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無線信号の受信方法及び受信装置

国内特許コード P150012399
整理番号 3367
掲載日 2015年10月16日
出願番号 特願2011-248039
公開番号 特開2013-106161
登録番号 特許第5754353号
出願日 平成23年11月11日(2011.11.11)
公開日 平成25年5月30日(2013.5.30)
登録日 平成27年6月5日(2015.6.5)
発明者
  • 工藤 理一
  • 村上 友規
  • 石原 浩一
  • 溝口 匡人
  • 林 和則
  • 竹中 紳二
  • 金子 めぐみ
  • 酒井 英昭
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 無線信号の受信方法及び受信装置
発明の概要 【課題】非同期で到来するパケット信号に対し、干渉信号を抑圧しつつ、希望信号の受信を可能にする。
【解決手段】複数のアンテナを備える受信装置の受信方法であって、アナログフィルタを介して信号を受信するステップと、受信した信号が自受信装置宛であるか否かに基づき、干渉信号であるか希望信号であるかを判定するステップと、干渉信号であった場合に、干渉チャネル情報を用いて、干渉信号用と希望信号用の少なくとも一方のアナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新し、希望信号であった場合に、チャネル情報を用いて、希望信号用と干渉信号用の少なくとも一方のアナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新するステップとを有し、アレーウエイトの更新は、受信した信号が干渉信号であった場合には直ちにアレーウエイトをそれぞれ更新し、受信した信号が希望信号であった場合には、データの復号完了後に、アレーウエイトをそれぞれ更新する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来から複数のアンテナを有し、アナログフィルタを用いて主信号に指向性を向け、干渉信号を抑圧する方式についての研究が盛んに行われている。予めアナログ回路で信号対雑音電力比を高めるように受信することで、アナログ・デジタル変換器の数を減らしたり、干渉信号の影響を除去した信号を受信するため、信号検出・AGC(Automatic gain control)・AFC(Automatic frequency control)の精度を高めることができる(例えば、非特許文献1参照)。



アナログ・デジタル変換器の数がアンテナ素子数より少ない構成では、アナログフィルタの係数を決定するための方法として、ブラインドアルゴリズムを用いる必要がある。主信号および干渉信号が継続的に到来する通信環境では、従来の技術で有効に動作させることができる。しかしながら、パケット送信に基づくシングルキャリア方式およびOFDM方式による通信では、主信号と干渉信号が独立のタイミングで到来するため、従来方式で干渉除去を行うことは難しい。



図6に従来の送受信装置の構成を示す。図6において、1-1~1-Pはアンテナ、3はアナログフィルタ部、3-1-1~3-1-Pはアナログフィルタ、4は結合器、5は受信装置、6は信号検出回路、7は復号回路、9はフィルタ係数設定回路である。まず、送信されている信号として、サイクリックプリフィックスを用いた送信信号の場合、時刻nにおけるM×1の情報信号ブロックs(n)にKポイントのガードインターバルとしてサイクリックプリフィックスが付与され、(M+K)×1の送信信号ブロックs’(n)が生成される。
【数1】


ここで、Tcpは(M+K)×MのGI付加行列であり、
【数2】


で定義される。



ただし、0K×(M-K)はK×(M-K)の零行列を表し、IM×MはM×Mの単位行列を表す。ここで、s(n)は直交周波数分割多重方式(OFDM)の信号であってもよいし、シングルキャリア伝送方式(SC)の信号であってもよい。



受信アンテナ素子数をPとし、通信路のインパルス応答長をLとすると、p番目のアンテナ素子における通信路の(M×1)のインパルス応答ベクトルは
【数3】


と表せる。受信ブロックに付加される(M+K)×1の雑音ベクトルをnp(n)とする。ただし、np(n)の各成分は平均0、分散σの白色雑音であるとする。このときアレー出力におけるインパルス応答ベクトル
【数4】


