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カーボンナノファイバー不織布の製造方法、カーボンナノファイバー不織布及びカーボンナノファイバー コモンズ

国内特許コード P150012217
整理番号 N14095
掲載日 2015年8月24日
出願番号 特願2015-069438
公開番号 特開2016-188159
出願日 平成27年3月30日(2015.3.30)
公開日 平成28年11月4日(2016.11.4)
発明者
  • 金 翼水
  • マヤクリシュナン ゴピラマン
  • 永石 智貴
出願人
  • 国立大学法人信州大学
  • 株式会社エヌツーセル
発明の名称 カーボンナノファイバー不織布の製造方法、カーボンナノファイバー不織布及びカーボンナノファイバー コモンズ
発明の概要 【課題】大容量の電気二重層キャパシタを作製可能なカーボンナノファイバー不織布及び前記不織布を製造可能なカーボンナノファイバー布の製造方法の提供。
【解決手段】PANを含む相102が不連続相となりPMMAを含む相104が連続相となる条件で非混和性ポリマー溶液100を作製する非混和性ポリマー溶液作製工程と、エレクトロスピニング法により、非混和性ポリマー溶液から「PMMAからなるナノファイバーシェル122の内部に、PANからなる複数のナノファイバーコア124がナノファイバーシェルの長手方向に沿って延在して配列した複合ナノファイバー126の集合体からなる複合ナノファイバー不織布」を作製する複合ナノファイバー不織布作製工程と、PANを炭化させる為の熱処理を施すことでPMMAを熱分解させるとともにPANを炭化させるカーボンナノファイバー146不織布作製工程とを含むカーボンナノファイバー不織布の製造方法。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


近年、地球温暖化に伴い、自然エネルギー(太陽光、風力、潮力等)を電気的エネルギーとして貯蔵する要請から、キャパシタや蓄電池等の蓄電デバイスへの期待が高まっている。蓄電デバイスの一つである電気二重層キャパシタは、急速大電流の充放電が可能である、半永久的に充放電が可能である、発火事故が起き難いといった優れた特徴を備えていることから、パーソナルコンピューターや電気自動車等に応用され、次世代の蓄電デバイスとして注目されている。ただ、電気二重層キャパシタは、現状において蓄電池等の二次電池に比してエネルギー密度が低いという課題がある。現在、多くの研究者らは、上記優れた特性を損なうことなく、また、小型軽量化も図りつつも、いかにキャパシタのエネルギー密度を高めるか(高容量化するか)という課題に取り組んでいる。



図20は、電気二重層キャパシタ800の原理を説明するために示す模式図である。
電気二重層キャパシタの原理は、図20に示すように、電極表面810と電解液820との界面で電気二重層を形成し、当該電気二重層を介して充電時には電極表面810にイオンを吸着させ放電時には電極表面からイオンを脱着させることで充放電を実現するというものである。したがって、エネルギー密度を高め(高容量化)かつ小型軽量化を図るためには、電極812に用いる炭素材料814の単位体積当たりの表面積(体積比表面積。以下、単に比表面積という場合もある。)の向上が重要となる。



図21は、背景技術の電気二重層キャパシタ800向けの炭素材料814及び電極812を作製する過程を説明するために示す図である。
電気二重層キャパシタに用いる炭素材料として、従来より、賦活処理、粉砕工程等の方策を施すことにより比表面積を向上させたカーボンナノファイバー(以下、単にCNFという場合もある。)が用いられてきた。しかし、賦活処理を施したCNFは収縮によって体積が小さくなっていることや、また、粉砕工程(図21(a)参照。)を施したCNFは最終的にはバインダー(接着剤)を用いて金属の集電体816に塗布する必要があることから(図21(b)参照。)、これらの方策による材料は、不織布のまま使用することができないという問題があった。そこで、昨今、電気二重層キャパシタに用いる炭素材料として、エレクトロスピニング法により作製したカーボンナノファイバーを集成させたカーボンナノファイバー不織布を導入する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。



