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植物由来の天敵誘引成分

国内特許コード P150012376
整理番号 305
掲載日 2015年10月16日
出願番号 特願2004-343149
公開番号 特開2005-272436
登録番号 特許第4524380号
出願日 平成16年11月26日(2004.11.26)
公開日 平成17年10月6日(2005.10.6)
登録日 平成22年6月11日(2010.6.11)
優先権データ
  • 特願2004-052484 (2004.2.26) JP
発明者
  • 高林 純示
  • 塩尻 かおり
  • 釘宮 聡一
  • 上船 雅義
  • 矢野 栄二
  • 下田 武志
  • 光永 貴之
  • 菅野 紘男
  • 浦野 知
  • 内田 徹
  • 垣渕 和正
  • 小原 祥嗣
  • 長坂 幸吉
  • 安部 順一朗
  • 佐野 孝太
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
  • 株式会社四国総合研究所
  • 曽田香料株式会社
発明の名称 植物由来の天敵誘引成分
発明の概要 【課題】 土着の天敵を有効利用しうる植物由来の天敵誘引成分を提供する。
【解決手段】 本発明の植物由来の天敵誘引成分は、植物が害虫による食害を受けたときに放出され、当該害虫の天敵を誘引することを特徴とするものである。上記植物由来の天敵誘引成分を植物用害虫防除剤に用いることにより、害虫の食害を受けた植物に多くの天敵を誘引させ、害虫を捕食したり、害虫に寄生したりして、害虫を防除することができる。それゆえ、従来から害虫駆除に使用される農薬などとは異なり、自然環境への悪影響が少ないため、環境保全に貢献することができる。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


植物は害虫の食害を受けると、天敵誘引組成物を誘導的に生産放出する。この天敵誘引組成物は、食害している害虫の天敵を誘引する機能がある。この機能により植物に誘引された天敵は、害虫を捕食したり、害虫に寄生したりして害虫を殺す。結果として植物は、害虫からの被害を防ぐことができる。上記のような、植物-害虫-天敵の相互作用を利用して、いわば防衛的機能として植物が自己の体内において天敵誘引組成物を生成し体外に放出する機能は、植物の「誘導的間接防衛戦略」と呼ばれている。



上記植物-害虫―天敵の三者系として、例えばアブラナ科植物では、その害虫にコナガ、その害虫に対する特異的な天敵にコナガコマユバチを挙げることができる。コナガコマユバチは、コナガの体内に卵を産み付ける。コナガ体内で孵化したコナガコマユバチの幼虫は、コナガに寄生して最終的に害虫を殺す。



すなわち、コナガコマユバチは、コナガの天敵である。アブラナ科植物にとっては、このような害虫を殺す天敵は、非常に有益な動物であるといえる。



近年、農業技術分野において、害虫を駆除するための農薬が広く使用されている。しかしながら、農薬の有する環境ホルモン様効果が生態系に及ぼす作用は、大きな社会問題になっている。このような農薬の使用を低減するために様々な研究が進められている。特に今日注目を浴びているのは、害虫を殺す天敵を利用して害虫を防除する方法である。わが国においても天敵を従来の農薬の代替として使用する害虫防除方法が実用化されつつある。



しかしながら、農薬の代替として使用されている天敵のほとんどは、海外から輸入されているのが現状である。このため、環境保全や生物多様性保護の観点から、このような天敵が、日本土着の天敵相に悪影響を及ぼすといった新たな問題が指摘されている。このような観点からは、日本土着の天敵を従来の農薬の代替として利用することが、より望ましい害虫の駆除方法であるといえる。



ところで、非特許文献1には、リリマメがナミハダニによる食害を受けた時に葉から放出する揮発成分を、ナミハダニ等の害虫が忌避することが報告されている。また、非特許文献2には、シロイチモジヨトウ幼虫によって食害を受けたトウモロコシが夜間に葉から放出する揮発成分を、シロイチモジヨトウ雌成虫が忌避するということが報告されている。
【非特許文献1】
Dicke, M.Physiological Entomology 11: 251-262(1986)
【非特許文献2】
De Moraes et al. Nature, 410: 577-580(2001)

