TOP > 国内特許検索 > 癌治療剤及び癌の予後判定方法

癌治療剤及び癌の予後判定方法 外国出願あり

国内特許コード P150012422
整理番号 3325
掲載日 2015年10月16日
出願番号 特願2013-507810
登録番号 特許第5954796号
出願日 平成24年3月30日(2012.3.30)
登録日 平成28年6月24日(2016.6.24)
国際出願番号 JP2012058668
国際公開番号 WO2012133814
国際出願日 平成24年3月30日(2012.3.30)
国際公開日 平成24年10月4日(2012.10.4)
優先権データ
  • 特願2011-080261 (2011.3.31) JP
発明者
  • 土屋 創健
  • 辻本 豪三
  • 清水 一治
  • 嶋田 裕
  • 塚田 一博
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 癌治療剤及び癌の予後判定方法 外国出願あり
発明の概要 要約
食道扁平上皮癌のような癌の新規な治療剤、癌の予後の判定方法及び低侵襲的に採取可能な試料を用いて食道扁平上皮癌のような癌のような癌の検出又は予後の判定を行う方法が開示されている。癌治療剤は、FGFRL1と抗原抗体反応し、癌細胞の増殖を抑制する抗体又はその抗原結合性断片を有効成分として含有する。癌の予後の判定方法は、生体から分離した癌組織中のFGFRL1の発現量を調べることを含み、FGFRL1の発現量が多いことが、予後が悪いであろうことを示す。癌の検出方法は、生体組織から抽出したFGFRL1若しくはその断片又は生体から分離した血液中のFGFRL1若しくはその断片を測定することを含み、FGFRL1又はその断片の存在濃度が健常人の組織又は血中のFGFRL1又はその断片の濃度よりも高いことが、癌の存在を示す。
従来技術、競合技術の概要


食道癌は、発生頻度で8番目、死亡者数で6番目に多い癌である。我国においては、食道癌の9割以上が食道扁平上皮癌(esophageal squamous cell carcinoma (ESCC))である。ESCCは高頻度に遠隔転移、再発を起こす、悪性度の高い癌であり、一般的に予後が悪い。



一方、卵巣がんにおいて、線維芽細胞成長因子レセプター様タンパク質1(fibroblast growth factor receptor like-1、以下、「FGFRL1」)の異常発現が観察されることが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、この報告ではFGFRL1の発現量に関する統計的な解析は行われておらず、FGFRL1の機能に関する解析も行われていない。したがって、この報告はFGFRL1による細胞増殖の促進やその発現量を用いた予後予測への関連性さらには、産業上の利用性については何ら類推させるものではない。また、マイクロRNA(microRNA, miRNA)-210が、腫瘍形成に関与し、そのターゲット遺伝子の1つがFGFRL1であることも報告されているが(非特許文献2)。この報告に関しても、予後予測やFGFRL1の治療薬用途への利用に関して明示しているものではない。さらに、本願発明者らは先に、食道扁平上皮癌において、マイクロRNA-210が、FGFRL1を介して癌細胞の増殖を調節していることを見出した(非特許文献3)。しかしながら、当該報告ではマイクロRNA-210の標的遺伝子がFGFRL1であることを解明し、その後のパスウェイを論じた報告であり、抗FGFRL1抗体を癌の治療薬や予後予測のツールとして用いることを示唆するものではない。



一方、FGFRL1は線維芽細胞成長因子受容体 (FGFRs)に類似する分子という名称が付されているが、他のFGFRsとは異なり、細胞内のシグナル伝達領域であるチロシンキナーゼドメインが欠損しており、他のFGFRsとの構造上の違いは明らかであり(非特許文献4)、かつ機能面に関しても他のFGFRsと異なり、細胞増殖の抑制に働くものと考えられてきた(非特許文献5)。したがって、他のFGFRsとは明確に区別され得る分子であり、その生物学的役割とそこから導かれる産業上の利用性に関してもFGFRL1はFGFRsとは明確に区別されるというべきである。



【非特許文献1】
International Journal of Molecular Medicine 16, 1169-1173, 2005
【非特許文献2】
Molecular Cell 35, 856-867, 2009.
【非特許文献3】
Journal of Biological Chemistry 286, 420-428, 2011
【非特許文献4】
Genomics 69, 275-279, 2000
【非特許文献5】
Journal of Biological Chemistry 278, 33857-33865, 2003

産業上の利用分野


本発明は、癌治療剤、癌の予後判定方法及び癌の検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
FGFRL1と抗原抗体反応し、食道扁平上皮癌細胞の増殖を抑制する抗体又はその抗原結合性断片を有効成分として含有する食道扁平上皮癌治療剤であって、前記抗体が、配列番号2に示されるFGFRL1のアミノ酸配列のN末端から378番目のアミノ酸までの領域と抗原抗体反応する抗体である、食道扁平上皮癌治療剤

【請求項2】
前記抗体が、FGFRL1のN末端領域と抗原抗体反応する抗体である請求項1記載の癌治療剤。

【請求項3】
生体から分離した癌組織中のFGFRL1の発現量を調べることを含み、FGFRL1の発現量が多いことが、予後が悪いであろうことを示す、癌の予後の判定方法であって、前記FGFRL1の発現量を、配列番号2に示されるFGFRL1のアミノ酸配列のN末端から378番目のアミノ酸までの領域と抗原抗体反応する抗体又はその抗原結合性断片を用いて調べる、癌の予後の判定方法

【請求項4】
前記癌が食道扁平上皮癌である請求項記載の方法。

【請求項5】
FGFRL1の発現量を免疫組織化学により調べる請求項3又は4記載の方法。

【請求項6】
生体組織から抽出したFGFRL1若しくはその断片又は生体から分離した血液中のFGFRL1若しくはその断片を測定することを含み、FGFRL1又はその断片の存在濃度が健常人の組織又は血中のFGFRL1又はその断片の濃度よりも高いことが、癌の存在を示す、癌の検出方法であって、前記FGFRL1又はその断片の存在濃度を、配列番号2に示されるFGFRL1のアミノ酸配列のN末端から378番目のアミノ酸までの領域と抗原抗体反応する抗体又はその抗原結合性断片を用いて測定する、癌の検出方法

【請求項7】
前記癌が食道扁平上皮癌である請求項記載の方法。

【請求項8】
癌患者から分離した組織中又は血液中のFGFRL1若しくはその断片を測定することを含み、FGFRL1又はその断片の存在濃度が高いことが、予後が悪いであろうことを示す、癌の予後の判定方法であって、前記FGFRL1又はその断片の存在濃度を、配列番号2に示されるFGFRL1のアミノ酸配列のN末端から378番目のアミノ酸までの領域と抗原抗体反応する抗体又はその抗原結合性断片を用いて測定する、癌の予後の判定方法

【請求項9】
前記癌が食道扁平上皮癌である請求項記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2013507810thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close