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多置換芳香族化合物及びその製造方法 UPDATE コモンズ

国内特許コード P150012327
整理番号 NU-607
掲載日 2015年10月6日
出願番号 特願2015-105885
公開番号 特開2016-216421
出願日 平成27年5月25日(2015.5.25)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発明者
  • 山口 潤一郎
  • 伊丹 健一郎
  • 鈴木 真
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 多置換芳香族化合物及びその製造方法 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】6種類の異なるアリール基又はヘテロアリール基で置換された完全非対称ヘキサ(ヘテロ)アリールベンゼン等の多置換芳香族化合物を提供する。
【解決手段】一般式:



[式中、Rは窒素原子又は-(C-R)=で示される基;R~Rはいずれも異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基;RとRは結合して環を形成してもよい。]
で示される多置換芳香族化合物。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ベンゼンは分子式がCである六角形の有機分子であり、その構造の単純さと美しさ(亀の甲)から有機化学のシンボルと言われてきた。また、ベンゼンは、その多彩な機能と高い安定性のために、医農薬、香料、染料、プラスチック、液晶、エレクトロニクス材料に最もよく用いられる構造単位にもなっている。このため、ベンゼンにさらに様々な機能を付与することが試みられている。



ベンゼンに様々な機能を付与する鍵は、ベンゼン環に結合している6つの水素原子を様々な置換基に置き換えることにある。どのような置換基をどのような配置で導入するかによって、置換ベンゼンの性質は大きく異なる。このため、所望の置換基をベンゼンに導入する手法の開発は化学の発展を支える最重要課題の1つとなってきた。しかしながら、多置換ベンゼンの破格の構造多様性のために、多置換ベンゼンを意のままに合成することは困難であった。この点は「多置換ベンゼン問題」として、長年化学の未解決問題とされてきた。



多置換ベンゼンの構造多様性は、例えば、n種類の置換基の組み合わせから考えられる置換ベンゼンの分子数Nは、N=(2n+2n+4n+3n+n)/12で表され(バーンサイドの定理)、その構造多様性は有機分子の中でも突出している。具体的には、多置換ベンゼンを意のままに合成することができれば、理論上は、10種類の置換基の組み合わせからは8万以上の、50種類の置換基の組み合わせからは13億以上の多置換ベンゼンが生成可能ということになり、その汎用性は非常に高く、インパクトも絶大である。



多置換ベンゼンのなかでも、ベンゼンの6つの水素原子を全て芳香族置換基(アリール基又はヘテロアリール基)で置換したヘキサ(ヘテロ)アリールベンゼンは、様々な光電子機能性材料となるばかりでなく、近年ではナノグラフェンの前駆体としても注目を集めている分子群である。しかしながら、前述した合成の難しさから、これまで研究されてきたヘキサ(ヘテロ)アリールベンゼンは1~2種類のアリール基で置換された対称性の高いものばかりであった(例えば、特許文献1等)。特に、6種類の異なるアリール基又はヘテロアリール基で置換された完全非対称ヘキサ(ヘテロ)アリールベンゼンはこれまで合成及び単離されたことがなく、その物性等は依然として未知のままである。



こうしたなか、様々な多置換有機分子のプログラム合成法の開発研究が盛んに行われている。プログラム合成とは、合成標的とする有機分子において「全ての対象分子構造を意のままにプログラムされた様式で作り分ける」ことを可能にする方法論である。こうした目標設定の中、多置換チオフェン等の様々な多置換有機分子のプログラム合成は確立されている(例えば、非特許文献1等)。しかしながら、その最終目標とも言えるヘキサ(ヘテロ)アリールベンゼンのプログラム合成は困難を極め、その手がかりすらほとんど得られなかったのが現状である。

産業上の利用分野


本発明は、多置換芳香族化合物及びその製造方法に関する。特に、本発明は、完全非対称多置換芳香族化合物及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
【化1】


[式中、Rは窒素原子又は-(C-R)=で示される基;R~Rはいずれも異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基;RとRは結合して環を形成してもよい。]
で示される多置換芳香族化合物。

【請求項2】
一般式(1A):
【化2】


[式中、R1a~R6aはいずれも異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。]
で示される、請求項1に記載の多置換芳香族化合物。

【請求項3】
一般式(1B):
【化3】


[式中、R1b~R4bはいずれも異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基;Aは環である。]
で示される、請求項1に記載の多置換芳香族化合物。

【請求項4】
一般式(1C):
【化4】


[式中、R1c~R5cはいずれも異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。]
で示される、請求項1に記載の多置換芳香族化合物。

【請求項5】
前記R~Rはいずれも異なり、それぞれ置換されていてもよい単環若しくは縮合環アリール基又は置換されていてもよい単環ヘテロアリール基である、請求項1~4のいずれかに記載の多置換芳香族化合物。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の多置換芳香族化合物の製造方法であって、
一般式(2):
【化5】


[式中、R~Rはいずれも異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。]
で示される四置換チオフェンS-オキシド化合物と、
一般式(3):
R≡C-R
[式中、Rは窒素原子又は≡(C-R)で示される基;R及びRは異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基;R及びRはR~Rのいずれとも異なる;RとRは結合して環を形成してもよい。]
で示される化合物とを反応させる工程
を備える、製造方法。

【請求項7】
前記一般式(3)で示される化合物が、
一般式(3A):
6a-C≡C-R5a
[式中、R5a及びR6aは異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基;R5a及びR6aはR~Rのいずれとも異なる。]
で示される化合物、
一般式(3B):
【化6】


[式中、A’は三重結合を有する環である。]
で示される化合物、又は
一般式(3C):
N≡C-R5c
[式中、R5cは置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基;R5cはR~Rのいずれとも異なる。]
で示される化合物である、請求項6に記載の製造方法。

【請求項8】
前記一般式(2)で示される四置換チオフェンS-オキシド化合物が、一般式(4):
【化7】


[式中、R~Rはいずれも異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。]
で示される四置換チオフェン化合物を酸化させる工程により得られる、請求項6又は7に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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