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高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物を有効成分とする経口投与型酸化ストレス疾患の処置剤

国内特許コード P150012268
整理番号 S2013-1470-N0
掲載日 2015年9月4日
出願番号 特願2013-217433
公開番号 特開2015-078163
出願日 平成25年10月18日(2013.10.18)
公開日 平成27年4月23日(2015.4.23)
発明者
  • 長崎 幸夫
  • 吉冨 徹
  • 島野 仁
  • 松坂 賢
  • 唐沢 直義
  • 岩淵 大輝
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物を有効成分とする経口投与型酸化ストレス疾患の処置剤
発明の概要 【課題】動脈硬化を効果的に処置できる製薬学的製剤の提供。
【解決手段】pHに応答性を示さない高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物を経口投与するための有効成分とする酸化ストレスに媒介される循環器疾患の処置用製剤。
【選択図】図7
産業上の利用分野



近年、不規則な生活習慣・老化・社会的ストレスなどにより生体内で過剰に活性酸素種(ROS)が産生し、動脈硬化症や糖尿病などのようなさまざまな慢性疾病やアルツハイマーやパーキンソン病などの難治性疾患をあたえるが明らかとなってきた。低分子抗酸化剤を用いた慢性疾患の予防や治療について検討がなされているものの、高濃度の低分子抗酸化剤は投与後に身体全体に広がり副作用をおよぼす。特に細胞内やそのミトコンドリア内に進入し、電子伝達系などの生体に必須な酸化還元反応を阻害するため、強い毒性があった。また、腎排出や代謝が早いため、生体内での有効濃度を上げにくい問題があった。





このような問題点は、例えば、低分子抗酸化剤ともいえる環状ニトロキシドラジカルを両親媒性高分子の疎水性領域と共有結合させて形成した高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物により解決できる(特許文献1参照)。また、当該高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物は水性媒体(水、緩衝化水溶液、生理食塩水、水混和姓有機溶媒、等)中での自己組織化により環状ニトロキシドラジカル結合セグメントがコア領域を占め、一方で親水性セグメントがシェル領域を占める、所謂、高分子ミセル様ナノ粒子を形成し、水性媒体に可溶化乃至均質に分散できる。特許文献1では、このような性質を利用して専ら注射剤(静脈内、動脈内注入剤)、局所投与剤(脳内埋包剤を含む)に調剤することが想定されている。





一方、高分子ニトロキシドラジカル化合物、例えば、ポリエチレングリコール-b-ポリ(環状ニトロキシドラジカル共有結合スチレン)から調製したナノ粒子は、デキストラン硫酸(DDS)用いて誘発される潰瘍性大腸炎モデルマウスに投与したとき、DDSによりもたらされる下痢・下血・体重減少スコア、また、潰瘍性大腸炎障害を低分子環状ニトロキシドラジカル化合物に比べて有意に軽減し、また、より強く抑制することが公表されている(特許文献2)。さらに、特許公報2には、上記共有結合がイミノ結合(-NH-)を介するものと、エーテル結合(-O-)を介するものに由来するナノ粒子では、前者(N-RNPともいう)に比べ後者(O-RNPともいう)は潰瘍性大腸炎に対しより高い効果を有することが記載されている。これは、経口投与により消化管におけるpH低下により前者のナノ粒子に比べて後者のナノ粒子が崩壊または解離に対してより強い抵抗性を示すため血中に取り込まれることなく消化管に滞留することによるものと理解される。





逆に、N-RNPは、それを経口投与したとき、酸性pH条件下で当該ナノ粒子が崩壊し、高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物が血流中に移行でき、血流中に長期間滞留でき、こうして、がん、炎症部位、酸化ストレス障害部位にデリバリーされ、関節炎、アルツハイマー、動脈硬化が治療できる旨公表されている(特許文献3)。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式Iで表される高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物を経口投与するための有効成分として含む酸化ストレスに媒介される循環器疾患の予防または治療用製剤:
【化1】


式中、Aは、非置換または置換C-C12アルキルを表し、置換されている場合の置換基は、ホルミル基または式RCH-の基を表し、ここで、R及びRは独立して、C-CアルコキシまたはRとRは一緒になって-OCHCHO-、-O(CHO-もしくは-O(CHO-を表し、
は、結合または連結基を表し、
は、-C1-6アルキレン-O-(C1-6アルキレン)を表し、qは0または1の整数であり、
Xは、Xの総数であるnの少なくとも50%が2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル-4-イル、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル-3-イル、2,2,5,5-テトラメチルピロリン-1-オキシル-3-イル及び2,4,4-トリメチル-1,3-オキサゾリジン-3-オキシル-2-イル、2,4,4-トリメチル-1,3-チアゾリジン-3-オキシル-2-イル及び2,4,4-トリメチル-イミダゾリンジン-3-オキシル-2-イルからなる群より選ばれる環状ニトロキシドラジカル化合物の残基を表し、Xが前記残基以外である場合には、-L-Xがメチル、ハロゲン化メチルまたはヒドロキシメチル基であり、
mは、15~10,000の整数を表し、そして
nは、3~3,000の整数を表す。

【請求項2】
の連結基が(CHS、(CHS(CH、(CHNH、-(CHNH(CH、(CHNHCO、(CHNHCO(CH、(CHNHC(=S)NH、(CHNHC(=S)NH(CH、(CHNHC(=O)NH、(CHNHC(=O)NH(CH、(CHOCO、(CHOCO(CH、(CHO、(CHO(CH、(CHからなる群より選ばれ、ここでc及びdは独立して1~5の整数である、請求項1に記載の製剤。

【請求項3】
Xが、次式
【化2】


で表され、R’がメチル基を表す、請求項1または2に記載の製剤。

【請求項4】
酸化ストレスに媒介される疾患が動脈硬化症である、請求項1~3のいずれかに記載の製剤。

【請求項5】
式Iで表される高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物が、高分子ミセル粒子の形態にある、請求項1~4のいずれかに記載の製剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013217433thum.jpg
出願権利状態 公開
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