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薄膜型水素ガスセンサ

国内特許コード P150012258
整理番号 S2013-1507-N0
掲載日 2015年9月4日
出願番号 特願2013-205987
公開番号 特開2015-068802
出願日 平成25年9月30日(2013.9.30)
公開日 平成27年4月13日(2015.4.13)
発明者
  • 塚田 啓二
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 薄膜型水素ガスセンサ
発明の概要 【課題】簡単な構造で水素濃度を検知できる薄膜型水素ガスセンサを提供する。
【解決手段】絶縁体基板の上面に形成した白金薄膜で構成した感応部を有する薄膜型水素ガスセンサにおいて、白金薄膜の膜厚は40nm以下とし、白金薄膜の下層に金属薄膜を設けるとともに、この金属薄膜の表面に10nm以上の起伏を形成する。特に、金属薄膜の下層には、表面に10nm以上の起伏を形成した絶縁膜を設け、この絶縁膜の上面に金属薄膜を形成することで、金属薄膜の表面に10nm以上の起伏を形成する。さらに、感応部の白金薄膜と、この感応部の白金薄膜の抵抗値に近い抵抗値を有する3つの抵抗体とでブリッジ回路を形成し、このブリッジ回路を交流電圧で駆動させるとともに、ブリッジ回路から出力される交流出力信号と同じ周波数かつ同じ位相の参照信号を用い、交流出力信号と参照信号との差動を取る。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



水素ガスセンサには触媒金属の仕事関数変化や、金属酸化物半導体での電気伝導度変化、触媒反応熱による温度変化の応答原理を用いたものなど多くのセンサ原理と構造が報告されている。





例えば半導体特性をもつ金属酸化体(SnO2)は、水素ガスに触れると金属酸化体の酸素が還元されるため、抵抗値が変化する。この抵抗値変化により水素濃度を検出する半導体式の水素ガスセンサがある。また、同様の原理を用いたもので、ヒーターの役割をしている白金線に金属酸化物半導体を焼結して、ブリッジ回路で素子の抵抗値変化をとらえる熱線型半導体式の水素ガスセンサもある。





量産性が良く室温近くでの動作するものとして、電界効果型トランジスタを使った水素ガスセンサが知られている。電界効果型トランジスタの絶縁膜の上にゲート金属として触媒金属のPd(パラジウム)を用いたものや、本発明者等が報告した白金を用いたものが報告されている(非特許文献1)。これは、抵抗変化や起電力変化を測定するものでなく、測定対象ガスが触媒金属によって解離吸着、脱着反応を起こし、その結果として触媒金属の仕事関数が変化する反応を、電界効果型トランジスタによって計測するものである。





電界効果型トランジスタはゲートの入力インピーダンスが非常に高く、出力であるドレイン・ソース間での出力インピーダンスが低い、つまりインピーダンス変換素子である。この機能により、ガス濃度によって変化した触媒金属の微弱な電位変化を計測することができる。さらに自己診断機能が可能な水素ガスセンサとして水素に感応するPt-FETと水素に感応しないTi-FETの2つのFETの差動を取る水素ガスセンサを報告した(特許文献1)。





水素に対する触媒金属の発熱反応による温度変化を検出するものとして、熱電対上に白金を形成したものが報告されている(非特許文献2)。また発熱による抵抗変化をブリッジ回路で検出する方法が報告されている(特許文献2)。





発熱による抵抗変化ではなく、金属格子中に水素が安定化される金属水素化物の形成による抵抗変化をみるものとして、水素を非常に良く吸蔵することができるパラジウムを使ったものもある(非特許文献3)。この水素化物の形成により抵抗は水素濃度とともに高くなる特性がある。





ところが、触媒作用がもっとも高い白金では安定性が高いため、このような構造変化による抵抗変化の現象がおこらなかった。しかし、発明者らは数10nm程度の非常に薄い白金薄膜では、水素による抵抗変化があることを報告した。しかも抵抗としては構造変化による抵抗が高くなる特性ではなく、水素の解離反応によるキャリアの増加による抵抗が減少する特性であることを報告した(非特許文献4)。





この抵抗変化をブリッジ回路により電圧出力させる方法を発表した(非特許文献5)。ここで、白金薄膜はガラスやSi基板などの材料との接着性が悪いため、白金の下地としてTiの接着層を用いることも報告した。この白金薄膜の接着性が悪いことは良く知られており、接着層としてTiやCr、Ni等が使われている。

産業上の利用分野



本発明は、水素濃度を検知する薄膜型水素ガスセンサに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
絶縁体基板の上面に形成した白金薄膜で構成した感応部を有する薄膜型水素ガスセンサにおいて、
前記白金薄膜の膜厚は40nm以下とし、
前記白金薄膜の下層に金属薄膜を設けるとともに、この金属薄膜の表面に10nm以上の起伏を形成していることを特徴とする薄膜型水素ガスセンサ。

【請求項2】
前記金属薄膜の下層には、表面に10nm以上の起伏を形成した絶縁膜を設け、この絶縁膜の上面に前記金属薄膜を形成することで、前記金属薄膜の表面に10nm以上の起伏を形成していることを特徴とする請求項1に記載の薄膜型水素ガスセンサ。

【請求項3】
前記感応部の白金薄膜と、この感応部の白金薄膜の抵抗値に近い抵抗値を有する3つの抵抗体とでブリッジ回路を形成し、このブリッジ回路を交流電圧で駆動させるとともに、
前記ブリッジ回路から出力される交流出力信号と同じ周波数かつ同じ位相の参照信号を用い、前記交流出力信号と前記参照信号との差動を取ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜型水素ガスセンサ。

【請求項4】
前記の3つの抵抗体は、前記感応部の白金薄膜と同一形状に白金薄膜で形成するとともに、絶縁皮膜で被覆していることを特徴とする請求項3に記載の薄膜型水素ガスセンサ。

【請求項5】
前記感応部の白金薄膜に、電圧パルスまたは電流パルスを与える初期化手段を備えることを特徴とする請求項1~4に記載の薄膜型水素ガスセンサ。

【請求項6】
前記初期化手段は、前記感応部の白金薄膜のみに前記電圧パルスまたは前記電流パルスを与える切替スイッチを有していることを特徴とする請求項5に記載の薄膜型水素ガスセンサ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013205987thum.jpg
出願権利状態 公開
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