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ガラス固化体の元素濃度分析方法

国内特許コード P150012373
整理番号 13936
掲載日 2015年10月16日
出願番号 特願2014-029623
公開番号 特開2015-152566
出願日 平成26年2月19日(2014.2.19)
公開日 平成27年8月24日(2015.8.24)
発明者
  • 西澤 代治
  • 猪瀬 毅彦
  • 大山 孝一
  • 宮内 厚志
  • 永井 崇之
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 ガラス固化体の元素濃度分析方法
発明の概要 【課題】簡単、迅速、正確なガラス固化体の元素濃度を測定するレーザアブレーション法誘導結合プラズマ発光分光分析法を提供する。
【解決手段】光源としてYAGレーザが光源として用い、標準ガラス試料検量線が作成される工程、上記検量線が使用され、分析対象のガラス固化体の元素濃度が分析される工程を含む。更にYAGレーザは試料スキャン速度が100μm/s以上、パルス繰返し数が20Hz以上、レーザパルスエネルギー強度が5J/cm2以上で照射され、発生するエアロゾルがバッファ容器で一時蓄積され、平均化されて分析対象のガラス固化体中に偏在する白金族元素及び/又は異物の平均濃度が定量される工程を含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


原子力発電所から搬出される使用済み核燃料を再処理すると、高濃度の放射性物質を含む廃液(高レベル放射性廃液)が生ずる。高レベル放射性廃液は、再処理施設のガラス固化設備のガラス溶融炉にて溶融するホウケイ酸塩ガラスと混合され、キャニスタ中に流下され、次いで冷却されると、高レベルの放射性物質はガラス中に固定され、ガラス固化体が得られる。ガラス固化体は廃棄物管理施設で保管され、最終的に地層中に処分される。



ガラス溶融炉の開発及びガラス固化体作製方法の確立は難しく、開発過程では、通常、モックアップガラス溶融炉(モックアップ溶融炉)を用いて、放射能を有しない模擬高レベル放射性廃液(模擬廃液)をガラス固化する試験方法が用いられる。モックアップ溶融炉により作製されるガラス固化体が模擬ガラス固化体である。



高レベル放射性廃液をガラス溶融炉実機でガラス固化させる時と同様に、模擬廃液をモックアップ溶融炉でガラス固化させる時も、模擬廃液中の白金族元素(Pd、Rh、Ru等)、また溶融ガラス中に落下した溶融炉天井レンガ成分、溶融ガラス中に溶損した溶融炉接液部レンガ成分等の異物は、比較的大きな固まりになって溶融ガラス中で偏在しやすく、モックアップ溶融炉の出口ノズルを閉塞させるため、溶融ガラスのキャニスタ内への流下不調が生じやすい。
従って、ガラス固化体中の白金族元素、また溶融炉天井レンガ成分や溶融炉接液部レンガ成分等の異物の元素濃度分析の実施は、ガラス溶融炉の開発及びガラス固化体作製方法の確立にとって極めて重要である。



従来より、(1)溶液法誘導結合プラズマ発光分光分析法(溶液法ICP-AES)及び(2)蛍光X線分析法(XRF)が、ガラス固化体(以下、模擬ガラス固化体を含む総称として用いる。)の元素濃度分析方法として用いられている。また、(3)目視確認も、天井レンガ成分等の異物検出のために、従来より用いられている。
しかし、従来技術(1)及び(2)は、ガラス固化体の元素濃度分析を行うまでの前処理に非常に多くの労力と時間、更にコストを要する。
(1)溶液法ICP-AESは、試料溶液の調製(ガラス固化体の一部を採取し、酸に溶解させ、測定用溶液を作製する)に多くの時間と労力を必要とする。更に、酸の使用は2次廃棄物(塩酸廃液、硝酸廃液)を発生させ、その処理コストを要する。
(2)XRFは、ガラス固化体を粉砕・微細化して測定用試料を作製する工程を要し、当該工程は多くの時間と労力を必要とする。
(3)目視確認は、流下ガラス中の天井レンガ成分等の異物の混入の認定を可能とするが、異物の元素濃度を定量分析できないという欠点を有する。



ところで、LA法ICP-AESによる貴金属(白金族元素、金及び銀)の分析法が検討された(例えば、特許文献1参照)。また、赤外線レーザが光源として用いられるLA法ICP-AESによる金属やガラス等の固体試料の元素濃度分析方法が検討された(例えば、特許文献2参照)。しかし、上記のLA法ICP-AESによりガラス固化体の元素濃度分析はできない。



なお、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、略称ICP)は、気体に高電圧が印加されて発生するプラズマの内部に、高周波の変動磁場によって渦電流によるジュール熱を発生させて得られる高温のプラズマである。
発光分光分析(Atomic Emission Spectrometry、略称AES)は、原子化・熱励起された試料が基底状態に戻る際の発光スペクトルを測定する、元素の定性・定量分析法であり、原子吸光法と異なり、一度に複数の元素が分析される。

産業上の利用分野


本発明は、YAGレーザ第5高調波光(YAG-5ωレーザ、波長λ≒213nm)を光源として用いるレーザアブレーション法誘導結合プラズマ発光分光分析法(LA法ICP-AES)により、ガラス固化体の元素濃度分析を行う方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
YAGレーザ第5高調波光が光源として用いられるレーザアブレーション法誘導結合プラズマ発光分光分析法によりガラス固化体の元素濃度が分析される方法であって、
検量線作成用標準ガラス試料が、分析対象のガラス固化体の化学組成に類似させられて作製され検量線が作成される工程、
上記検量線が使用され、分析対象のガラス固化体の元素濃度が分析される工程、を含むガラス固化体の元素濃度分析方法。

【請求項2】
試料スキャン速度が100μm/s以上にて、パルス繰返し数が20Hz以上、レーザパルスエネルギー強度が5J/cm2以上のYAGレーザ第5高調波光が分析対象のガラス固化体に照射される、請求項1に記載されるガラス固化体の元素濃度分析方法。

【請求項3】
レーザアブレーションにより発生するエアロゾルが、誘導結合プラズマ発光分光分析装置へ輸送されるライン中に組み込まれたバッファ容器で一時蓄積され、平均化される工程を含む、請求項1又は2に記載されているガラス固化体の元素濃度分析方法。

【請求項4】
YAGレーザ第5高調波光が光源として用いられるレーザアブレーション法誘導結合プラズマ発光分光分析法によりガラス固化体の元素濃度が分析される方法であって、
試料スキャン速度が100μm/s以上にて、パルス繰返し数が20Hz以上、レーザパルスエネルギー強度が5J/cm2以上のYAGレーザ第5高調波光が分析対象のガラス固化体に照射され、分析対象のガラス固化体中に偏在する白金族元素及び/又は異物の平均濃度が定量される工程を含む、ガラス固化体の元素濃度分析方法。

【請求項5】
レーザアブレーションにより発生するエアロゾルが、誘導結合プラズマ発光分光分析装置へ輸送されるライン中に組み込まれたバッファ容器で一時蓄積され、平均化される工程を含む、請求項4に記載されているガラス固化体の元素濃度分析方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014029623thum.jpg
出願権利状態 公開
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