている。脳卒中の発症後に後遺症として最も多いものが片麻痺であり、立つ、歩くという基本的な動作を阻害されることが多い。これにより、食事、更衣、移動などの生活の中で不可欠な日常動作に支障が生じる。そのため、麻痺した機能の改善は、その後の生活の質に大きく関わる。麻痺した機能は、脳の可塑性によりリハビリテーションで回復可能であることが証明されたことをきっかけに、現在様々な方法で、例えば非特許文献1に示すようにリハビリテーションが行われている。



その中に、非特許文献2に示す、麻痺肢を動かしているような運動錯覚を利用して運動機能の回復を図る方法がある。これは、上肢の非麻痺肢と麻痺肢との間に鏡を置き、非麻痺肢が鏡に写り動いている像を覗きながら、麻痺肢を非麻痺肢と同じように動かそうと努力するミラーセラピーと呼ばれる訓練法である。



従来の非特許文献2に示すミラーセラピーでは、箱の中に鏡を設置したミラーボックスが用いられており、被験者はミラーボックスの中で非麻痺肢を動かす。このため、前腕の回内外、手関節と手指の屈伸、拇指内外転、対立動作などはできるが、肩関節を含む上肢全体の動作はできない。



また、スポンジやブロック等を握る運動も行われているが、これらの運動は非麻痺肢のみで行われており、麻痺肢もできるだけ同じ動作をするよう教示しているが、実際に麻痺肢でスポンジ等を握る動作は行っていない。



この他、ミラーセラピーを二人で行い、被験者の非麻痺肢の運動に合わせて、協力者が被験者の麻痺肢を他動的に動かす訓練も行われている。このとき、被験者の麻痺肢には刺激が加えられているが、この場合訓練装置として触覚刺激を提示する機構や部位は備えておらず、被験者が自ら動作し触覚を知覚するアクティブタッチは実現できていない。



また、従来の特許文献1に示す健康用具は、柔軟性のある材料で作った掌で握ることができる二つの握袋を鏡の両側に配置し、被験者は非麻痺肢と麻痺肢それぞれの手で握袋の把持運動を行う。二つの握袋は可撓性のチューブで連結されているため、一方の握袋を非麻痺側肢で握り込むと、他方の握袋が膨らみ、麻痺側肢にも刺激が提示される。この用具では、非麻痺肢の手を握り込むと麻痺肢の手は押し広げられるので、非麻痺肢と麻痺肢の手に同じ刺激を加えることはできない。



従来の特許文献2に示す上肢リハビリテーション支援装置は、ステージのアームレストに前腕部を載せ、グリップを手で握ることで、左右鏡面対象運動を行う。この装置では、上肢や手関節の運動訓練が実施可能である。



また、非特許文献3にも、いくつかリハビリテーションに利用可能なロボット等が示されているが、これらの装置も、被験者が棒状や球状のグリップを把持するか、あるいは被験者の上肢を装置に装着し手には何も把持していない物ばかりであり、上肢運動のリハビリテーションにおいて触覚を提示する機構や部位は備えていない。



以上の通り、従来生理学でも運動系と感覚系は別々に記述され、リハビリテーションにおける運動訓練と感覚訓練は別々に実施されていた。ところが、実際の健常者の動きは、例えば果物の皮を剥く場合、腕の筋肉により果物を手に取り、手の指先の触覚により果物の大きさや形状把握し、皮を剥くときのナイフの動きを制御する。また本を読む場合は、腕の筋肉により本を取り、指先の触覚で本を持つ力やページをめくる指の動作を制御する。このように、上肢機能にとって運動と感覚は密接に関係しているものの、従来の上肢リハビリテーション支援装置は、筋肉による動作訓練のみで、手の指先の触覚を利用した訓練とはなっておらず、患者に対してリハビリ効果を十分引き出していない問題があった。

産業上の利用分野


本発明は、平面上を前後左右に移動可能な、一対の運動提示部を有する上肢リハビリテーション支援装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
平面上を前後左右に移動可能な一対の運動提示部と、被験者の指に対する接触対象としての触覚提示部とを有する上肢リハビリテーション支援装置において、
前記被験者は、一対の前記運動提示部に左右の掌を置くと共に、左手に含まれる指の少なくとも1本と右手に含まれる指の少なくとも1本とを前記触覚提示部の上にそれぞれ接触させて、リハビリ訓練を行うことを特徴とする上肢リハビリテーション支援装置。

【請求項2】
一対の前記運動提示部は、左右鏡面対称な位置になるように移動可能なことを特徴とする請求項1に記載の上肢リハビリテーション支援装置。

【請求項3】
前記触覚提示部は、前記被験者の指が接触し該指に対して刺激を付与することが可能な接触表面を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の上肢リハビリテーション支援装置。

【請求項4】
前記触覚提示部は、前記被験者の指が接触する接触表面を備え、
該接触表面は、凹凸の大きさが異なる2以上のパターンを持つ面からなることを特徴とする請求項1または2に記載の上肢リハビリテーション支援装置。

【請求項5】
前記触覚提示部は、前記被験者の指が接触する接触表面を備え、
該接触表面は、第1の凸凹面と、該第1の凸凹面よりも凸凹が大きい第2の凸凹面とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の上肢リハビリテーション支援装置。

【請求項6】
前記触覚提示部は平面状であり、鉛直方向に対して傾斜した平板上に設置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の上肢リハビリテーション支援装置。

【請求項7】
一対の前記運動提示部の間に配置された鏡を有し、
該鏡は、一対の前記運動提示部を相互に結んだ仮想直線に交差する方向を向くと共に、一対の前記運動提示部に置かれた前記左右の掌のうちの一方の鏡像を前記被験者に見せることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の上肢リハビリテーション支援装置。

【請求項8】
被験者が上肢のリハビリ訓練を行う際に使用する上肢リハビリテーション支援装置であって、
前記被験者の左手に含まれる指の少なくとも1本と前記被験者の右手に含まれる指の少なくとも1本とがそれぞれ接触する触覚提示部と、
前記被験者の左右一対の上肢のうちの左右同じ接触部位にそれぞれ接触する一対の運動提示部とを備え、
一対の前記運動提示部は各々、前記被験者の左右それぞれの指が前記触覚提示部に接触した状態で、前記接触部位を平面上にて前後左右に案内することを特徴とする上肢リハビリテーション支援装置。

国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 4C046AA30
  • 4C046AA47
  • 4C046BB05
  • 4C046CC04
  • 4C046DD33
  • 4C046FF09
画像

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出願権利状態 公開
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