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過カルボン酸を含む溶液の製造方法

国内特許コード P150012378
整理番号 733
掲載日 2015年10月16日
出願番号 特願2005-031431
公開番号 特開2006-219379
登録番号 特許第4776246号
出願日 平成17年2月8日(2005.2.8)
公開日 平成18年8月24日(2006.8.24)
登録日 平成23年7月8日(2011.7.8)
発明者
  • 夕部 邦夫
  • 前 一廣
出願人
  • 三菱瓦斯化学株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 過カルボン酸を含む溶液の製造方法
発明の概要 【目的】過カルボン酸を含む溶液を製造する。
【解決手段】過酸化水素とカルボン酸アシル化剤を、酸触媒存在下に反応させ、過カルボン酸を含む溶液を連続的に製造する方法において、過酸化水素を含む溶液及びカルボン酸アシル化剤を含む溶液を、内径の相当直径が1~10000μmの微小流路を有する流通式マイクロ反応器に送液して前記微小流路内で酸触媒と接触させる。
【効果】精密な温度制御が可能となり、過熱による過酸化物の分解が抑制でき、過酸化水素の利用効率を向上できる。
【選択図】なし。
従来技術、競合技術の概要


過酸化水素を、カルボン酸や無水カルボン酸などのようなカルボン酸アシル化剤と反応させると、過カルボン酸が生成することは、古くから知られている。例えば、カルボン酸アシル化剤としてカルボン酸を用いた場合、カルボン酸および過酸化水素と過カルボン酸および水との平衡反応が進行し、過カルボン酸を含む平衡溶液が得られる。



過カルボン酸は、高温や、物理的衝撃、金属イオンの混入などによって分解しやすい、不安定な物質である。過カルボン酸を含む溶液を取り扱う際には、その分解を抑えるために、高温や、物理的衝撃、金属イオンの混入などを避けるよう注意を払う必要がある。



一般的に、安定剤を添加することで、貯蔵や輸送の際の安定性を確保する方法が用いられてきた。安定剤としては、金属イオンに対し封止作用を有するキレート剤などが用いられてきた。しかしながら、安定剤として高価なキレート剤等を使用することは、製造コスト面で好ましくない。また、これらの安定剤が、後に過カルボン酸を含む溶液を使用する際に、様々な悪影響を及ぼす可能性もある。例えば、過カルボン酸を含む溶液を有機合成用酸化剤として用いる場合などには、触媒金属種にキレート剤が配位して反応を抑制してしまう恐れがある。



そのため、過カルボン酸を含む溶液を有機合成用酸化剤として用いる場合には、安定剤を添加しないで過カルボン酸を含む溶液を得、これを使用する方法が望まれる。



以上の問題を回避するため、過カルボン酸を含む溶液を使用する場所において、過カルボン酸を含む溶液を製造する方法が提案されてきた。特許文献1には、半回分式反応器にて、酸触媒存在下で過酸化水素とカルボン酸とを反応させ、オンサイトで過カルボン酸を含む溶液を製造する方法が記載されている。しかしながら、反応は室温にて1~5時間かけて行われているため、生産性が悪い。また、これらの方法で連続的に過カルボン酸を含む溶液を製造することは困難である。



特許文献2には、室温~50℃の反応温度で、強酸性イオン交換樹脂触媒を充填した固定床流通式反応器にて、過酸化水素とカルボン酸とを反応させ、オンサイトで過カルボン酸を含む溶液を製造する方法が記載されている。また、特許文献3には、40~60℃、加熱機構付きの流通式反応器にて、酸触媒存在下で過酸化水素とカルボン酸とを接触させ、連続的に過カルボン酸を含む溶液を製造する方法が記載されている。しかしながら、反応は比較的低温にて30~60分かけて行われている。また、過酸化水素の利用効率や反応器内の温度分布に関しては、特に記述されていない。



目的の溶液の構成成分である過カルボン酸を含め、一般に、過酸化物が分解する際には、大きな発熱を伴う。反応熱により過酸化物の分解はさらに促進されるため、過酸化物を取り扱う反応においては常に、爆発や発火の危険性が潜んでいる。また、高温による過カルボン酸の分解を抑えるため、過酸化水素のカルボン酸アシル化反応は、従来の技術では比較的穏やかな反応条件下にて実施される。そのため、目的組成の過カルボン酸が得られるまでには、非常に長い時間が必要である。一般的には、反応を促進するために酸触媒を共存させることが多い。しかしながら、過酸化水素のカルボン酸アシル化反応において酸触媒を用いる場合には、酸触媒の溶解熱などに起因する発熱を伴う。さらに、カルボン酸アシル化剤として無水カルボン酸やハロゲン化アシルなどを用いた場合には、これらのアシル化剤の加水分解反応による発熱も伴う。したがって、過酸化水素とカルボン酸アシル化剤の反応を行う際には、精密な温度制御が必要である。また、一般に、低濃度の条件にて、一方の反応試剤を滴下するなどの操作を用いて実施することが多い。



【特許文献1】
ドイツ公開特許3638552号
【特許文献2】
日本特許公報2854133号
【特許文献3】
ドイツ公開特許4330465号

産業上の利用分野


過カルボン酸を含む溶液は、漂白剤、殺菌剤、エポキシ化剤、有機合成用酸化剤、重合開始剤、などとして有用な薬液である。本発明は、過酸化水素をカルボン酸アシル化剤と反応させ、オンサイトで連続的に、過カルボン酸を含む溶液を製造する方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
過酸化水素とカルボン酸アシル化剤を、酸触媒存在下に反応させ、過カルボン酸を含む溶液を連続的に製造する方法において、
過酸化水素を含む溶液及びカルボン酸アシル化剤を含む溶液を、内径の相当直径が1000~3000μmの微小流路を有する流通式マイクロ反応器に送液して前記微小流路内で酸触媒と接触させ、かつ、流通式マイクロ反応器内の温度が、60℃~100℃の範囲内にある一点の設定温度から±2℃の範囲内に制御されていることを特徴とする、過カルボン酸を含む溶液の製造方法。

【請求項2】
過酸化水素を含む溶液とカルボン酸アシル化剤を含む溶液との混合液が流通式マイクロ反応器を通過する滞留時間が、1~10分であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
カルボン酸アシル化剤が、カルボン酸または無水カルボン酸であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
カルボン酸アシル化剤が、酢酸または無水酢酸であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の方法により連続的に過カルボン酸を製造し、それを有機合成用酸化剤として2-メチルナフタレンの液相酸化反応を行う方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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