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処理対象ガス中の二酸化炭素を分離・除去・貯蔵する方法及び二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置

国内特許コード P150012170
整理番号 S2015-0206-N0
掲載日 2015年8月3日
出願番号 特願2014-260760
公開番号 特開2016-120443
出願日 平成26年12月24日(2014.12.24)
公開日 平成28年7月7日(2016.7.7)
発明者
  • 今井 剛
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 処理対象ガス中の二酸化炭素を分離・除去・貯蔵する方法及び二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置
発明の概要 【課題】処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵において、簡易な構成の装置により二酸化炭素の吸収効率を高め、イニシャルコスト、ランニングコストをともに抑えられる技術の提供。
【解決手段】密閉型の高濃度気体溶解装置3は密閉型容器の形状の本体部4とその内部に配置されたカップ状体5を備えてなり、液体に処理対象ガスをあらかじめ混合した気液混合物を加圧状態で高濃度気体溶解装置3内に給送し、高濃度気体溶解装置3内に配置されたカップ状体5の底部に向けてシャワー状に噴射することにより液泡を発生させ、それにより気液接触面積を増大させて二酸化炭素の分離・溶解効率を高め、二酸化炭素を溶解した液体と、二酸化炭素が溶解し除去されたガスとを別個に排出し、回収し、二酸化炭素を分離・除去する方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年に至り人口増加、産業の発展とともに、大気中における二酸化炭素の濃度が上昇し、それによる地球温暖化、異常気象等の事態が生じ、このような被害をなくすために、二酸化炭素の排出をいかに抑制するかという対策が急務として世界的規模で求められ、検討されている。エネルギー利用に関して、二酸化炭素を発生する化石燃料から再生可能エネルギーへの転換もこのような対策の一つとして有望視されている。



再生可能エネルギーの中でも特に有望視されているものに、バイオマスエネルギーがあり、そのうちバイオガス(バイオメタン、バイオ水素等)はすでに一部が実用化され、オイル生産微細藻類が大きな注目を集めるというように、今後さらに発展する期待が大きい。しかしながら、バイオガス生産時には二酸化炭素が生産ガス中に30~60%程度含まれるため、それを分離・回収・貯蔵する技術が必要とされる。



また、これまでの主要エネルギーである化石燃料(石油、石炭、天然ガス等)の利用において、小さいものは工場内のボイラー設備から大きなものは火力発電設備にいたるまで、排ガスからの二酸化炭素の分離・回収・貯蔵技術は今後の地球温暖化対策における主柱となるものであり、回収した二酸化炭素を利活用して初めて循環型社会への貢献と言える。この利活用については、オイル生産微細藻類や野菜工場への応用が有望であり、そのための高効率かつ安定的な二酸化炭素の分離・回収・貯蔵技術が求められている。



従来の二酸化炭素分離・除去技術として、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、酸素燃焼+深冷分離法、吸着剤による分離法などが開発されているが、これらの二酸化炭素分離・除去技術における問題点として、イニシャルコストが高いことがあげられる。特に物理吸収法や吸着剤による分離法のようにプロセスが複雑であると、イニシャルコストが高額になる。次に、ランニングコストが高額になることがあげられる。化学処理法では薬品の費用が処理量に比例したものとなり、スケールメリットが出にくく、膜分離法も定期的な膜交換が必要であり膜自体の単価が高価であることから、スケールメリットが出にくい傾向にある。



例えば石炭火力発電所などの大型設備に導入する場合に、スケールメリットを生かしても、一番廉価な場合で13~70US$/ton-CO2程度の運転コストが必要であり、小規模の二酸化炭素分離・除去技術ではさらにコストが高まる。さらに、酸素燃焼+深冷分離法は空気から酸素を分離するプロセスで多量のエネルギーが必要であり、酸素分離膜の開発が今でも行われている。一方で、従来から用いられているスクラバー式の吸収塔の場合、イニシャルコストが比較的安価であるが、二酸化炭素の吸収効率が低いため、一定以上の吸収効率を実現するためには吸収剤としての化学薬品が必要になり、化学吸収法と同様にランニングコストが高額になるという問題点があった。



