TOP > 国内特許検索 > タンパク質を蛍光標識する方法

タンパク質を蛍光標識する方法

国内特許コード P150012452
掲載日 2015年10月21日
出願番号 特願2012-555924
登録番号 特許第5686385号
出願日 平成24年2月1日(2012.2.1)
登録日 平成27年1月30日(2015.1.30)
国際出願番号 JP2012052227
国際公開番号 WO2012105596
国際出願日 平成24年2月1日(2012.2.1)
国際公開日 平成24年8月9日(2012.8.9)
優先権データ
  • 特願2011-020804 (2011.2.2) JP
発明者
  • 菊地 和也
  • 水上 進
  • 渡辺 修司
  • 秋元 悠里
出願人
  • 国立大学法人大阪大学
発明の名称 タンパク質を蛍光標識する方法
発明の概要 【課題】生体内における生体分子(タンパク質)を蛍光で標識するにも使用できる、タンパク質を蛍光標識する方法を提供する。
【解決手段】タンパク質を蛍光標識する方法であって、標識対象タンパク質と変異型βラクタマーゼとの融合タンパク質を細胞内で得ること、下記式(I)で表される化合物またはその塩を、細胞内のエステラーゼにより下記式(II)で表される化合物またはその塩へ変換すること、および前記融合タンパク質と下記式(II)で表わされる化合物またはその塩とを反応させることにより、前記対象タンパク質を蛍光標識する方法。


従来技術、競合技術の概要


近年、生物が生きた状態において、生物内のタンパク質などの生体分子の機能を観察するバイオイメージングが注目されている。この生体分子機能の観察は、生体分子を蛍光で標識し、生物内におけるその生体分子の局在や動きを可視化することにより汎用的に行われている。生体分子を蛍光で標識する方法としては、遺伝子工学的手法を用いて、蛍光タンパク質を目的とする生体分子(タンパク質)の末端に共発現させる方法が一般的である。この蛍光タンパク質は、分子サイズが大きく、また、組織透過性の高い近赤外光蛍光の観測が困難であるなどの不都合がある。そのため、蛍光タンパク質より分子サイズが小さく、かつ、蛍光特性に優れた有機小分子に注目が集まっている。有機小分子を目的タンパク質にラベルする技術として、HaloTag(登録商標)(プロメガ株式会社)(例えば非特許文献1参照)およびSNAP-tag(登録商標)(例えば非特許文献2参照)を用いたラベル化キットが商品化されている。これらのラベル化法は、酵素反応を利用して目的とする生体分子を蛍光で標識する。そのため、有機小分子を目的とする生体分子にラベル化する際の特異性は非常に高いが、生体分子に結合していない有機小分子由来の蛍光が、バックグラウンドシグナルとして観測されてしまう。このバックグラウンドシグナルを小さくするため、目的とする生体分子を有機小分子で蛍光標識した後、洗浄して、未反応の有機小分子を除去する必要がある。しかしながら、細胞内や生体内に存在する生体分子を洗浄するのは、一般的に困難であり、洗浄できない場合も多い。従って、細胞内や生体内での生体分子の機能を観察するには、上述のラベル化法は汎用的とはいえない。また、有機小分子と目的とする生体分子とを結びつける特定配列のペプチドを用いて、生体分子を蛍光で標識する方法も開発されているが、この方法は、ペプチドと有機小分子との特異性が低いという問題がある。



前記問題を解決するため、本発明者らは、既に、下記式(A)を有する化合物を用いた、細胞内や生体内における生体分子(タンパク質)を蛍光で標識するために使用できる、タンパク質を蛍光標識する方法を提供している(特許文献1)。この方法では、標識対象タンパク質と変異型βラクタマーゼとの融合タンパク質を得ること、および前記融合タンパク質と下記式(A)で表わされる化合物またはその塩とを反応させることにより、前記対象タンパク質を蛍光標識することを含み、前記変異型βラクタマーゼは、前記式(A)で表わされる化合物またはその塩のβ-ラクタム環を開環させ、かつ、前記化合物またはその塩のβ-ラクタム環が開環した部分と共有結合可能なタンパク質である、タンパク質の蛍光標識方法を提供している。



