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太陽電池、フォトニック結晶基板、太陽電池パネルおよび太陽電池を備えた装置

国内特許コード P150012427
整理番号 3469
掲載日 2015年10月16日
出願番号 特願2013-543028
登録番号 特許第6037288号
出願日 平成24年11月8日(2012.11.8)
登録日 平成28年11月11日(2016.11.11)
国際出願番号 JP2012079012
国際公開番号 WO2013069740
国際出願日 平成24年11月8日(2012.11.8)
国際公開日 平成25年5月16日(2013.5.16)
優先権データ
  • 特願2011-244869 (2011.11.8) JP
発明者
  • 重田 博昭
  • 宮西 晋太郎
  • 小川 裕之
  • 川森 秀次
  • 野田 進
  • 冨士田 誠之
  • 田中 良典
出願人
  • シャープ株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 太陽電池、フォトニック結晶基板、太陽電池パネルおよび太陽電池を備えた装置
発明の概要 太陽電池(1)は、光入射側の第1の透明導電膜(11)の表面上に設けられたフォトニック結晶構造(30)と、上記フォトニック結晶構造(30)の凹凸に沿って形成された光電変換層(20)とを備え、上記第1の透明導電膜(11)および上記フォトニック結晶構造(30)は、上記光電変換層(20)よりも屈折率が小さい。
従来技術、競合技術の概要


現在、例えば、太陽電池または光センサなどに、入射光を光電変換することで電気信号に変換する光電変換素子が一般的に用いられている。このような光電変換素子には半導体が用いられており、半導体のバンドギャップ(価電子帯と伝導帯のエネルギー差)を越えるエネルギーを持った電磁波(光)が入射したとき、半導体において電子が、価電子帯から伝導帯へ励起され、光電変換が発生する。



半導体による光電変換素子として、p型半導体層、真性半導体層およびn型半導体層の各層の隣接構造を備えた、いわゆるpin型太陽電池がある。



pin型太陽電池は、入射した光と半導体の格子構造との相互作用によって、真性半導体層で電子および正孔が生成され、効率良く電流を取り出すことができるので、太陽電池の用途に適している。また、各層が太陽電池の表面と平行に積層された縦型構造であることは、太陽電池の占有面積を小さくするのに有利である。



さて、各半導体は、それぞれの持つバンド構造およびバンドギャップによって、光を吸収する波長が異なる。



例えば、アモルファスシリコン半導体(a‐Si)では、波長700nm程度以下に吸収があることが一般的に知られている(光の吸収端が700nm付近にある)。吸収端より短波長の電磁波(光)では、光起電力材料において光の吸収があるため、光起電力材料では光電変換が発生する。また、加工方法や製造方法の改善により、現在では、820nm程度まで光吸収が起こせるようになっており、波長700nmから820nm程度までの帯域でも光起電力の発生が期待できる。



アモルファスシリコン半導体の場合、波長約520nmを吸収のピークとして、波長が520nm付近から、吸収端の波長である820nmの方へ大きくなるとともに、吸収率が低下する。これは、吸収ピークから半導体の吸収端にかけての波長域では、光と電子との相互作用が弱くなるため、吸収端側の波長の光は半導体を透過しやすくなるためである。したがって、半導体の吸収端近傍では光電変換効率が悪くなる。なお、吸収ピークから短波長側の吸収端にかけての波長の光でも同様である。



半導体の吸収端近傍における光吸収率を増加させるには、半導体を厚膜化する必要がある。しかしながら、半導体の厚膜化はコストの増加等を招き、不利である。



そこで、光電変換層を厚膜化することなく、光の吸収量を増加させるためのさまざまな技術が開発されている。



[特許文献1:散乱効果を有する太陽電池]
図28に示すように、特開昭63-313874号公報には、光の吸収量の増大を図った太陽電池用基板1000が開示されている。具体的には、ガラス基板1010上に多数の凸部を有する透明電導膜1020を形成する。この透明電導膜1020の表面の凹凸により、入射光が半導体層と上記透明電導膜1020との界面で散乱されるので、半導体層内での多重反射および屈折が起こる。その結果、光路長が延伸して、光の吸収量が増大することが、同公報では述べられている。



[特許文献2:共振効果を利用した光の吸収]
図29に示すように、特開2002-368244号公報には、太陽電池本体2000に含まれる透明電極2010の表面上に、誘電体で形成された複数の誘電体アンテナ2020を突出して設ける技術が開示されている。太陽から照射される電磁波を上記誘電体アンテナ2020によって受信して、太陽電池本体2000の半導体光電層2030に供給することで、太陽光を効率よく発電電力として出力することが述べられている。



