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光電極、光電変換素子及び光電極の製造方法 UPDATE

国内特許コード P150012184
整理番号 H24-038
掲載日 2015年8月5日
出願番号 特願2013-007511
公開番号 特開2014-137968
出願日 平成25年1月18日(2013.1.18)
公開日 平成26年7月28日(2014.7.28)
発明者
  • 中山 雅晴
  • 三刀 俊祐
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 光電極、光電変換素子及び光電極の製造方法 UPDATE
発明の概要 【課題】色素を用いずに可視光を直接電気エネルギーに変換することができ、光電変換機能を有する材料の資源量が豊富で枯渇の心配がなく、安価に製造できて、耐久性に優れ、光電変換特性の高い光電極や、前記光電極を備えた光電変換素子や光充電レドックスキャパシタを提供すること。
【解決手段】導電性基板と、前記導電性基板上に形成された繊維状炭素層と、前記繊維状炭素層上に形成されたバーネサイト型層状マンガン酸化物層とを有する光電極、前記光電極と電解質層と対極とを備えた光電変換素子及び前記光電極を備えた光充電レドックスキャパシタ。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、化石燃料の枯渇や化石燃料の燃焼によって生ずる地球温暖化への対策が急務となり、自然エネルギーの利用促進が必要となってきている。自然エネルギーの中でも、太陽エネルギーを利用した太陽電池が最も期待されており、可視光を電気エネルギーに変換するために、様々な種類の光電変換素子が開発されている。その代表的なものとしては、シリコン系の材料を用いた光電変換素子がある。このタイプの光電変換素子は、開発の歴史が古く、太陽電池として実用化され、単結晶シリコン、多結晶シリコンやアモルファスシリコンを用いたものが提案されているが、製造には多大なエネルギーを必要とするため、製造コストが高いという問題点がある。また、GaAsやInP等の化合物半導体を用いた光電変換素子も提案されているが、製造コストが高い、GaやInの資源量が少ない、毒性への懸念等の問題がある。



上記材料と異なった半導体材料として、最近、金属酸化物半導体を用いた光電変換素子の開発が進められている。金属酸化物として酸化チタンを用い、酸化チタンの表面に増感色素を吸着させた光電変換素子で、色素増感型といわれている。色素増感型の光電変換素子は、透明導電性基板上に酸化チタンからなる金属酸化物半導体層を形成し、金属酸化物半導体層に色素を吸着させたものを光電極として用いる。色素が太陽光を吸収すると、色素中の電子が励起され、励起された電子が、金属酸化物半導体層を形成する酸化チタンの伝導帯に注入されて、導電性基板を通じて外部回路へ運ばれる。色素の吸着量が多いほど光電変換効率が高いため、酸化チタンとしては、微粒子が用いられ、金属酸化物半導体層は、色素の吸着量を増加させるために、酸化チタン微粒子からなる多孔質膜として形成されている(特許文献1)。



しかし、色素増感型の光電極を用いた光電変換素子の場合、可視光を効率よく吸収し、励起準位が酸化チタンの伝導帯よりもエネルギー順位の高い色素が必要であり、ルテニウム錯体色素等が用いられているが、ルテニウムは高価であり色素の価格が高い、色素が太陽光を吸収して分解したり電解液に溶出したりするため耐久性が十分でないといった問題点がある。さらに、ヨウ素系の電解液が必要となり、ヨウ素による内部の腐食劣化、液漏れ、ガラスセル中への電解液注入工程での作業性等の問題点がある。酸化チタンは、光子エネルギーの吸収により、価電子帯から伝導帯へ電子が励起されるが、バンドギャップが3.0~3.2eVと高いので、紫外線でなければ電子を励起することができず、可視光領域では励起できない。そのため、酸化チタン単独では、可視光により光電変換を行うことができず、可視光を利用するには色素との複合が必要となるために、上記の問題点が生じる。酸化チタンのかわりに、金属酸化物半導体として酸化亜鉛を用いて光電極とした色素増感型の光電変換素子も提案されているが、酸化亜鉛も紫外線でなければ電子を励起することができないため、酸化チタンを用いた場合と同様の問題点があり、さらには、酸化亜鉛はルテニウム錯体色素に溶解する性質があるため特殊な色素を用いる必要がある(特許文献2)。また、他の遷移金属酸化物は、酸化還元の影響を受けやすく安定性が低く、伝導性にも乏しいという問題点があった。



一方、蓄電池用途として最近開発がおこなわれている材料に、マンガンの酸化物がある。例えば、マンガン酸リチウム(LiMn)は、Liの挿入、脱離特性を有するため、マンガン酸リチウム粒子を正極活物質として用いたリチウム二次電池が開発されている(特許文献3)。マンガンも遷移金属であるが、マンガン酸化物は安定性が高く、伝導性も良好である。しかしながら、金属酸化物半導体として知られる酸化チタンや酸化亜鉛とは異なり、マンガン酸化物については、光電変換素子に適用するための開発はほとんど行われていない。過去に、KCOとMnの混合物を焼成し固層合成した層状のマンガン酸化物(K0.45MnO)を塩酸処理して水素型に変換し、単層剥離して得たナノシートについて、可視光により光電流を生成したとの報告があるのみで(非特許文献1)、その後の開発は進んでいなかった。

産業上の利用分野


本発明は、バーネサイト型層状マンガン酸化物層を有する光電極及びその製造方法や、前記光電極を備えた光電変換素子やレドックスキャパシタに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性基板と、前記導電性基板上に形成された繊維状炭素層と、前記繊維状炭素層上に形成されたバーネサイト型層状マンガン酸化物層とを有する光電極。

【請求項2】
繊維状炭素が、カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1記載の光電極。

【請求項3】
バーネサイト型層状マンガン酸化物が、アルカリ金属イオンがインターカレートされていることを特徴とする請求項1又は2記載の光電極。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか記載の光電極と電解質層と対極とを備えた光電変換素子。

【請求項5】
請求項1~3のいずれか記載の光電極と電解質層と酸化還元可能な対極とを備え、対極が還元されることにより光電流が充電されることを特徴とする光充電可能なレドックスキャパシタ。

【請求項6】
導電性基板上に繊維状炭素層を形成し、前記繊維状炭素層が形成された導電性基板を、アルカリ金属イオンと過マンガン酸イオンが存在する溶液に浸漬し、前記過マンガン酸イオンを電気化学的に還元することにより前記繊維状炭素層上にバーネサイト型層状マンガン酸化物層を形成することを特徴とする光電極の製造方法。

国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013007511thum.jpg
出願権利状態 公開
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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