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電磁ホーン型電子スピン共鳴(ESR)装置 コモンズ

国内特許コード P150012332
整理番号 OU-0170
掲載日 2015年10月8日
出願番号 特願2010-146559
公開番号 特開2012-008095
登録番号 特許第5417619号
出願日 平成22年6月28日(2010.6.28)
公開日 平成24年1月12日(2012.1.12)
登録日 平成25年11月29日(2013.11.29)
発明者
  • 小林 正
  • 上田 徹
  • 原 孝文
出願人
  • 国立大学法人 大分大学
発明の名称 電磁ホーン型電子スピン共鳴(ESR)装置 コモンズ
発明の概要 【課題】ESR測定感度と操作性の向上、周波数掃引用のYIGスイープオシレーターの出力の周波数依存性と、その広帯域増幅器の増幅度の周波数依存性を掌握してESR測定強度の定量測定性を把握する。
【解決手段】マイクロ波発振装置、電磁ホーン装置、掃引磁場印加装置、マイクロ処理回路とからなる電磁ホーン型電子スピン共鳴装置において、試料を配置する部分に、軸心を電磁ホーンのマイクロ波放出中心線上におき空洞部内に試料カプセル装出入器を装出入可能にした筒状本体の外壁面にその横断面の縦方向Yと横方向Xに磁場勾配が生じる2組の2電流電源のZupancic型磁場勾配コイル又はアンダーソンコイルを配置し、さらにそれに垂直Z(:筒の軸方向)に磁場勾配を生成させるアンチ ヘルムホルツ磁場勾配コイルを配置してなる3次元ESRイメージング装置を配置したことを特徴とする電磁ホーン型電子スピン共鳴(ESR)装置。前記試料カプセル装出入筒の筒状本体を円筒(C11)又は矩形筒(A11)にした。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


1945年にソビエト連邦カザン大学のザボイスキーによるESR(:電子スピン共鳴)装置の発明に始まる65年間の電子スピン共鳴(ESR)の歴史は、試料セルとして主に共振器(空洞共振器・誘電体共振器・ループ ギャップ共振器等)が採用され、測定中に高いQ値の維持が必要なため、少量・小型で誘電ロスの小さな試料でしか測定できなかった。また測定に際してAFC(:周波数自動制御機構)の稼動は、その機能はともかく、ESRの計測能力・範囲・応用性を縮めるものである。何故なら共振器の振動・外圧等により、AFCがはずれることもあり、その場合には計測不能になる。また誘電ロスの大きな試料ではチューニング時にQディップの幅広化のためにAFCがうまくかからないで、故にESR計測が不可能という事態がしばしば生じた。即ち極端条件・極端試料のESR計測にはAFC機能は不向きである。



これらの従来の共振器型ESRの弱点・諸問題を悉く解決するため、電磁ホーン(電磁ラッパ: アンテナの一種、従ってQ値は定義できない)を試料セルとして採用した新規なK-band電磁ホーン型ESRを先端計測レベルまで開発・発展させてきた。その経緯は電磁ホーン型ESR装置の詳細を徹底的に調査研究し、2006年にK-band電磁ホーン型ESR装置を稼働させ、その後 操作性・感度の改良を重ね、誘電ロスの大きな生体試料、含水試料、半導体等導電性試料、金属含有試料、多量・大型試料のESR測定が可能な、現在 世界で唯一稼働の電磁ホーン型ESRの整備・改良を続けてきた。従って非破壊試験も可能にした。今のところ現有のJEOL製TE200型ESR装置に付置の電磁石の磁極間隙60mmに制限されて、100cc迄で未だ巨大試料でない。



その改良とは、40カ所程の感度・精度・定量性・操作性・自動化のための改造を行い、当該装置で重要な感度に関しては、3年間で3桁ほど改善できた。この新規な電磁ホーン型ESR装置を用いて、
(1)誘電率とESRの温度可変 同時計測システム(ESRと他物理量との同時計測)の開発、
(2)マンガン乾電池の放電時の炭素ラジカルとMn(II)イオンのESRスペクトル変化(ESR試料としてこれまでに殆どなかった(電池)デバイス試料のESR計測であり、これは新規2次電池の開発を示唆、
(3)ビタミンC水溶液によるTEMPOLラジカルや炭素ラジカルの消去過程のin situ観測等に成功した。in situ観測はスーパーオキシド ラジカルが関与の加齢現象・癌等の難治疾患関連のレドックス研究の基礎と位置づけた。



<マイクロ波AMPの導入>
最初に平成21年度に導入したマイクロ波増幅用のK-band AMPについて言及する。
これは、入力側及び出力側共に導波管で結合されているK-band仕様1W級増幅器である。増幅できる周波数範囲は22~26GHz間で、我々はこのAMPを用いて数mW(数dBm)出力のガン発振器やYIG発振器を1W程度まで増幅する。それは誘電ロスの大きな水溶液試料や生体組織試料に対処するためである。
入力側はベント導波管からフランジを介してAMP付置の導波管に接続しており、他方出力側もK-band導波管出力になっている。中央のAMP本体はアルミブロックの放熱板の上に設置されており、隣接のフラットファンで空冷する仕組みである。