[特許文献3:タンデム構造太陽電池]
2層以上の光電変換層を有する構造の太陽電池は、タンデム構造太陽電池あるいはタンデム型太陽電池と呼称されている。



特開2005-217041号公報には、バンドギャップの異なる材料で形成された第1、第2の半導体層を有し、上記2層の半導体層の間に光透過性絶縁層が形成された、タンデム構造太陽電池が開示されている。このような構成において、2層の半導体層のバンドギャップを異ならせることで、光吸収の強く起こる波長をずらし、広い波長範囲で光吸収が起こるようになっている。



[特許文献4:ブラッグ反射による光吸収率の増加]
媒質および誘電率の異なる周期構造が、光の波長と同程度の周期で媒質内に形成されたものを、フォトニック結晶という。



特開2006-24495号公報には、フォトニック結晶からなる周期構造を有し、該周期構造に起因したブラッグ反射に基づく光閉込め効果を有する光電変換層を備えた光電変換素子が記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、フォトニック結晶構造を備えた太陽電池の技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
光の入射側に設けられた透明基板と、
上記透明基板上に形成された第1の透明導電膜と、
上記第1の透明導電膜の表面上に設けられ、複数の凹凸で形成されたフォトニック結晶構造と、
上記フォトニック結晶構造の凹凸に沿って形成された、少なくとも1層の光電変換層とを備え、
上記第1の透明導電膜および上記フォトニック結晶構造は、上記光電変換層よりも屈折率の小さい材料で形成されていること
を特徴とする太陽電池。

【請求項2】
上記凹凸を構成する凹部または凸部の一方が、上記フォトニック結晶構造の基本要素をなしているとともに、
上記フォトニック結晶構造は、第1の径を持つ上記基本要素が、第1の格子定数で配列された第1の副構造と、上記第1の径と異なった第2の径を持つ上記基本要素が、第1の格子定数と異なった第2の格子定数で、上記第1の副構造の格子点の一部を置き換えるように配列された第2の副構造とを含む、少なくとも2種類の副構造を含み、
上記第1の径および第2の径は、上記第1の透明導電膜の面内方向における上記基本要素の断面の径であること
を特徴とする請求項1に記載の太陽電池。

【請求項3】
上記凹凸を構成する凹部または凸部の一方が上記フォトニック結晶構造の基本要素をなしているとともに、上記基本要素は、中心軸の方向が上記透明導電膜の表面と実質的に垂直な柱形状をしており、中心軸に垂直な断面の形状が円形、楕円形または多角形であり、上記多角形は、直線状の辺を、曲線状の辺に置き換えた形状、または、上記多角形の頂点に円弧状の丸みをつけた形状を含んでいること
を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。

【請求項4】
上記凹凸を構成する凹部または凸部の一方が、上記フォトニック結晶構造を形成するための基本要素をなしているとともに、
上記フォトニック結晶構造は、4つの凹部または4つの凸部を正方格子状に配置した単位格子を備え、該単位格子を二次元的、かつ周期的に配置することによって構成され、
上記4つの凹部または4つの凸部の断面の形状は、該断面を含む面内方向に沿って、4つの断面の形状のいずれかを、他の断面の形状の位置に平行移動させても、形状的に相互に不一致となるという条件を満たしていること
を特徴とする請求項1に記載の太陽電池。

【請求項5】
上記4つの凹部または4つの凸部の断面の形状は、大きさが互いに異なる相似形であること
を特徴とする請求項4に記載の太陽電池。

【請求項6】
上記4つの凹部または4つの凸部の断面の形状は三角形であり、
4つの断面の形状のいずれかを、他の断面の形状の位置に平行移動させても、形状的に相互に不一致となるという上記条件を満たすように、各三角形の向きまたは形状が設定され、
上記三角形は、上記三角形の直線状の辺を、曲線状の辺に置き換えた形状、または、上記三角形の頂点に円弧状の丸みをつけた形状を含んでいること
を特徴とする請求項4に記載の太陽電池。

【請求項7】
上記光電変換層の上記第1の透明導電膜と反対側の表面に形成された第2の透明導電膜を備え、当該第2の透明導電膜は、上記光電変換層よりも屈折率の小さい材料で形成されていること
を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の太陽電池。

【請求項8】
上記光電変換層は、吸収する光の主な波長域が異なる少なくとも2層の光電変換層を有していること
を特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の太陽電池。

【請求項9】
上記フォトニック結晶構造は、透明な誘電体で形成されていること
を特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の太陽電池。

【請求項10】
上記フォトニック結晶構造は、透明な導電体で形成されていること
を特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の太陽電池。

【請求項11】
上記太陽電池は、光の入射側と反対側の表面に、上記光電変換層側から入射した光を上記入射側へと反射し、かつ上記光電変換層の電極として機能する金属電極層が形成されていること
を特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の太陽電池。

