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植物バイオマスから重金属を除去する方法

国内特許コード P150012443
掲載日 2015年10月21日
出願番号 特願2014-093839
公開番号 特開2014-231058
出願日 平成26年4月30日(2014.4.30)
公開日 平成26年12月11日(2014.12.11)
優先権データ
  • 特願2013-094945 (2013.4.30) JP
発明者
  • 頼 泰樹
  • 横山 咲
  • 進藤 昌
  • 服部 浩之
出願人
  • 公立大学法人秋田県立大学
  • 秋田県
発明の名称 植物バイオマスから重金属を除去する方法
発明の概要 【課題】ファイトレメディエーション技術による土壌浄化後に収穫されるカドミウム高含有バイオマスの有効な利用技術を提供する。
【解決手段】重金属、特にカドミウムを高度に含む植物バイオマス(稲わら、葉菜、根菜類)に硫酸あるいは塩酸を添加することにより、植物バイオマス中のカドミウムを溶液中に溶解させた後に、ジチオカルバミン酸化合物およびまたは液体キレート樹脂を添加して、酸溶液中のカドミウムを固定、沈殿させ、植物バイオマス中のカドミウムを除去することにより、カドミウムフリーの有用なバイオマス資源を生産する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


鉛、カドミウム、ヒ素、亜鉛等の重金属成分は、人体や環境に悪影響を与えることはよく知られている。その中でもカドミウムは、廃鉱山や精錬所から土壌に混入し、近郊や河川下流域の水田に汚染された土壌を形成する。汚染された土壌で栽培されたコメには、高い濃度でカドミウムが蓄積されうる。



食品衛生法においては、長らく玄米中のカドミウム許容濃度を1ppm未満としてきた。しかし、食品中のカドミウム濃度に関する基準の見直しが世界保健機構(WHO)により推進されるという流れの中で、我が国においては、平成22年に食品衛生法規格基準が改正され、平成23年に施行され、「玄米および精米中にカドミウムとして0.4ppmを超えて含有するものであってはならない」とされている。



これらの農産物中のカドミウム濃度規制強化に対して、例えば玄米中のカドミウム濃度を低減させる方法として、汚染されていない土を水田に盛る方法(客土)がある。しかし、この客土法は、コストが非常に高くなることから、経済性の面から継続的に実用化は難しいとされている。そこで、重金属元素を含む汚染土壌の水田にからの重金属除去対策として、従来からいくつかの方法が提案されている。



植物を用いた汚染土壌修復技術(ファイトレメディエーション)がある。稲、大豆、アブラナなどのある種の植物は、高濃度の重金属元素を吸収できるので、このような植物を鉛、カドミウム、亜鉛、ヒ素などが存在する汚染土壌地域で栽培して、これらの重金属元素を植物中に取り込ませる。



土壌中のカドミウムは、その化学状態によって植物や農作物に吸収される量が大きく異なる。そのため、例えば、土壌を酸素不足の還元状態にすれば、玄米中のカドミウム濃度を低く抑えることが可能となる技術を活用して、出穂期の前後3週間に水田を完全に灌水する方法が取られている。また、カドミウムを含む水田土壌に塩化第二鉄を添加すると、生成する水素イオンと塩化物イオンの働きによって土壌に吸着したカドミウムが効率よく抽出できることが報告されている(特許文献1)。



一方、重金属汚染されたバイオマスに対し、クエン酸、酒石酸等のカルボン酸を用いて、バイオマス中の重金属を溶出させる方法が提案されている(特許文献2)。この方法では、重金属を除去したバイオマスから高純度の非晶質シリカを作成することとしている。

産業上の利用分野


本発明は、稲わらなどの植物バイオマスに含まれる重金属を効率的に除去する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
重金属を0.4mg/kg以上含むバイオマスを、硫酸および/または塩酸を含む水系溶媒で処理し、重金属を溶媒中に溶出させる工程;
水系溶媒処理物を、固形の残渣と液体の重金属含有液とに分離する工程;
得られた重金属含有液に液体キレート剤を添加して、重金属を捕集する工程
を含む、バイオマス中の重金属を除去する方法。

【請求項2】
得られた重金属含有液のpHが4を超えるように調製した後に液体キレート剤を添加し、かつ液体キレート剤が、ジチオカルバミン酸基を有する水溶性化合物を含有する、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
重金属が、カドミウム、水銀、銅、鉛および亜鉛からなる群より選択されるいずれかである、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
水系溶媒が、硫酸1.5%以上または塩酸4.0%以上を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
残渣を洗浄液で洗浄する工程を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
洗浄液が、水または希酸水溶液である、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
バイオマス1重量部に対し、水系溶媒を2.5~50重量部、洗浄液を2~40重量部用いる、請求項5または6に記載の方法。

【請求項8】
バイオマスが、イネ科植物、マメ科植物、アブラナ科植物またはキク科植物由来である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に定義された工程を含み、植物バイオマスが重金属で汚染された土壌で栽培されたものである、土壌からの汚染の除去方法。

【請求項10】
請求項1~10のいずれか1項に定義された工程を含む、エネルギーまたは有用物質の生産のための原料の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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