および雑音ベクトルn’(n)は、P×1のアレーウエイトベクトル
【数5】


を用いて、
【数6】


【数7】


【数8】


【数9】


と書ける。ここで、(・)はエルミート転置を表す。



以下に、各アンテナにより受信された信号についての処理動作を説明する。まず、p番目のアンテナ1-pにおいて受信される、時刻nに対応する(M+K)×1の受信信号r’p(n)が得られる。アナログフィルタ部3では、p番目のアンテナに対応するアナログフィルタ3-p(1≦p≦P)が、フィルタ係数設定回路9により設定された係数wiを受信信号に乗算し、結合器4において各アナログフィルタ3-1~3-Pからの出力信号を結合し、受信装置5において周波数変換され、デジタル信号として取得された後、信号検出回路6により時刻nの送信信号に対応する受信信号ブロックが
【数10】


として得られる。



GI除去前の受信信号ブロックは、インパルス応答および熱雑音を用いて、
【数11】


で与えられる。ここで、H0およびH1は、アレー出力におけるインパルス応答ベクトルの係数を用いて
【数12】


【数13】


で定義される(M+K)×(M+K)の行列である。



復号回路7は、まずサイクリックプリフィックスの除去を行う。GI除去行列は
【数14】


と表せ、これを用いることで、サイクリックプリフィックスが除去され、M×1の受信信
【数15】


を得る。ただし、インパルス応答の次数がサイクリックプリフィックス長以下であること、すなわちK≧L-1を仮定している。



さらに、
【数16】


【数17】


とすると、
【数18】


と表せる。Cはその成分を書き下すことで、
【数19】


と書ける。



ここで、Cir[a]は、第1列がベクトルaである巡回行列を表す。巡回行列の逆行列は巡回行列であり、また巡回行列は離散フーリエ変換(DFT)行列により対角化される。したがって、行列Cは(k,n)成分が
【数20】


で与えられるM×MのDFT行列Dを用いて、
【数21】




従来の方式では、アダプティブアレーのフィルタ係数wを、アレー出力のSNRを最大化したり、MMSEアルゴリズムを用いたりして決定することができる。ここで、相関行列~Rm(~はRの頭に付く、以下同様)を以下のように定義する。
【数22】


フィルタ係数wは
【数23】


を最大化するように決定でき、~Rmのm=1~Mの総和として得られる行列の最大固有値に対応する固有ベクトルをwとして決定することができる。



またはMMSEアルゴリズムの最急降下法を用いて、
【数24】


ここで、w(k)はk回目のイタレーションでのアレーウエイト、μはステップサイズパラメータであり、0<μ<1として設定される。このようにしてアレーウエイトを得ることができる。復号回路7は受信した信号を復号するとともに、(23)式や(24)式において固有ベクトルwを決定するのに必要な係数をフィルタ係数設定回路8へ出力する。フィルタ係数設定回路8は新たなフィルタ係数を計算し、アナログフィルタ3-1~3-Mのフィルタ係数を更新する。



OFDMに対しても上記アルゴリズムは同様に用いることができる。OFDMでは、(1)式の情報信号ブロックs(n)が、周波数領域で生成されたKポイントの送信信号d(n)にIDFTを用いて、
【数25】


と定義され、受信側では、周波数領域で等化した後にIDFTを行うことなく復号することで送信信号が得られる。

産業上の利用分野


本発明は、非希望端末からの干渉信号が到来する環境において、希望端末からの信号を受信する干渉キャンセラ技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のアンテナを備え、アナログフィルタを介して、希望端末からの無線信号を受信する受信装置における受信方法であって、
前記アナログフィルタを介して信号を受信する信号受信ステップと、
前記受信した信号が自受信装置宛であるか否かに基づき、前記受信した信号が干渉信号であるか希望信号であるかを判定する受信信号判定ステップと、
前記受信した信号が干渉信号であった場合に、干渉チャネル情報を用いて、干渉信号用と希望信号用の少なくとも一方の前記アナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新し、前記受信した信号が希望信号であった場合に、チャネル情報を用いて、希望信号用と干渉信号用の少なくとも一方の前記アナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新するアレーウエイト更新ステップとを有し、
前記アレーウエイト更新ステップは、
前記アレーウエイトが乗算されて推定された前記チャネル情報または干渉チャネル情報に対し、前記アレーウエイトから構成されるアレーウエイト行列の疑似逆行列を乗算することで、前記アンテナと前記希望端末間または前記アンテナと干渉端末間の干渉チャネル情報を復元し、得られたチャネル情報または干渉チャネル情報を用いて、前記アレーウエイトを決定して更新することを特徴とする受信方法。

