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ポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P150012450
掲載日 2015年10月21日
出願番号 特願2012-555854
登録番号 特許第5823988号
出願日 平成24年1月30日(2012.1.30)
登録日 平成27年10月16日(2015.10.16)
国際出願番号 JP2012051961
国際公開番号 WO2012105483
国際出願日 平成24年1月30日(2012.1.30)
国際公開日 平成24年8月9日(2012.8.9)
優先権データ
  • 特願2011-019291 (2011.1.31) JP
発明者
  • 佐藤 剛史
  • 伊藤 直次
  • 伊藤 智志
出願人
  • 国立大学法人宇都宮大学
発明の名称 ポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】合成時に有機溶媒を一切用いず、反応させた後は固体の金属錯体と金属塩水溶液とに容易に分離することができ、環境負荷の極めて少ないクリーンかつ効率的なポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の製造方法を提供する。
【解決手段】ポルフィリン型骨格を有する化合物及び金属塩を水中で200℃以上450℃以下の反応温度で反応させるポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の製造方法とすることによって、上記課題を解決する。テトラフェニルポルフィリンと金属塩とを水中で300℃以上400℃以下の反応温度で反応させることが好ましい。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


ポルフィリン型骨格を有する化合物の一つであるポルフィリンの金属錯体は、様々な特徴を有している。例えば、ポルフィリンの金属錯体は、分子内にπ共役系を有し、π電子がポルフィリン分子内を自由に動き回ることで、生命活動にとって重要な情報伝達やエネルギーの伝達をする。また、π共役系が一定の広がりを有しており、その広がりが、紫外光や可視光の吸収に大きな影響を与えるので、紫外可視領域における特徴的な光学特性を有する。具体的には、ポルフィリンの金属錯体は、骨格中のヘテロポリエン構造(18π電子系)に起因して、ソーレー帯と呼ばれる400nm~500nm付近の鋭い吸収帯と、Q帯と呼ばれる500nm~700nm付近の広い吸収帯とを有し、前者は禁制遷移であるのに対して、後者は許容遷移であるので、それぞれの分子吸光係数に大きな差があるという特徴がある。また、Q帯は、ポルフィリン単独の場合は4つに分裂しているが、錯体にすると対称性が上がるため分裂数が減少するという特徴がある。さらに、ソーレー帯やQ帯等の吸収スペクトルは、ポルフィリンの金属錯体の、骨格形状、外部置換基、中心金属及び配位子等によって異なるという特徴がある。このような多様な性質を持つことから、ポルフィリンの金属錯体は、生体系に存在するのみでなく、機能性物質として多く活用されるとともに、盛んに研究されている。



例えば、ポルフィリンの金属錯体は、上記した特徴的な光学特性に基づいて、分析試薬として活用されている。また、ポルフィリン型骨格を有する化合物であるクロロフィルの金属錯体やポルフィリンの亜鉛錯体は、吸収した光によって光電子移動を引き起こすので、太陽電池への応用が検討されている。また、ポルフィリンの金属錯体は、発光性のものが多く、それらは有機ELの発光材料として検討されている。また、ポルフィリンの金属錯体のうち、安定な酸化還元特性を示すものは、有機合成等の触媒として活用されている。さらに、ポルフィリンの金属錯体は、π共役系に由来する相互作用によって、それ自身で超分子になる。また、ポルフィリンの金属錯体は、軸配位子による錯形成によっても、超分子になる。ポルフィリンの金属錯体は、DNAへも強くスタッキングするため、光治療用の増感剤としての研究も行われている。このように、ポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体は、様々な特徴を持つため、近年、太陽電池や触媒等の機能性材料や、増感剤等の医薬、及び農薬等の幅広い分野での応用が期待されている。