これまでは、出力200mWのK-bandマイクロ波用ガン発振器を用いて電磁ホーン型ESR計測を行ってきた。図14にはX-band反射方式電磁ホーン型ESR装置のマイクロ波立体回路を示す。
図14において、このX-band反射方式電磁ホーン型ESR装置は、高周波域周波数のマイクロ波を発振するマイクロ波発振器001と、設定出力のマイクロ波mw0を減衰器ATT1とサーキュレータcirculatorを介して試料sampleに放射する電磁ホーンhornと、試料sampleへの磁場変調装置002と、試料sampleを介したマイクロ波mw1を再び試料sampleを介して電磁ホーンhornに反射するマイクロ波反射板003と、設定出力のマイクロ波mw0と電磁ホーンhornからの反射マイクロ波mw2を導入し、反射マイクロ波mw2と逆の位相を持ち強度の等しい逆反射マイクロ波をつくり反射マイクロ波を逆反射マイクロ波で打ち消しバランスさせ、ある磁場で電子スピンが│-1/2>状態から│1/2>状態に遷移する所謂磁気共鳴によるスピン反転時に試料がその分だけマイクロ波エネルギーを吸収した際のアンバランスによるマイクロ波の極微量変化を増幅してESRスペクトルとして記録するマイクロ波処理回路004とからなる。
マイクロ波処理回路004において、WG-N,WG-SMA:同軸導波管交換器、ATT2:減衰器 Magic tee:マジックティー、Phase shifter:位相器、AMP:プリアンプとロックインアンプを各々示す。図中、ATT3は減衰器である。



本発明者等は前記図14に示す従来の装置を更に改良した新型の電磁ホーン型電子スピン共鳴装置を開発した。これにより出力5mWのK-bandマイクロ波ガン発振器もしくは数dBm(数mW)出力のYIGマイクロ波発振器を用いマイクロ波AMPで増幅し、1Wのマイクロ波を出力し、試料には最大750mWのマイクロ波照射が可能になった。これで誘電ロスの大きな水溶液試料や生体試料にも対処できるようになった。これら試料へのマイクロ波の浸透深さに関してはL-bandが最適である。
この新型の電磁ホーン型電子スピン共鳴装置は、電磁ホーンのマイクロ波放射面と、マイクロ波反射板の反射面を改良してマイクロ波の収斂/集束を良好に維持し、ノイズを激減させてESR測定感度を所望の感度(2,3桁向上)にするとともに、試料載置台に載せた試料のサイズ、質量、形状、成分、状態等に応じて電磁ホーンに対する試料位置とマイクロ波反射板の相対位置関係を最適に調節してESR測定感度をより高めると共に操作性とESR応用計測性を大幅に拡大(多目的性)した数GHzの広範囲周波数掃引方式及び磁場掃引方式両用 の電磁ホーン型電子スピン共鳴装置である。

【特許文献1】
特公平03-078591号公報
【特許文献2】
特公平03-078944号公報
【特許文献3】
特公平03-078945号公報
【特許文献4】
特公平03-078946号公報
【非特許文献1】
小林 正 等,“電磁ホーン型電子スピン共鳴(ESR)装置の開発とESR応用計測”,日本AEM学会誌,vol.17 No.1,pp.138-143,(2009).
【非特許文献2】
小林 正,原 秀元,“MRIコイル設計・開発とESRイメージング装置への応用”,ESR応用計測, vol.10,pp4-13,(1994).
【非特許文献3】
I. Zupancic and J. Pirs,J. Phys. E9, pp79-80,(1976).

産業上の利用分野


本発明は、電磁ホーン型電子スピン共鳴(ESR)装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
マイクロ波発信装置の電磁ホーンからのマイクロ波を試料を介してマイクロ波反射板に放射しマイクロ波反射板からの反射マイクロ波を再び試料を介して電磁ホーンを介してマイクロ波処理装置に導入してここで前記反射マイクロ波と参照用の発信マイクロ波とにより、前記試料が不対電子のスピンが反転する磁気共鳴時に吸収したマイクロ波エネルギーをマイクロ波パワーの変化として検出する電磁ホーン型電子スピン共鳴(ESR)装置において、
試料を配置する部分に、軸心を電磁ホーンのマイクロ波放出中心線上におき空洞部内に試料カプセル装出入器C2を装出入可能にした筒状本体の外壁面に、(1)筒状本体の横断面のX軸方向とY軸方向に磁場勾配が生じる2組の2電流電源のZupancic型磁場勾配コイルとZ軸方向に磁場勾配を生成させるアンチ ヘルムホルツ磁場勾配コイルを配置し、(2)又は筒状本体の縦断面のX軸方向とY軸方向に磁場勾配が生じる2組の2電流電源のアンダーソン型磁場勾配コイルとZ軸方向に磁場勾配を生成させるアンチ ヘルムホルツ磁場勾配コイルを配置してなる3次元ESRイメージング装置を設置したことを特徴とする電磁ホーン型電子スピン共鳴(ESR)装置。

【請求項2】
前記試料カプセル装出入筒を円筒(C11)又は矩形筒(A11)にしたことを特徴とする請求項1に記載の電磁ホーン型電子スピン共鳴(ESR)装置。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 登録
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