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核分裂生成物と混在して含まれる超ウラン元素の分析方法

国内特許コード P150012144
整理番号 13911
掲載日 2015年7月8日
出願番号 特願2013-200728
公開番号 特開2015-068657
出願日 平成25年9月27日(2013.9.27)
公開日 平成27年4月13日(2015.4.13)
発明者
  • 高崎 浩司
  • 安宗 貴志
  • 中村 圭佑
  • 大西 貴士
  • 石見 明洋
  • 伊藤 主税
  • 大野 雅史
  • 畠山 修一
  • 高橋 浩之
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 核分裂生成物と混在して含まれる超ウラン元素の分析方法
発明の概要 【課題】使用済み燃料中又は燃料デブリ中に核分裂生成物を混在して含まれる超ウラン元素量の分析を、非破壊・非接触で、且つ、短時間に高精度で行うことができる超ウラン元素の分析方法を提供する。
【解決する手段】本発明の分析方法は、超伝導相転移端温度計(TES)型マイクロカロリーメータを用いて使用済み燃料又は燃料デブリからのγ線又はX線を観測するステップと、30keV~150keVのエネルギー範囲内で現れるγ線又はX線の各ピーク値から超ウラン元素の量を求めるステップとを有する。また、TES型マイクロカロリーメータによる測定から求める超ウラン元素と核分裂生成物との正確な組成比に基づいて、ユーロピウム等の核分裂生成物を収納容器に収納した状態でGe半導体検出器等によって正確に測定された濃度の結果から、より高精度の超ウラン元素量の定量分析を行うことができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


使用済み燃料又は燃料集合体が溶融したのち冷えて固まった燃料デブリを再処理又は廃棄するときは、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)を始めとする各種の超ウラン元素の濃度及びそれらの核種組成割合や量を確認することが、燃料の核的特性の把握や取扱い上の安全性の確保のためだけでなく、核兵器不拡散条約に基づく国際的な核物質の管理のために必要不可欠である。



しかしながら、使用済み燃料中又は燃料デブリ中の核物質は核分裂生成物からの強い放射線の影響により既存の放射線測定器のエネルギー分解能では直接測定することはできない。このため、核分裂生成物からの放射線による燃焼度の推定による核物質量の評価や試料の放射化学分析から核物質量の評価が行われている。例えば、特許文献1には、放射性配位物中に含まれる核種を化学的に分離し、α線スペクトル測定によってウラニウム同位体の同定とその定量分析を行う方法が提案されている。



前記の放射化学分析等は、使用済み燃料又は燃料デブリ等の試料を破壊又は溶解によって化学的な分離処理を行うため分析作業に手間がかかるとともに、高線量の物質の取扱いによる分析作業員の被ばく線量が高くなる問題がある。また、燃焼度の推定による評価方法では使用済み燃料集合体など組成や形状の決まったものでしか適用されていない。



また、燃料集合体が溶融して燃料デブリの状態になっているものは、セシウム等の揮発性の高い核分裂生成物が原子炉外に飛散し、形状や組成が不均一な状態と思われる。そのため、燃料デブリ中の核物質の推定のために、核物質に随伴すると考えられるユーロピウム等の核分裂生成物からの放射線を測定し、燃焼度を評価して核物質の量を評価することが考えられている。しかしながら、この方法は燃焼度からの核物質量の推定であり、核物質と核分裂生成物の直接的な確認とはなっていない。また、試料ごとの放射化学分析による確認もコストや被ばく線量の増大となるため、簡易かつ可能な限り確実性の高い評価方法が望まれている。



前記の課題を解決するものとして試料の外側から非破壊・非接触で測定する方法が考えられる。例えば、本発明者等は、エネルギー分解能が十分でなかった従来の放射線測定器に代えて、高分解能の放射線測定器である超伝導相転移端温度計(TES)型マイクロカロリーメータを超ウラン元素測定用として開発し、具体的にLX線測定を行うことによってプルトニウム(Pu)及びアメリシウム-241(Am-241)を識別できる方法を提案した(特許文献2を参照)。