図22は、従来のカーボンナノファイバー不織布の製造方法に係る各工程で得られる処理対象を説明するために示す図である。図22(a)は非混和性ポリマー溶液900を模式的に示す図であり、図22(b)は複合ナノファイバー926を模式的に示す図であり、図22(c)はカーボンナノファイバー946を模式的に示す図である。図23は、従来のカーボンナノファイバー不織布に含まれるカーボンナノファイバーを説明するために示す図である。



従来のカーボンナノファイバー不織布の製造方法は、ポリアクリロニトリル(以下、単にPANということもある。)902を含む相が連続相となりポリメチルメタクリレート(以下、単にPMMAということもある。)904を含む相が不連続相となる非混和性ポリマー溶液900を作製する非混和性ポリマー溶液作製工程(図22(a)参照。)と、エレクトロスピニング法により、非混和性ポリマー溶液900から「PANからなるナノファイバーシェル922の内部に、PMMAからなる複数のナノファイバーコア924がナノファイバーシェル922の長手方向に沿って延在して配列した複合ナノファイバー926の集合体からなる複合ナノファイバー不織布920」を作製する複合ナノファイバー不織布作製工程(図22(b)参照。)と、PANを炭化させるための熱処理を複合ナノファイバー不織布に施すことにより、PANを炭化させるとともにPMMAを熱分解させて、PAN由来のカーボン942からなるカーボンナノファイバー不織布940を作製するカーボンナノファイバー不織布作製工程(図22(c)参照。)とをこの順序で実施するというものである。



上記した従来のカーボンナノファイバー不織布の製造方法によれば、図22(b)に示すように、複合ナノファイバー不織布作製工程においては、エレクトロスピニング法により非混和性ポリマーを繊維化する過程で、連続相をなすPAN及び不連続相をなすPMMAが引き延ばされる結果、「PANからなるナノファイバーシェル922の内部に、PMMAからなる複数のナノファイバーコア924がナノファイバーシェル922の長手方向に沿って延在して配列した複合ナノファイバー926の集合体からなる複合ナノファイバー不織布920を作製することができる。その結果、その後のカーボンナノファイバー不織布作製工程においては、PANが炭化する一方でPMMAが熱分解して消失することにより、カーボンナノファイバーの表面又は内部にPMMA由来の空孔948が中空状に多数形成され、比表面積が大きいカーボンナノファイバー不織布940を製造することができる(図22(c)参照。)。

産業上の利用分野


本発明は、カーボンナノファイバー不織布の製造方法、カーボンナノファイバー不織布及びカーボンナノファイバーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
非酸化性雰囲気における熱処理により炭化可能な第1ポリマーと、前記第1ポリマーとは混ざり合わない性質を有し、かつ、前記第1ポリマーを炭化させるための熱処理により熱分解する第2ポリマーとが溶媒に溶解され、前記第1ポリマーを含む相が不連続相となり前記第2ポリマーを含む相が連続相となる非混和性ポリマー溶液を作製する非混和性ポリマー溶液作製工程と、
エレクトロスピニング法により、前記非混和性ポリマー溶液から「前記第2ポリマーからなるナノファイバーシェルの内部に、前記第1ポリマーからなる複数のナノファイバーコアが前記ナノファイバーシェルの長手方向に沿って延在して配列した複合ナノファイバーの集合体からなる複合ナノファイバー不織布」を作製する複合ナノファイバー不織布作製工程と、
前記第1ポリマーを炭化させるための熱処理を前記複合ナノファイバー不織布に施すことにより、前記第2ポリマーを熱分解させるとともに前記第1ポリマーを炭化させて、前記第1ポリマー由来のカーボンからなるカーボンナノファイバー不織布を作製するカーボンナノファイバー不織布作製工程とを含むカーボンナノファイバー不織布の製造方法。

【請求項2】
請求項1に記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法において、
前記第1ポリマーは、ポリアクリロニトリル(PAN)、フェノール樹脂、ピッチ類、セルロース系ポリマー、ポリイミド又はポリベンジルイミダゾールからなり、前記第2ポリマーは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)又はポリビニルアルコール(PVA)からなることを特徴とするカーボンナノファイバー不織布の製造方法。

