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子宮外妊娠の治療剤 新技術説明会

国内特許コード P150012454
掲載日 2015年10月21日
出願番号 特願2012-551052
出願日 平成23年12月28日(2011.12.28)
国際出願番号 JP2011080466
国際公開番号 WO2012091118
国際出願日 平成23年12月28日(2011.12.28)
国際公開日 平成24年7月5日(2012.7.5)
優先権データ
  • 特願2010-294391 (2010.12.29) JP
発明者
  • 河村 和弘
出願人
  • 国立大学法人秋田大学
発明の名称 子宮外妊娠の治療剤 新技術説明会
発明の概要 要約
子宮外妊娠、とりわけ未破裂子宮外妊娠に対して治療効果を有する、子宮外妊娠に対する新規な治療剤、及び子宮外妊娠に対する治療剤の新規なスクリーニング方法が開示されている。子宮外妊娠の治療剤は、脳由来神経栄養因子(BDNF)及び/又は脳由来神経栄養因子受容体(TrkB)の抑制剤を有効成分として含有する。また、子宮外妊娠の治療剤のスクリーニング方法は、被験試料の存在下におけるTrkBのキナーゼ活性と、被験試料の非存在下におけるTrkBのキナーゼ活性とを測定し、TrkBのキナーゼ活性を減少させる被験試料を選別する。
従来技術、競合技術の概要


子宮外妊娠は、妊娠の最初の3ヶ月間における、生死に関わる状態である(非特許文献1)。近年の一連のホルモンアッセイ及び経膣超音波検査の進歩は、破裂前の子宮外妊娠の診断及び治療を促進している。初期の診断及び適時の治療は子宮外妊娠による死亡率を劇的に低下させた(非特許文献1)。1980年代の半ばまでは子宮外妊娠の治療はもっぱら外科的であった。1982年に本件出願人の研究者らは、1人の患者における15日クールの筋内メトトレキサート(MTX)を用いた間質部子宮外妊娠の治療について報告した(非特許文献2)。その後、MTX治療は未破裂の子宮外妊娠への治療法として受け入れられた。MTXは、DNA合成を阻害する葉酸拮抗薬であり、そのため急速に複製している組織及び悪性細胞に対して高い毒性がある。しかしながら、進行した子宮外妊娠の兆候、例えば胚性心臓活動、高レベルのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、大きいサイズの(>4 cm)受胎産物が検出された場合にはMTX治療には適応しない(非特許文献3)。さらに、胃部不快感、吐き気、嘔吐、口内炎、潰瘍性口内炎、及びめまいがMTX治療の副作用としてよく見られる(非特許文献3)。従って、より強力でより安全な治療法の開発が必要とされている。ヒト絨毛様栄養膜は細胞性栄養膜細胞及び合胞体栄養膜細胞層を含む。細胞性栄養膜細胞は妊娠の最初の3ヶ月間において高い増殖及び侵入特性を示し、一方合胞体栄養膜細胞は細胞性栄養膜細胞が融合して分化し、妊娠期間を通じて増殖性をほとんど示さない。細胞性栄養膜細胞はまた、絨毛膜絨毛から出て母胎脱落膜へと移動して子宮筋層に侵入する、絨毛外性栄養膜細胞(EVT)と呼ばれる侵入性の高い細胞へと分化し、胎児成長のために母胎が必要としている血液を十分に供給するための子宮-胎盤動脈をリモデリングする。胎盤絨毛における栄養膜の増殖は、それらが絨毛から移動する前には、細胞性栄養膜細胞においてもEVTにおいても見られる(非特許文献4、非特許文献5)。



脳由来神経栄養因子 (BDNF) は高親和性チロシンキナーゼB(TrkB)受容体を神経栄養因子(pan-neurotrophin)低親和性コレセプターp75(p75NTR)と共に活性化するタンパク質として知られる、ニューロトロフィンファミリーのメンバーである(非特許文献6)。BDNF結合の後、TrkB受容体は異なった細胞型での細胞分化、増殖及び生存において重要な役割を果たしている(非特許文献6、非特許文献7)。ニューロトロフィンは中枢神経系において広く発現し、神経の分化及び生存に重要であるが(非特許文献8)、これらは非神経性の組織においても重要な役割を果たしている(非特許文献9)。近年本願発明者らは、胚盤胞の発育段階にある着床前期胚の栄養外胚葉細胞におけるTrkBとそのリガンドであるBDNF及びニューロトロフィン-4/5(NT-4/5)の発現が侵入性栄養膜細胞への分化を促進することを見いだし、そしてBDNFの着床前栄養外胚葉細胞の増殖及び生存の促進効果を示した(非特許文献10)。着床後も胎盤性栄養膜細胞におけるTrkBとそのリガンドの発現は持続し、本願発明者らは、マウスを用いて胎盤発生期の栄養膜細胞の増殖と生存におけるTrkB伝達系のオートクリン/パラクリンの調節的役割を示した(非特許文献11)。ヒトにおいてさらに本願発明者らは、悪性栄養膜細胞、すなわち絨毛癌細胞の増殖におけるBDNF/TrkB伝達系のオートクリンの重要な役割を示した(非特許文献12)。

産業上の利用分野


本発明は、子宮外妊娠の治療剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
脳由来神経栄養因子(BDNF)及び/又は脳由来神経栄養因子受容体(TrkB)の抑制剤を有効成分として含有する子宮外妊娠の治療剤。

