TOP > 国内特許検索 > 硫黄基材表面に被覆層が形成された硫黄複合体

硫黄基材表面に被覆層が形成された硫黄複合体

国内特許コード P150012191
整理番号 H25-022
掲載日 2015年8月5日
出願番号 特願2013-174918
公開番号 特開2015-043300
登録番号 特許第6195153号
出願日 平成25年8月26日(2013.8.26)
公開日 平成27年3月5日(2015.3.5)
登録日 平成29年8月25日(2017.8.25)
発明者
  • 堤 宏守
  • 小橋 亜依
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 硫黄基材表面に被覆層が形成された硫黄複合体
発明の概要 【課題】本発明の課題は、正極材料として好適な、導電性や反応性が高く、充放電時に生じる硫黄化合物の電解液中への溶出を防止でき、正極中の硫黄の含有量を増加させることのできる硫黄材料や、該硫黄材料を用いた高容量であり充放電による容量低下の少ない長期間安定的に常温で作用する正極や二次電池を提供することにある。
【解決手段】硫黄基材表面に導電性高分子からなる被覆層が形成され、該導電性高分子からなる被覆層上にイオン性高分子からなる被覆層が形成されたことを特徴とする硫黄複合体や、該硫黄複合体が含まれる正極活物質層と、集電体とを備えたことを特徴とする正極や、該正極、電解質、負極を備えたことを特徴とする二次電池。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


近年、携帯電子機器や電気自動車の急速な普及に伴い、高容量で繰り返し充放電可能な二次電池の開発が盛んに行われている。なかでもリチウム電池が、軽量で高出力が期待されることから特に注目されている。現在、リチウム電池としては、正極にLiCoO、LiMn、LiFePO等が、負極にカーボン、リチウム等が用いられているケースが多い。しかし、負極にカーボンやリチウムを用いた場合、カーボンの容量が300~370Ah/kg、リチウムの容量が3830Ah/kgであるのに対し、正極に用いるLiCoOやLiMnの容量は110~140Ah/kg程度、LiFePOの容量は150~170Ah/kg程度と、正極材料の容量が小さいため、高容量の正極材料の開発が望まれている。



硫黄は、LiSまでリチウムと完全に反応する場合、2600Wh/kgの理論エネルギー密度と1672Ah/kgという理論的に高い容量を有する高エネルギー密度の正極材料である。さらに、硫黄は毒性が低く、資源も豊富であるため安価であるという利点もある。そのため、正極材料として、硫黄が着目されている。



しかしながら、硫黄は反応性に乏しく、また絶縁体であるため、正極材料に用いるためには、硫黄の活性を高め、更に導電性を付与する必要がある。そこで、これらの問題点を補うための開発がなされている。例えば、金属ナトリウムを負極材料とし、硫黄を正極材料とする二次電池として、硫黄の活性を高めるために、作動温度を300℃以上とする提案がなされている。また、このような高温下での作動を改良するナトリウム/硫黄電池として、硫黄と導電剤である炭素とポリエチレンオキサイドとの混合物を正極に、ナトリウムやナトリウム含有炭素等を負極に、ナトリウム塩を含むグリミド(grymid)溶液を電解液に用いた常温作動のナトリウム/硫黄電池が提案されている(特許文献1)。



また、硫黄と炭素を単に混合する代わりに、硫黄粒子の表面に炭素粒子を機械的に付着させる方法が提案され、この炭素粒子付着硫黄粒子を正極に、リチウムを負極に用いたリチウム/硫黄電池が提案されている(特許文献2、3)。



しかし、300℃もの高温下で作動する電池では、装置の大型化が必要となり、作動の安定性にも欠ける。また、電池を常温で作動させるために、硫黄と炭素を混合したり硫黄に炭素を機械的に付着させたりしても、硫黄への導電性や反応性の付与は十分ではなかった。さらに、硫黄を正極材料として用いた二次電池では、充放電の繰り返しにより容量が低下するとの問題があった。



これらの問題点を改善するために、本発明者らは、繊維状の硫黄に導電性ポリマーを被覆した複合体を開発し、これを正極材料として用いる提案を行っている(特許文献4)。

産業上の利用分野


本発明は、硫黄基材表面に導電性高分子からなる被覆層と、該被覆層の上にさらにイオン性高分子からなる被覆層が形成された硫黄複合体や、該硫黄複合体を含む正極や二次電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
硫黄基材表面に導電性高分子からなる被覆層が形成され、該導電性高分子からなる被覆層上にイオン性高分子からなる被覆層が形成されたことを特徴とする硫黄複合体。

【請求項2】
イオン性高分子が、アニオン性高分子であることを特徴とする請求項1記載の硫黄複合体。

【請求項3】
硫黄基材の形状が、粒子状又は繊維状であることを特徴とする請求項1又は2記載の硫黄複合体。

【請求項4】
導電性高分子が、ポリチオフェン又はその誘導体であることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の硫黄複合体。

【請求項5】
アニオン性高分子が、ポリスチレンスルホン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩であることを特徴とする請求項2~4のいずれか記載の硫黄複合体。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか記載の硫黄複合体とバインダーが含まれる正極活物質層と、集電体とを備えたことを特徴とする正極。

【請求項7】
請求項6記載の正極、電解質、負極を備えたことを特徴とする二次電池。

【請求項8】
硫黄基材の表面でモノマーを重合させることにより、硫黄基材の表面に導電性高分子からなる被覆層を形成した後、前記硫黄基材をイオン性高分子溶液に浸漬し、乾燥させて、前記導電性高分子からなる被覆層上にイオン性高分子からなる被覆層を形成することを特徴とする硫黄複合体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2013174918thum.jpg
出願権利状態 登録
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close