【請求項12】
光電変換層が積層されるフォトニック結晶基板であって、
透明基板と、
上記透明基板の一方の表面上に設けられた透明導電膜とを備え、
上記透明導電膜の表面には、フォトニック結晶構造を形成するための複数の凹凸が、周期的に形成され、
上記透明導電膜および上記複数の凹凸は、上記複数の凹凸に沿って形成された上記光電変換層の形成材料よりも屈折率の小さい材料で形成されており、
上記凹凸の形成材料は、上記透明導電膜上に積層された透明な導電体であること
を特徴とするフォトニック結晶基板。

【請求項13】
光電変換層が積層されるフォトニック結晶基板であって、
透明基板と、
上記透明基板の一方の表面上に設けられた透明導電膜とを備え、
上記透明導電膜の表面には、フォトニック結晶構造を形成するための複数の凹凸が、周期的に形成され、
上記透明導電膜および上記複数の凹凸は、上記複数の凹凸に沿って形成された上記光電変換層の形成材料よりも屈折率の小さい材料で形成されており、
上記一方の表面の形状が、上記複数の凹凸の形状に対応した凹凸の形状をなし、
上記透明導電膜の表面に形成された上記複数の凹凸は、上記一方の表面における凹凸の形状が反映されたものであること
を特徴とするフォトニック結晶基板。

【請求項14】
光電変換層が積層されるフォトニック結晶基板であって、
透明基板と、
上記透明基板の一方の表面上に設けられた透明導電膜とを備え、
上記透明導電膜の表面には、フォトニック結晶構造を形成するための複数の凹凸が、周期的に形成され、
上記透明導電膜および上記複数の凹凸は、上記複数の凹凸に沿って形成された上記光電変換層の形成材料よりも屈折率の小さい材料で形成されており、
上記複数の凹凸を構成する凹部または凸部の一方が上記フォトニック結晶構造を形成するための基本要素をなしているとともに、
上記複数の凹凸は、第1の径および第1の格子定数を持つ第1の副構造と、当該第1の副構造の格子点の一部を置き換えるように配列され、上記第1の径および第1の格子定数とはそれぞれ異なった第2の径および第2の格子定数を持つ第2の副構造とを含む、少なくとも2種類の副構造を含み、
上記第1の径および第2の径は、上記透明導電膜の面内方向における上記基本要素の断面の径であること
を特徴とするフォトニック結晶基板。

【請求項15】
光電変換層が積層されるフォトニック結晶基板であって、
透明基板と、
上記透明基板の一方の表面上に設けられた透明導電膜とを備え、
上記透明導電膜の表面には、フォトニック結晶構造を形成するための複数の凹凸が、周期的に形成され、
上記透明導電膜および上記複数の凹凸は、上記複数の凹凸に沿って形成された上記光電変換層の形成材料よりも屈折率の小さい材料で形成されており、
上記凹凸を構成する凹部または凸部の一方が、上記フォトニック結晶構造を形成するための基本要素をなしているとともに、
上記フォトニック結晶構造は、4つの凹部または4つの凸部を正方格子状に配置した単位格子を備え、該単位格子を二次元的、かつ周期的に配置することによって構成され、
上記4つの凹部または4つの凸部の断面の形状は、該断面を含む面内方向に沿って、4つの断面の形状のいずれかを、他の断面の形状の位置に平行移動させても、形状的に相互に不一致となるという条件を満たしていること
を特徴とするフォトニック結晶基板。

【請求項16】
上記凹凸の形成材料は、上記透明導電膜上に積層された透明な誘電体であること
を特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載のフォトニック結晶基板。

【請求項17】
上記4つの凹部または4つの凸部の断面の形状は、大きさが互いに異なる相似形であること
を特徴とする請求項15に記載のフォトニック結晶基板。

【請求項18】
上記4つの凹部または4つの凸部の断面の形状は三角形であり、
4つの断面の形状のいずれかを、他の断面の形状の位置に平行移動させても、形状的に相互に不一致となるという上記条件を満たすように、各三角形の向きまたは形状が設定され、
上記三角形は、上記三角形の直線状の辺を、曲線状の辺に置き換えた形状、または、上記三角形の頂点に円弧状の丸みをつけた形状を含んでいること
を特徴とする請求項15に記載のフォトニック結晶基板。

【請求項19】
請求項1から11のいずれか1項に記載の太陽電池を1ユニットとして、複数の上記ユニットが一次元的または二次元的に配列されたことを特徴とする太陽電池パネル。

【請求項20】
請求項1から11のいずれか1項に記載の太陽電池、または請求項19に記載の太陽電池パネルを電源として備えたことを特徴とする装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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