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カビ毒低減機能を有する植物の作製方法およびその利用

国内特許コード P150012213
整理番号 2012-065
掲載日 2015年8月20日
出願番号 特願2014-012581
公開番号 特開2015-139382
出願日 平成26年1月27日(2014.1.27)
公開日 平成27年8月3日(2015.8.3)
発明者
  • 西内 巧
  • 浅野 智哉
  • ▲高▼原 浩之
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
  • 石川県公立大学法人
発明の名称 カビ毒低減機能を有する植物の作製方法およびその利用
発明の概要 【課題】カビ毒低減機能を有する植物の作製方法およびその利用等を提供する。
【解決手段】本発明にかかるカビ毒低減機能を有する植物の作製方法は、植物において、(a)~(e)のいずれかの遺伝子を発現させる工程を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


糸状菌であるフザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)を原因菌とする麦類赤かび病は、コムギ、オオムギ、エン麦、トウモロコシ等の多くのイネ科主要穀物に感染する病害であり、最重要病害のひとつとして知られる。赤かび病菌は、ありふれた腐生菌で、世界中の麦作地帯に分布しており、特に開花期から登熟期に雨の多い地域で被害が大きい。この赤かび病菌が穂に感染することによって、粒の肥大の阻害や穂全体の枯れが引き起こされ、穀粒の商品価値が損なわれるのみならず、赤かび病菌が産生するトリコテセン系カビ毒が、食品の安全性の観点から問題とされている。



トリコテセン系カビ毒は、pHの変化や熱に対して安定であるため無毒化することが困難であり、人畜が摂取すると吐き気、嘔吐、腹痛といった中毒症状を引き起こし、状況によっては死に至る極めて危険性の高い毒素である。トリコテセン系カビ毒は、非常に多様な分子種が存在し、その構造から大きく4つのグループに分けられる。赤かび病菌の中には数多くのstrainがあり、それぞれが産生するトリコテセン系カビ毒の分子種が決まっている。これらのうち、汚染の報告例が多いのはタイプAとタイプBの2つである。



タイプAには、非常に毒性の強いT2トキシン等が含まれるが、汚染範囲が限られている。一方、タイプBのトリコテセン系カビ毒には、デオキシニバレノール(Deoxynivalenol;DON)やニバレノール(Nivalenol;NIV)等が含まれる。タイプBの毒性はタイプAほど強くないが、汚染範囲が広範であるため、被害はより深刻である。例えば、我が国においては、2002年5月、厚生労働省により小麦粒中に含まれるDONの濃度を1.1ppm以下とする暫定基準値が設けられている。



このように、一定基準を超えてトリコテセン系カビ毒を含有する赤かび病罹病穀物は醸造、加工、飼料等いかなる形態でも利用することができず廃棄される。その一方で、食の安全性に対する意識が高まっているため、赤かび病発生を抑える農薬は極力使用しない栽培が求められている。



このような環境のなか、赤かび病の抵抗性品種の開発が世界規模で解決すべき緊急の課題となっており、これまでに、本発明者らは、赤かび病菌、特にDONまたはNIV等のタイプBのトリコテセン系カビ毒を産出する赤かび病原菌に対する感受性または抵抗性に関与する遺伝子を複数見出し、上記遺伝子の発現を抑制するまたは増大させる工程を含むことで赤かび病抵抗性植物を作製する方法を開発している(例えば、特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は、カビ毒低減機能を有する植物の作製方法およびその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物において、下記(a)~(e)のいずれかの遺伝子を発現させる工程を含むことを特徴とするカビ毒低減機能を有する植物の作製方法:
(a)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号3または4に記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子。

【請求項2】
請求項1に記載の作製方法により得られたことを特徴とするカビ毒低減機能を有する植物。

【請求項3】
上記植物がイネ科の穀物である、請求項2に記載の植物。

【請求項4】
上記イネ科の穀物がコムギ、オオムギ、エン麦またはトウモロコシである、請求項3に記載の植物。

【請求項5】
下記(a)~(e)のいずれかの遺伝子または当該遺伝子にコードされるタンパク質を用いて、カビ毒を低減させる方法:
(a)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号3または4に記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子。

【請求項6】
上記カビ毒が、トリコテセン系カビ毒である、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
上記トリコテセン系カビ毒が、デオキシニバレノール(DON)またはニバレノール(NIV)である、請求項6に記載の方法。

【請求項8】
下記(a)~(e)のいずれかの遺伝子または当該遺伝子にコードされるタンパク質を有効成分とする、カビ毒低減剤。
(a)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号3または4に記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつカビ毒を低減させる機能を有するタンパク質をコードする遺伝子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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