また、特許文献3には、非破壊・非接触の蛍光X線分析において短時間に正確な分析を行うために、計数効率は小さいがエネルギー分解能の優れたセンサと、エネルギー分解能は悪いが計数効率の優れたセンサとを並置させたエネルギー分散型X線検出システムが提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、使用済み燃料又は燃料集合体が溶融したのち冷えて固まった燃料デブリの中に核分裂生成物と混在して含まれる超ウラン元素の分析方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
使用済み燃料中又は燃料デブリ中に核分裂生成物と混在して含まれる超ウラン元素の分析方法であって、
超伝導相転移端温度計型マイクロカロリーメータを用いて前記使用済み燃料又は燃料デブリからのγ線又はX線を観測するステップと、
前記超伝導相転移端温度計型マイクロカロリーメータによる測定において30keV~150keVのエネルギー範囲内に現れる前記超ウラン元素に起因するγ線ピーク値又はX線ピーク値を測定するステップとを有し、
前記測定されるγ線ピーク値又はX線ピーク値を用いて、前記使用済み燃料中又は燃料デブリ中に存在する前記超ウラン元素の量を求めることを特徴とする、核分裂生成物と混在した超ウラン元素の分析方法。

【請求項2】
前記超伝導相転移端温度計型マイクロカロリーメータは、超伝導相転移端温度計(TES)素子、超伝導量子干渉計(SQUID)及び前記TES素子と前記SQUIDを冷却するための冷却装置を有し、前記TES素子及び前記SQUIDは、前記冷却装置から発生する微弱振動の伝搬を抑制するために、前記冷却装置から分離して浮かした状態で設置されることを特徴とする請求項1に記載の核分裂生成物と混在した超ウラン元素の分析方法。

【請求項3】
前記使用済み燃料中又は燃料デブリ中に存在する前記超ウラン元素の量は、
前記測定されるγ線ピーク値又はX線ピーク値に相当する計数値から、若しくは該計数値を、予め求めた前記超ウラン元素の既知量から決まるγ線ピーク値又はX線ピーク値に対応させて換算した値から、直接的に求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の核分裂生成物と混在した超ウラン元素の分析方法。

【請求項4】
前記超ウラン元素がU-235、U-238、U-237、Pu-238、Pu-239、Pu-240及びAm-241の群から選ばれる少なくとも一つの元素であることを特徴とする請求項3に記載の核分裂生成物と混在した超ウラン元素の分析方法。

【請求項5】
請求項1又は2に記載の超ウラン元素の分析方法を利用する分析方法であって、
前記超伝導相転移端温度計型マイクロカロリーメータによる測定において30keV~150keVのエネルギー範囲内に現れる前記超ウラン元素及び前記核分裂生成物のそれぞれに起因するγ線ピーク値を測定するステップと、
前記超ウラン元素に起因するγ線ピーク値と前記分裂生成物に起因するγ線ピーク値との比から、前記使用済み燃料中又は燃料デブリ中に含まれる前記超ウラン元素と前記核分裂生成物との組成比を求めるステップと、
前記使用済み燃料又は燃料デブリを収納した収納容器内に存在する前記核分裂生成物から放射される高エネルギーのγ線を、計数効率に優れたセンサを用いて測定することによって前記核分裂生成物の量を求めるステップと、
前記核分裂生成物の量を求めるステップによって求められた前記核分裂生成物の量から、前記前記超ウラン元素と前記核分裂生成物との組成比に基づいて前記超ウラン元素の量を求めるステップとを有する、核分裂生成物と混在した超ウラン元素の分析方法。

【請求項6】
前記計数効率に優れたセンサが、ゲルマニウム(Ge)半導体検出器であることを特徴とする請求項5に記載の核分裂生成物と混在した超ウラン元素の分析方法。

【請求項7】
前記超ウラン元素がU-235、U-238、U-237、Pu-238、Pu-239、Pu-240及びAm-241の群から選ばれる少なくとも一つの元素であり、前記核分裂生成物がEu-154、Eu-155、Cs-137/Ba-137m、Cs-134、Ce-144の群から選ばれる少なくとも一つの元素であることを特徴とする請求項4~6の何れかに記載の核分裂生成物と混在した超ウラン元素の分析方法。

【請求項8】
前記超ウラン元素がPu-239であり、前記核分裂生成物がEu-154であることを特徴とする請求項7に記載の核分裂生成物と混在した超ウラン元素の分析方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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