【化1】




前記式(A)中、X’は、蛍光性基であり、L1’は、X’のためのリンカーであり、R1’は、H、低級アルキルカルボニルオキシで置換された低級アルキレン基または低級アルキル基である。



しかしながら、前記化合物(A)を用いる方法によって細胞膜透過性が低い場合があり、その結果、細胞内における生体分子(タンパク質)を蛍光で標識するのは効率が悪い場合があった。

産業上の利用分野


本発明は、タンパク質を蛍光標識する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
細胞内タンパク質を蛍光標識する方法であって、
標識対象タンパク質と変異型βラクタマーゼとの融合タンパク質を細胞内で得ること、
下記式(I)で表される化合物またはその塩を、細胞内のエステラーゼにより下記式(II)で表される化合物またはその塩へ変換すること、
および前記融合タンパク質と下記式(II)で表わされる化合物またはその塩とを反応させることにより、前記対象タンパク質を蛍光標識することを含み、
前記変異型βラクタマーゼは、前記式(II)で表わされる化合物またはその塩のβ-ラクタム環を開環させ、その結果、前記化合物またはその塩のβ-ラクタム環が開環した部分と共有結合可能なタンパク質であり、
前記融合タンパク質における前記変異型βラクタマーゼのアミノ酸配列が、
配列表の配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列、及び、
配列表の配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列の1~数個のアミノ酸が欠失、置換、又は付加されたアミノ酸配列であって、前記融合タンパク質において上記式(II)で表わされる化合物のβ-ラクタム環を開環させ、かつ、前記化合物またはその塩のβ-ラクタム環が開環した部分と共有結合可能なアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列であるタンパク質の蛍光標識方法。
【化21】


前記式(I)および式(II)中、
Xは、蛍光性基であり、
1は、Xのためのリンカーであり、
1は、低級アルキルオキシカルボニルオキシで置換された低級アルキル基または、3-オキシ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イルである。

【請求項2】
前記融合タンパク質を得ることが、前記融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを得ること、前記融合タンパク質を発現可能なプラスミド若しくはベクターを得ること、細胞内で前記融合タンパク質を発現させること、又は、発現した前記融合タンパク質を単離することを含む、請求項1に記載の細胞内タンパク質の蛍光標識方法。

【請求項3】
前記式(I)で表わされる化合物またはその塩を含む請求項1または2の方法に用いるための組成物。
【化22】


Xは、蛍光性基であり、
1は、Xのためのリンカーであり、
1は、低級アルキルオキシカルボニルオキシで置換された低級アルキル基または、3-オキシ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イルである。

【請求項4】
請求項3に記載の組成物と、
請求項1または2の方法に用いるためのプラスミドまたはベクターを含むタンパク質の蛍光標識方法用キットであって、
前記プラスミドまたはベクターは、標識対象タンパク質と変異型βラクタマーゼとの融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドをクローニングするため又は前記融合タンパク質を発現させるためのプラスミド又はベクターであり、
前記プラスミド又はベクターは、
配列表の配列番号5~8のいずれかの塩基配列及び
配列表の配列番号5~8のいずれかの塩基配列の1~数個の塩基が欠失、置換、又は付加された塩基配列であって、前記融合タンパク質において式(I)で表わされる化合物またはその塩のβ-ラクタム環を開環させ、その結果、前記化合物またはその塩のβ-ラクタム環が開環した部分と共有結合可能なアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる群から選択される塩基配列を含むプラスミドまたはベクターであるタンパク質の蛍光標識方法用キット
【化23】


Xは、蛍光性基であり、
1は、Xのためのリンカーであり、
1は、低級アルキルオキシカルボニルオキシで置換された低級アルキル基または、3-オキシ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イルである。

【請求項5】
一般式(I)で表わされる化合物またはその塩。
【化24】


Xは、蛍光性基であり、
1は、Xのためのリンカーであり、
1は、低級アルキルオキシカルボニルオキシで置換された低級アルキル基または、3-オキシ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イルである。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012555924thum.jpg
出願権利状態 登録


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close