具体的な二酸化炭素を除去するための方法、装置の特許情報として、特許文献1は排ガス中の二酸化炭素をCO2吸収塔でアミン吸収液と接触させてCO2を除去した後に処理液を加熱してアミン吸収液を回収する排ガス処理方法について開示し、特許文献2はCO2含有ガスの吸引経路中に生石灰の微粉を注入し水を噴霧して生成した水酸化カルシウムの微粉を濾布により濾過し、水酸化カルシウムを堆積させたものをパルスジェットの噴射により払い落として回収するCO2除去方法、装置について開示するものであるが、これらの方法による二酸化炭素の分離、除去のためにはアミン吸収液、生石灰等を消費することが必要とされるとともに、処理工程が煩雑、大規模になり、多大のコストを要するものになる。



特許文献3は霧化した水を燃焼排出気体に向流させて等容量に近づくように勾配会合させ、CO2を混合した霧を露点下に冷却してもとの液状にすることによりCO2を分離抽出捕捉することを開示している。これは二酸化炭素の水溶性を利用するものであるが、水を霧化し混合気体と同相の霧状にし体積混合を近づけるように調整するための機構等は煩雑になるものである。また、特許文献4は空気導入口から取り込まれる空気が混合した水を衝突部材に衝突させ気泡を発生させた後にルーツポンプでの圧縮作用により気泡を微細化し、これを含む水を排出する二酸化炭素ガス回収装置について開示しているが、この場合の衝突部材は平板状であって気泡の発生効率は高められず、ルーツポンプにより気泡を微細化するための装置を要するというように装置構成が煩雑なものとなっている。



特許文献5は、気体溶解器とそれを備えた水処理装置に関して開示し、これは円筒状の導入部内に気液混合液を外部からポンプを介して導入し導入部内の円周面近傍に位置するエジェクターノズルから放出して旋回流を形成し水泡を発生させて気体を溶解させるものであるが、旋回流式のものであるため強い噴流ではなく、気体溶解効率を高めるには不十分であり、また、酸素等のガスを液中に溶解するためのものであって、処理後のガスを排出するものではないので、ガス中の特定成分を分離・除去するものとはならない。

産業上の利用分野


本発明は、処理対象ガス中の二酸化炭素を分離・除去・貯蔵する方法及び二酸化炭素分離・除去・貯蔵装置に関し、より詳細には、水等の液体への気体溶解による処理対象ガス中の二酸化炭素を分離・除去・貯蔵する方法及び二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
密閉型の高濃度気体溶解装置を用いて二酸化炭素を含む処理対象ガス中の二酸化炭素を液体に溶解させた後に処理後のガスを別個に排出・回収することにより処理対象ガス中の二酸化炭素を除去する方法であって、前記高濃度気体溶解装置は密閉型容器の形状の本体部とその内部に配置されたカップ状体を備えてなるものであり、液体に処理対象ガスをあらかじめ混合した気液混合物を加圧状態で前記高濃度気体溶解装置内に給送し、該高濃度気体溶解装置内に配置されたカップ状体の底部に向けてシャワー状に噴射することにより液泡を発生させ、それにより気液接触面積を増大させて二酸化炭素の分離・溶解効率を高めるようにしたことを特徴とする処理対象ガス中の二酸化炭素を分離・除去・貯蔵する方法。

【請求項2】
密閉型容器の形状の本体部とその内部に配置されたカップ状体を備える高濃度気体溶解装置と、液体を加圧状態で給送するとともに二酸化炭素を含む処理対象ガスをあらかじめ合流させ混合させた上で前記高濃度気体溶解装置内に導入し前記カップ状体の底部に向けてノズルを介してシャワー状に噴射させ液泡を生成せしめるようにした気液混合物給送部と、前記高濃度気体溶解装置から処理後のガスと二酸化炭素を溶解させた液体とを別個に排出する回収部と、からなることを特徴とする処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置。

【請求項3】
前記カップ状体の上縁側において、前記ノズルからシャワー状に噴射された気液混合物が通過する中心の導管と、その周囲において前記カップ状体の上縁側内周面に達する位置まで密接して配置された複数の細管とを一体的に取り付けてなる液膜形成部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014260760thum.jpg


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