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色素増感型光電変換素子の光入射側電極の製造法 コモンズ

国内特許コード P150012160
整理番号 DP1602
掲載日 2015年7月29日
出願番号 特願2013-196730
公開番号 特開2015-064944
出願日 平成25年9月24日(2013.9.24)
公開日 平成27年4月9日(2015.4.9)
発明者
  • 吉門 進三
  • 佐藤 祐喜
  • 川上 亮
出願人
  • 学校法人同志社
発明の名称 色素増感型光電変換素子の光入射側電極の製造法 コモンズ
発明の概要 【課題】色素増感型光電変換素子の光入射側電極を安価にかつ安定的に製造できる方法を提供する。
【解決手段】平均粒径が異なる複数の半導体微粒子群を準備する(S1)。複数の半導体微粒子群のそれぞれを個別に分散媒中に混ぜて複数のコロイドを形成する(S2)。平均粒径が最小の半導体微粒子群のコロイド中に、一方が透明導電膜を有する透明基板からなる一対の電極を挿入し、電極間に電流を流して電気泳動を行う(S3)。電気泳動の間に、残りの半導体微粒子群のコロイドを平均粒径が小さいものから順に、所定の時間間隔で所定量添加することにより、透明基板の透明導電膜上に半導体微粒子を積層する(S4)。半導体微粒子を積層した透明基板を熱処理し(S5)、当該透明基板上の半導体微粒子層に色素を吸着させる(S6)。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、シリコン系太陽電池に代わる新たな太陽電池として、色素増感型太陽電池が注目されている。
色素増感型太陽電池は、通常、透明導電膜を有する透明基板、および当該透明基板上に形成され、色素を吸着した多孔質半導体層からなる光入射側電極と、光入射側電極の多孔質半導体層に対向して配置された対極と、光入射側電極および対極間に保持された電解液層と、から構成されている。



そして、光が光入射側電極の透明基板側(光入射面)から入射し、入射光は、多孔質半導体層に到達すると、色素に吸収され、色素分子中の電子が励起される。この励起電子のエネルギーレベルは、多孔質半導体層を構成する半導体微粒子のフェルミレベルよりも負側にあるので、励起電子は半導体微粒子に注入される。一方、色素は酸化された状態となる。半導体微粒子に注入された電子は、多孔質半導体層内を移動し、光入射側電極の透明導電膜に達した後、外部回路を通って対極に至る。対極では、電解液との界面において酸化還元種の還元反応が起こり、対極に達した電子は電解質中のイオンに受け渡される。電子を受け渡されたイオンは、電解質中を多孔質半導体層まで移動し、酸化状態にある色素を還元する。そして、この一連のプロセスが繰り返されることによって、太陽光線等の光エネルギーから電気エネルギーが取り出される。



この場合、色素増感型太陽電池の光電変換の効率を上げるには、多孔質半導体層中の色素による入射光の吸収効率を上げることが重要であり、そのため、従来技術においては、光入射側電極の多孔質半導体層を多層構造化し、光入射面側から遠ざかるにつれて、半導体微粒子の平均粒径が層毎に次第に増大するように構成した光入射側電極が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。



この光入射側電極によれば、光入射面側に位置する平均粒径の小さい半導体微粒子の層において光の散乱が抑制される一方、光入射面から遠い側に位置する平均粒径の大きい半導体微粒子の層において光が散乱されることによって、入射光が色素に効率よく吸収され、その結果、色素増感型太陽電池の光電変換の効率が上がる。



しかしながら、この従来技術においては、多層構造の多孔質半導体層の形成が、予め準備されたそれぞれ平均粒径の異なる複数種類のコロイド溶液を、平均粒径の小さいものから順に、基板上に塗布し、塗布するたびに、得られた塗膜を乾燥した後、50~800℃の温度範囲内で10秒~12時間程度焼成することによってなされる。そのため、3層以上の多層構造の多孔質半導体層を得ようよすると、時間がかかり、また製造コストもかかるという問題があった。加えて、塗布では、広い面積にわたり、また湾曲した面上に均一な厚さの塗膜を形成することは容易ではなく、よって、大きなサイズの電極や、平板状でない電極を製造することは難しかった。