このような背景の下、ポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の合成方法に関する種々の研究がなされている。還流させた酢酸又はぎ酸中で、ポルフィリンと主に金属酢酸塩とを反応させることで、ポルフィリンの金属錯体を合成できるとされている。例えば、還流させた酢酸又はぎ酸中で、ポルフィリンと酢酸銅とを反応させるとポルフィリン銅錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸銀とを反応させるとポルフィリン銀錯体を生成し、ポルフィリンと塩化金とを反応させるとポルフィリン金錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸亜鉛とを反応させるとポルフィリン亜鉛錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸マンガンとを反応させるとポルフィリンマンガン錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸鉄とを反応させるとポルフィリン鉄錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸コバルトとを反応させるとポルフィリンコバルト錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸ニッケルとを反応させるとポルフィリンニッケル錯体を生成するとされている(非特許文献1)。



また、ピリジン中でも、ポルフィリンと主に金属酢酸塩とを反応させることで、ポルフィリンの金属錯体を合成できるとされている。例えば、ピリジン中で、ポルフィリンと酢酸カドミウムとを反応させるとポルフィリンカドミウム錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸水銀とを反応させるとポルフィリン水銀錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸タリウムとを反応させるとポルフィリンタリウム錯体を生成し、ポルフィリンと塩化スズとを反応させるとポルフィリンスズ錯体を生成し、ポルフィリンと酢酸鉛とを反応させるとポルフィリン鉛錯体を生成し、ポルフィリン酢酸マグネシウムとを反応させるとポルフィリンマグネシウム錯体を生成するとされている(非特許文献2)。



また、ポルフィリン型骨格を有する化合物に金属を導入する方法として、有機溶媒中でポルフィリンと主に金属カルボニルとを反応させることで、ポルフィリンジメチルエステルを得ることができるとされている。例えば、有機溶媒中で、ポルフィリンと、クロム、コバルト、ニッケル、鉄、バナジウムのカルボニル、及びジフェニルチタニウムのいずれか一つとを反応させることで、それぞれのポルフィリンジメチルエステルを生成するとされている(非特許文献3)。



現在、ポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の合成方法として、ポルフィリン型骨格を有する化合物と金属塩との双方が溶解する極性有機溶媒に、これらを溶解させてポルフィリンの金属錯体を合成する方法が提案されている(非特許文献4)。具体的には、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸及びピリジン等の極性有機溶媒中にポルフィリン型骨格を有する化合物と金属塩とを溶解させて反応させることで、ポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体を合成できるとされている。例えば、テトラフェニルポルフィリンと、亜鉛、銅、マグネシウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、マンガン、酸化バナジウム、水銀、カドミウム、鉛、スズ、マグネシウム、バリウム、カルシウム、パラジウム及び銀から選ばれるいずれかの、酢酸塩、ハロゲン化物、水酸化物又は炭酸塩とを、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中で反応させると、当量のテトラフェニルポルフィリン金属錯体を生成するとされている(非特許文献5)。



さらに、テトラフェニルポルフィリンと塩化銅とをジメチルスルホキシド(DMSO)中で35℃~60℃で反応させると、テトラフェニルポルフィリン銅錯体を生成することが提案されている(非特許文献6)。

産業上の利用分野


本発明は、ポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(3)又は式(4)で表されるポルフィリン型骨格を有する化合物及び金属塩を水中で200℃以上450℃以下の反応温度、及び1.0MPa以上50.0MPa以下の圧力で反応させることを特徴とするポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の製造方法。
【化1】


【化2】


(式(3)及び式(4)中、ia及びibは、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1~10の、アルキル基、アルコキシ基、メルカプト基、アシル基;カルボキシル基と炭素数1~10のアルコールとのエステル;ホルミル基;カルバモイル基;ハロゲン原子;又はニトロ基であり、ia及びibは相互に結合して芳香族炭化水素環、複素環又は非芳香族環状炭化水素を形成していてもよい。iは1~4の整数を示す。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、メルカプト基、カルボキシル基と炭素数1~10のアルコールとのエステル、又はチエニル基である。)

【請求項2】
前記金属塩が硫酸塩である、請求項1に記載のポルフィリン型骨格を有する化合物の金属錯体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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