【請求項3】
請求項2に記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法において、
前記非混和性ポリマー溶液作製工程においては、PAN及びPMMAの合計重量に対するPANの重量の比率が15%~35%の範囲内となる条件で非混和性ポリマー溶液を作製することを特徴とするカーボンナノファイバー不織布の製造方法。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法において、
前記非混和性ポリマー溶液作製工程においては、前記不連続相をなす液滴の平均直径が30μm~500μmの範囲内にある非混和性ポリマー溶液を作製し、
前記複合ナノファイバー不織布作製工程においては、前記ナノファバーシェルの平均直径が60nm~2000nmの範囲内にあり、前記ナノファイバーコアの平均直径が10nm~200nmの範囲内にある複合ナノファイバー不織布を作製し、
前記カーボンナノファイバー不織布作製工程においては、前記カーボンナノファイバーの平均直径が5nm~100nmの範囲内にあるカーボンナノファイバー不織布を作製することを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法において、
前記複合ナノファイバー不織布作製工程と前記カーボンナノファイバー不織布作製工程との間に、前記複合ナノファイバー不織布を200℃~400℃の範囲内にある温度で加熱して繊維構造を安定化させる繊維構造安定化処理工程をさらに含むことを特徴とするカーボンナノファイバー不織布の製造方法。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法において、
前記複合ナノファイバー不織布作製工程においては、ケラチンを主成分とする動物組織から水により溶出可能な成分及び有機溶媒により溶出可能な成分を取り除くことによって得られる動物組織加工物からなるナノ粒子を前記非混和性ポリマー溶液に分散させた非混和性ポリマー溶液から前記複合ナノファイバー不織布を作製することを特徴とするカーボンナノファイバー不織布の製造方法。

【請求項7】
請求項6に記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法において、
前記ナノ粒子の平均直径は、1nm~60nmの範囲内にあることを特徴とするカーボンナノファイバー不織布の製造方法。

【請求項8】
請求項6又は7に記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法において、
前記動物組織は、人間の頭髪であることを特徴とするカーボンナノファイバー不織布の製造方法。

【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法により製造されたカーボンナノファイバー不織布であって、
平均直径が5nm~100nmの範囲内にあるカーボンナノファイバーの集合体からなることを特徴とするカーボンナノファイバー不織布。

【請求項10】
カーボンナノファイバー不織布であって、
平均直径が5nm~100nmの範囲内にあるカーボンナノファイバーの集合体からなることを特徴とするカーボンナノファイバー不織布。

【請求項11】
請求項6~8のいずれかに記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法により製造されたカーボンナノファイバー不織布であって、
前記カーボンナノファイバー不織布を構成するカーボンナノファイバーは、平均直径が5nm~100nmの範囲内にあり、かつ、表面又は内部に平均内径が1nm~60nmの範囲内にある空孔が存在するカーボンナノファイバー不織布。

【請求項12】
カーボンナノファイバー不織布であって、
前記カーボンナノファイバー不織布を構成するカーボンナノファイバーは、平均直径が5nm~100nmの範囲内にあり、かつ、表面又は内部に平均内径が1nm~60nmの範囲内にある空孔が存在するカーボンナノファイバー不織布。

【請求項13】
請求項11又は12に記載のカーボンナノファイバー不織布において、
前記空孔は前記カーボンナノファイバーの外側の空間と連通していることを特徴とするカーボンナノファイバー不織布。

【請求項14】
請求項11~13のいずれかに記載のカーボンナノファイバー不織布において、
前記空孔の内壁には、ヘテロ原子種が付着していることを特徴とするカーボンナノファイバー不織布。

【請求項15】
請求項1~8のいずれかに記載のカーボンナノファイバー不織布の製造方法により製造された前記カーボンナノファイバー不織布を、空気を遮断した状態で2800~3000℃の範囲内にある温度で加熱し黒鉛化させたカーボンナノファイバー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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