【請求項2】
複数のアンテナを備え、アナログフィルタを介して、希望端末からの無線信号を受信する受信装置における受信方法であって、
前記アナログフィルタを介して信号を受信する信号受信ステップと、
前記受信した信号が自受信装置宛であるか否かに基づき、前記受信した信号が干渉信号であるか希望信号であるかを判定する受信信号判定ステップと、
前記受信した信号が干渉信号であった場合に、干渉チャネル情報を用いて、干渉信号用と希望信号用の少なくとも一方の前記アナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新し、前記受信した信号が希望信号であった場合に、チャネル情報を用いて、希望信号用と干渉信号用の少なくとも一方の前記アナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新するアレーウエイト更新ステップとを有し、
前記アレーウエイト更新ステップは、
前記受信した信号が干渉信号であった場合に、前記干渉チャネル情報の相関行列を用いて前記干渉用アレーウエイトを更新するとともに、前記干渉チャネル情報の相関行列の逆行列を用いて前記希望信号用アレーウエイトを更新し、
前記受信した信号が希望信号であった場合に、前記チャネル情報の相関行列を用いて前記希望信号用アレーウエイトを更新するとともに、前記チャネル情報の相関行列の逆行列を用いて前記干渉信号用アレーウエイトを更新することを特徴とする受信方法。

【請求項3】
前記アレーウエイト更新ステップは、前記受信した信号が干渉信号であった場合には直ちに前記アレーウエイトをそれぞれ更新し、前記受信した信号が希望信号であった場合には、データの復号完了後に、前記アレーウエイトをそれぞれ更新することを
特徴とする請求項1または2に記載の受信方法。

【請求項4】
複数のアンテナを備え、アナログフィルタを介して、希望端末からの無線信号を受信する受信装置であって、
前記アナログフィルタを介して信号を受信する信号受信手段と、
前記受信した信号が自受信装置宛であるか否かに基づき、前記受信した信号が干渉信号であるか希望信号であるかを判定する受信信号判定手段と、
前記受信した信号が干渉信号であった場合に、干渉チャネル情報を用いて、干渉信号用と希望信号用の少なくとも一方の前記アナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新し、前記受信した信号が希望信号であった場合に、チャネル情報を用いて、希望信号用と干渉信号用の少なくとも一方の前記アナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新するアレーウエイト更新手段とを備え、
前記アレーウエイト更新手段は、
前記アレーウエイトが乗算されて推定された前記チャネル情報または干渉チャネル情報に対し、前記アレーウエイトから構成されるアレーウエイト行列の疑似逆行列を乗算することで、前記アンテナと前記希望端末間または前記アンテナと干渉端末間の干渉チャネル情報を復元し、得られたチャネル情報または干渉チャネル情報を用いて、前記アレーウエイトを決定して更新することを特徴とする受信装置。

【請求項5】
複数のアンテナを備え、アナログフィルタを介して、希望端末からの無線信号を受信する受信装置であって、
前記アナログフィルタを介して信号を受信する信号受信手段と、
前記受信した信号が自受信装置宛であるか否かに基づき、前記受信した信号が干渉信号であるか希望信号であるかを判定する受信信号判定手段と、
前記受信した信号が干渉信号であった場合に、干渉チャネル情報を用いて、干渉信号用と希望信号用の少なくとも一方の前記アナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新し、前記受信した信号が希望信号であった場合に、チャネル情報を用いて、希望信号用と干渉信号用の少なくとも一方の前記アナログフィルタのアレーウエイトをそれぞれ更新するアレーウエイト更新手段とを備え、
前記アレーウエイト更新手段は、
前記受信した信号が干渉信号であった場合に、前記干渉チャネル情報の相関行列を用いて前記干渉用アレーウエイトを更新するとともに、前記干渉チャネル情報の相関行列の逆行列を用いて前記希望信号用アレーウエイトを更新し、
前記受信した信号が希望信号であった場合に、前記チャネル情報の相関行列を用いて前記希望信号用アレーウエイトを更新するとともに、前記チャネル情報の相関行列の逆行列を用いて前記干渉信号用アレーウエイトを更新することを特徴とする受信装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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