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PTCサーミスタ部材およびPTCサーミスタ素子 UPDATE コモンズ

国内特許コード P150012249
整理番号 NU-597
掲載日 2015年9月1日
出願番号 特願2015-099467
公開番号 特開2016-219467
出願日 平成27年5月14日(2015.5.14)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発明者
  • 石田 順彦
  • 小橋 眞
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 PTCサーミスタ部材およびPTCサーミスタ素子 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】 クリストバライト結晶構造またはトリジマイト結晶構造を有する母相材料を有するとともに比較的低温で動作するとともに、必要な大きさの「PTC効果」を実現するPTCサーミスタ部材およびPTCサーミスタ素子を提供することである。
【解決手段】 PTCサーミスタ素子1は、PTCサーミスタ部材2と、電極3a、3bと、を有している。PTCサーミスタ部材2は、電気絶縁性の無機材料を含有する母相と、導電粒子と、を含有する。無機材料は、第1の元素群のうちの少なくとも1種類と第2の元素群のうちの少なくとも1種類とを含有する。第1の元素群は、Al、P、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Ce、もしくはこれらの酸化物を含む。第2の元素群は、Li、Be、Na、Mg、K、Ca、Rb、Sr、Ba、もしくはこれらの酸化物を含む。導電粒子は、金属、金属珪化物、金属ホウ化物、金属炭化物のうちの少なくとも1種類を含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


PTC(Positive Temperature Coefficient of resistance)材料は、特定の温度において急激に電気抵抗値が増加する性質を有する。そのため、例えばリチウムイオン二次電池の短絡電流を抑制する用途、モーターの過負荷電流を防止する用途の限流素子として利用されている。また、通電することで自発的に一定の温度を保持するヒーター材料として利用されている。



PTCサーミスタ材料としては、特許文献1に示すように、所定の温度で電気的特性が変化するチタン酸バリウム系セラミックスが最もよく知られている。しかし、室温におけるチタン酸バリウム系セラミックスの電気抵抗率は高い。そのため通電による損失が大きい。また、仕様により鉛を添加する必要がある。そのため、地球環境面で問題がある。さらには、製造コストが高い。そこで、他のPTCサーミスタ材料が探索されてきている。



その結果、ポリマーを母材とするとともに導電性物質を添加剤とする複合材料にPTC特性が見出された。ここで、PTC特性とは、特定の温度において急激に電気抵抗率が増加する定性的な特性のことである。例えば、特許文献2には、絶縁体であるポリエチレン等の結晶性ポリマーにカーボン等の導電粒子を混合した複合材料が開示されている。この複合材料では、特定の混合比においてポリマーマトリックス中に導電パスが形成される。そのため、導電粒子の増加にともなって、電気抵抗率が急激に減少する混合比が存在する。



このような混合比で製造された複合材料では、ポリマーの熱膨張は導電粒子の熱膨張よりもはるかに大きい。そのため、この複合材料の温度を上昇させていくと、結晶性ポリマーが溶解する際にこの結晶性ポリマーが急激に膨張する。この膨張する結晶性ポリマーが、ポリマー中で導電パスを形成している導電粒子同士を引き離す。そのため、導電パスは切断されて電気抵抗率は急激に上昇する。これにより、PTC特性が発現する。



一方、ポリマー等の有機材料を母材とする複合材料では、耐熱性が低い。そのため、150℃以上の高温に保持するヒーター用途では安定に動作しない。また、カーボンを導電粒子とするため比抵抗が1Ω・cm程度のものしか得られない。すなわち、用途が非常に限定される。



そこで、クリストバライトもしくはトリジマイトに導電粒子を混合した複合材料が開発されてきている。クリストバライトおよびトリジマイトは、熱膨張率の高い無機材料である。特許文献3-5には、ポリマー等を母材とする複合材料に比べて1桁から2桁程度低い室温抵抗率を備える無機複合PTCサーミスタ部材が開示されている。この無機複合PTCサーミスタ部材では、ポリマーを用いたPTCサーミスタ部材に比べて耐熱性が優れている。

産業上の利用分野


本明細書の技術分野は、PTCサーミスタ部材およびPTCサーミスタ素子に関する。より詳細には、PTCヒーター、過電流保護素子、温度感知型電流抑制素子等に好適に用いられるPTCサーミスタ部材およびPTCサーミスタ素子に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
電気絶縁性の無機材料を含有する母相と、
前記母相の全体に分散された導電粒子と、
を含有するPTCサーミスタ部材において、
前記無機材料は、
相転移温度で結晶構造が相転移するとともに体積変化するものであり、
クリストバライト結晶構造またはトリジマイト結晶構造を有するとともに、
第1の元素群のうちの少なくとも1種類と第2の元素群のうちの少なくとも1種類とを含有し、
前記第1の元素群は、
Al、P、Sc、Ti、V、Y、Zr、Nb、Ce、もしくはこれらの酸化物を含み、
前記第2の元素群は、
Li、Be、Na、Mg、K、Ca、Rb、Sr、Ba、もしくはこれらの酸化物を含み、
前記導電粒子は、
金属、金属珪化物、金属ホウ化物、金属炭化物のうちの少なくとも1種類を含むこと
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項2】
請求項1に記載のPTCサーミスタ部材において、
前記無機材料は、
第3の元素群として、GeもしくはGeの酸化物を含むこと
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のPTCサーミスタ部材において、
前記PTCサーミスタ部材の動作温度が、
200℃以下であること
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材において、
前記無機材料は、
クリストバライト型二酸化珪素と、トリジマイト型二酸化珪素と、クリストバライト型リン酸アルミニウムと、トリジマイト型リン酸アルミニウムと、のうち少なくとも1つ以上の材料を含有すること
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材において、
前記第1の元素群は、
前記無機材料中に0.1mol%以上20mol%以下の範囲内でドープされていること
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材において、
300℃における電気抵抗率が、
25℃における電気抵抗率の100倍以上であること
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材において、
25℃における電気抵抗率が、
1Ω・cm以下であること
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材において、
前記無機材料の前記相転移温度における体積膨張が、
0.5%以上1.9%以下の範囲内であること
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材において、
前記母相に占める前記導電粒子の体積分率は、
10%以上45%以下の範囲内であること
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材において、
前記導電粒子は、
金属珪化物、金属炭化物、金属窒化物、融点が2000℃以上の金属、のうちのいずれか1種類を含むこと
を特徴とするPTCサーミスタ部材。

【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材と、
前記PTCサーミスタ部材と電気的に接続された第1電極および第2電極と、
を有すること
を特徴とするPTCサーミスタ素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015099467thum.jpg
出願権利状態 公開
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