【請求項2】
チロシンキナーゼ抑制剤、遊離のTrkB若しくはBDNFとの結合性を有するその断片又は子宮外妊娠の治療効果を有するそれらの修飾体又はTrkB若しくは前記断片又は前記修飾体を細胞内で生産する組換えベクター、BDNF遺伝子若しくはTrkB遺伝子に対する干渉RNA又は該干渉RNAを細胞内で生産する組換えベクター、BDNF又はTrkBに対する抗体、及びBDNF遺伝子若しくはTrkB遺伝子に対するアンチセンス核酸又は該アンチセンス核酸を細胞内で生産する組換えベクターから成る群より選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する請求項1記載の治療剤。

【請求項3】
チロシンキナーゼ抑制剤、及び遊離のTrkB又はBDNFとの結合性を有するTrkB断片から成る群より選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する請求項2記載の治療剤。

【請求項4】
チロシンキナーゼ抑制剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項3記載の治療剤。
【化1】


(式中、
a)Z及びZは共に水素:
1)RはOH、1~6個の炭素原子のO-n-アルキル、及び、2~6個の炭素原子のO-アシルよりからなる群から選択され;
2)Xは下記の群より選択される;
H;
CONHC、但し、この場合にはR及びRは共にはBrでない;
CHY、ここに、Yは、OR(RはHまたは2~5個の炭素原子のアシル);
SOR、ここに、Rは1~3個の炭素原子のアルキル、アリール、若しくは、含窒素原子複素環基;
NR10、ここに、R及びR10は、独立して、H、1~3個の炭素原子のアルキル、Pro、Ser、Gly、Lys、若しくは、2~5個の炭素原子のアシル、但し、R及びR10のうちの一方のみがPro、Ser、Gly、Lys若しくはアシルである;
SR16、ここにR16はアリール、1~3個の炭素原子のアルキル、若しくは、含窒素原子複素環基;

COCH
S―Glc;
CONR1112、ここに、R11およびR12は、独立して、H、1~6個の炭素原子のアルキル、C若しくは1~6個の炭素原子のヒドロキシアルキルであるか、若しくは、R11及びR12は一緒になって-CHCHOCHCH-を形成する;
CH=NNHCONH
CONHOH;
CH=NOH;
CH=NNHC(=NH)NH
【化2】


CH=NN(R17、ここにR17はアリール;
CHNHCONHR18、ここに、R18は、低級アルキル若しくはアリール;又は、
X及びRは一緒になって、-CHNHCO-、CHOH(CHO―、=O若しくは-CHN(CH)CO-を形成する;
3)R、R、R及びRは各々独立してHであるか、あるいはそれらのうち2つまではF;Cl;Br;I;NO;CN;OH;NHCONHR13;CHOR13;1~3個の炭素原子のアルキル;CHOCONHR14若しくはNHCO14、ここに、R14は低級アルキル;CH(SC若しくはCH(-SCHCHS-);
はCHS(O)21であって、R、R及びRはH、ここに、pは0若しくは1で、R21はアリール、1~3個の炭素原子のアルキル、含窒素原子複素環基、
【化3】


若しくはCHCHN(CH
はCH=NHR2223であって、R、R及びRはH、ここに、R22及びR23は各々独立してH、1~3個の炭素原子のアルキル、C(=NH)NH、若しくは、含有窒素原子複素環基、あるいは、R22及びR23は一緒になって、-(CH-、-(CHCHOCHCH)-、若しくは、-CHCHN(CH)CHCH-を形成し、但し、R22及びR23は共にはHではあり得ず、かつ双方がアルキルである場合を除いてR22若しくはR23のうち少なくとも一方はH;
(b)Z及びZが一緒になってOを表す場合、XはCOCH、RはOHであって、R、R、R及びRは各々水素を意味する。)

【請求項5】
チロシンキナーゼ抑制剤が、K252aである請求項4記載の治療剤。

【請求項6】
遊離のTrkB又はBDNFとの結合性を有するその断片が、BDNFと結合するTrkBの細胞外ドメインを含むTrkB断片である請求項3記載の治療剤。

【請求項7】
子宮外妊娠が未破裂子宮外妊娠である請求項1~6のいずれか1項に記載の治療剤。

【請求項8】
被験試料の存在下におけるTrkBのキナーゼ活性と、被験試料の非存在下におけるTrkBのキナーゼ活性とを測定し、TrkBのキナーゼ活性を減少させる被験試料を選別することを特徴とする、子宮外妊娠の治療剤のスクリーニング方法。

【請求項9】
次の(a)~(d)の工程を含むことを特徴とする、子宮外妊娠の治療剤のスクリーニング方法:
(a)ヒト由来の胎盤絨毛を、ヒト以外の哺乳動物の腎臓組織に移植したモデル動物を作製する工程;
(b)前記(a)の工程で作製したモデル動物のうち、一匹(又は一集団)のモデル動物には被験試料を投与して飼育し、他の一匹(又は一集団)のモデル動物には被験試料の担体のみを投与して飼育する工程;
(c)前記被験試料を投与したモデル動物の腎臓組織における細胞性栄養膜細胞及び絨毛外性栄養膜細胞と、前記被験試料を投与しなかったモデル動物の腎臓組織における細胞性栄養膜細胞及び絨毛外性栄養膜細胞とを比較する工程;
(d)被験試料を投与したモデル動物の細胞性栄養膜細胞及び絨毛外性栄養膜細胞の方が減少していた場合に、この被験試料を子宮外妊娠の治療剤として選別する工程。

【請求項10】
子宮外妊娠の治療用の脳由来神経栄養因子(BDNF)及び/又は脳由来神経栄養因子受容体(TrkB) の抑制剤。

【請求項11】
有効量の脳由来神経栄養因子(BDNF)及び/又は脳由来神経栄養因子受容体(TrkB) の抑制剤を、子宮外妊娠患者に投与することを含む、子宮外妊娠の治療方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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