産業上の利用分野


本発明は、植物由来の天敵誘引成分に関するものであり、より詳細には、害虫の食害を受けた植物から放出され、その害虫の天敵を誘引する成分及びその利用に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
コナガの天敵であるコナガコマユバチを誘引する、以下の(a)~(c)の何れかに記載の植物由来の天敵誘引成分。
(a)n‐ヘプタナール、サビネン、(+)α‐ピネン、(-)α‐ピネン、及び、(Z)‐3‐ヘキセニルアセテートを含んでなる植物由来の天敵誘引成分。
(b)n‐ヘプタナール、サビネン、(+)α‐ピネン、(-)α‐ピネン、(Z)‐3‐ヘキセニルアセテート、及び、ミルセンを含んでなる植物由来の天敵誘引成分。
(c)n‐ヘプタナール、サビネン、(+)α‐ピネン、(-)α‐ピネン、(Z)‐3‐ヘキセニルアセテート、及び、ショウノウを含んでなる植物由来の天敵誘引成分。

【請求項2】
上記n‐ヘプタナール、サビネン、(+)α‐ピネン、(-)α‐ピネン、及び、(Z)‐3‐ヘキセニルアセテートが、2:2:1:1:2の重量比率で含んでなることを特徴とする請求項に記載の植物由来の天敵誘引成分。

【請求項3】
上記n‐ヘプタナール、サビネン、及び、(Z)‐3‐ヘキセニルアセテートの濃度が、それぞれ1×10-9~1×10-5μg/μl、(+)α‐ピネン、及び、(-)α‐ピネンがそれぞれ、5×10-10~5×10-6μg/μlであることであることを特徴とする請求項に記載の植物由来の天敵誘引成分。

【請求項4】
請求項1~の何れか1項に記載の植物由来の天敵誘引成分を含んでなることを特徴とする植物用害虫防除剤。

【請求項5】
コナガによる食害を防ぐために使用されることを特徴とする請求項に記載の植物用害虫防除剤。

【請求項6】
アブラナ科植物に対して使用されることを特徴とする請求項4または5に記載の植物用害虫防除剤。

【請求項7】
請求項4~6の何れか1項に記載の植物用害虫防除剤を植物に曝露することを特徴とする植物の害虫防除または予防方法。

【請求項8】
請求項1~の何れか1項に記載の植物由来の天敵誘引成分と、当該天敵誘引成分によって誘引される天敵を捕捉する捕捉手段とを備えていることを特徴とする天敵トラップ。

【請求項9】
上記捕捉手段が、粘着シートを備えていることを特徴とする請求項に記載の天敵トラップ。

【請求項10】
上記捕捉手段が、L*a*b*表色系色度において、20≦L*≦100、かつ、-30≦a*≦30、かつ、b*≧20である色を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の天敵トラップ。

【請求項11】
選択的遮断手段をさらに備えていることを特徴とする請求項8~10の何れか1項に記載の天敵トラップ。

【請求項12】
上記選択的遮断手段が、所定の大きさの開口部を有するものであることを特徴とする請求項11に記載の天敵トラップ。

【請求項13】
上記選択的遮断手段が、L*a*b*表色系色度において、20≦L*≦100、かつ、-30≦a*≦30、かつ、b*≧20である色を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の天敵トラップ。

【請求項14】
請求項1~の何れか1項に記載の植物由来の天敵誘引成分からなり、かつ、害虫が忌避し、
該害虫が、ハモグリバエ類又はカブラハバチ類である
ことを特徴とする害虫忌避成分。

【請求項15】
請求項14に記載の害虫忌避成分を含むことを特徴とする害虫付着抑制剤。

【請求項16】
請求項15に記載の害虫付着抑制剤を植物に曝露する工程を含むことを特徴とする害虫付着抑制方法。

【請求項17】
上記曝露される植物が、アブラナ科に属する植物であることを特徴とする請求項16に記載の害虫付着抑制方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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