産業上の利用分野


本発明は、色素増感型光電変換素子、特に色素増感型太陽電池の光入射側電極を製造する方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
色素増感型光電変換素子の光入射側電極の製造法であって、
(1)平均粒径が異なる複数の半導体微粒子群を準備するステップと、
(2)前記複数の半導体微粒子群のそれぞれを個別に分散媒中に混ぜることにより、複数のコロイドを形成するステップと、
(3)前記複数の半導体微粒子群のうちの平均粒径が最小の半導体微粒子群のコロイドを容器に収容し、当該コロイド中に、少なくとも一方が透明導電膜を有する透明基板からなる一対の電極を挿入し、前記一対の電極間に、前記透明導電膜を有する透明基板が陰極となるように電流を流して電気泳動を行うステップと、
(4)前記電気泳動の間に、残りの半導体微粒子群のコロイドを、平均粒径が小さいものから順に所定の時間間隔で所定量添加することにより、前記陰極側の前記透明基板の透明導電膜上に半導体微粒子を積層するステップと、
(5)前記半導体微粒子を積層した前記透明基板を前記容器から取り出して熱処理するステップと、
(6)前記熱処理後の透明基板上の半導体微粒子層に色素を吸着させるステップと、からなっていることを特徴とする製造法。

【請求項2】
前記ステップ(4)において、コロイドの添加を、当該添加すべきコロイドを一定の添加速度で所定の時間にわたって連続的に添加することによって行うことを特徴とする請求項1に記載の製造法。

【請求項3】
前記複数の半導体微粒子群のそれぞれを結晶構造が異なる半導体微粒子から形成するとともに、
前記ステップ(6)において、前記半導体微粒子層への色素の吸着を、前記半導体微粒子群毎に当該半導体微粒子群に適合する色素を準備し、前記平均粒径が最小の半導体微粒子群に適合する色素の溶液を第2の容器中に収容し、当該色素の溶液中に前記透明基板を一方の電極とする一対の電極を挿入し、前記一対の電極間に電流を流して電気泳動を行い、この電気泳動の間に、残りの色素のそれぞれの溶液を、平均粒径が小さい半導体微粒子群に適合するものから順に所定の時間間隔で所定量添加することにより、前記透明基板上の半導体微粒子層に色素を吸着させることによって行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製造法。

【請求項4】
前記複数の半導体微粒子群のそれぞれを異なる種類の半導体から形成したことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の製造法。

【請求項5】
前記複数の半導体微粒子群をいずれも酸化チタンから形成したことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の製造法。

【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の製造法によって製造された色素増感型光電変換素子の光入射側電極であって、
透明導電膜を有する透明基板と、
前記透明基板の透明導電膜上に形成された半導体微粒子層と、
前記半導体微粒子層に吸着された色素と、からなり、
前記半導体微粒子層が、前記透明基板から遠ざかるにつれて、次第に粒径の大きい半導体微粒子の割合が増大するように構成されていることを特徴とする光入射側電極。

【請求項7】
請求項3に記載の製造法によって製造された色素増感型光電変換素子の光入射側電極であって、
透明導電膜を有する透明基板と、
前記透明基板の透明導電膜上に形成された半導体微粒子層と、
前記半導体微粒子層に吸着された色素と、からなり、
前記半導体微粒子層が、前記透明基板から遠ざかるにつれて、次第に粒径の大きい半導体微粒子の割合が増大するとともに、この粒径の遷移に対応して半導体微粒子の結晶構造が次第に変化するように構成され、さらに、前記半導体微粒子層には、前記半導体微粒子の結晶構造に適合した色素が吸着されていることを特徴とする光入射側電極。

【請求項8】
前記複数の半導体微粒子群のそれぞれが異なる種類の半導体からなっていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の光入射側電極。

【請求項9】
前記複数の半導体微粒子群がいずれも酸化チタンからなっていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の光入射側電極。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013196730thum.jpg
出願権利状態 公開
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