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固体の空準位測定方法及び装置 新技術説明会

国内特許コード P150012484
掲載日 2015年10月28日
出願番号 特願2014-502245
出願日 平成25年2月26日(2013.2.26)
国際出願番号 JP2013054952
国際公開番号 WO2013129390
国際出願日 平成25年2月26日(2013.2.26)
国際公開日 平成25年9月6日(2013.9.6)
優先権データ
  • 特願2012-042213 (2012.2.28) JP
発明者
  • 吉田 弘幸
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 固体の空準位測定方法及び装置 新技術説明会
発明の概要 電子線の運動エネルギー(加速エネルギー)を0-5 eVの範囲で順次変化させつつ、その間にそれを照射された有機半導体等の固体試料から放出される180-700 nmの近紫外光・可視光の強度を測定することによりスペクトルを得る。このスペクトルから山を検出し、そのエネルギーを該試料の空準位エネルギーとする。特に、最初の山の立ち上がり箇所のエネルギーがその試料の電子親和エネルギー(電子親和力)を表す。試料に照射する電子線のエネルギーが5 eV以下であるため、有機半導体試料であってもほとんど損傷がない。
従来技術、競合技術の概要


有機半導体デバイスは、安価な薄膜作製が可能であり、また機械的柔軟性を有するなどのユニークな特徴をもち、且つ、有機合成技術により容易に材料そのものの改良が可能であるなど、次世代半導体デバイスとして注目されている。すでに有機発光ダイオード(OLED)を使用したディスプレーが実用化され、フレキシブルディスプレーの駆動デバイスとして有機薄膜トランジスター(OFET)や有機薄膜太陽電池が実用化に向けて研究されている。



このような有機半導体では、正の電荷をもつホールと負の電荷をもつ電子が半導体特性を担っている。これまで、ホール伝導をつかさどる価電子準位については光電子分光法や光収量分光法により正確に調べられてきた。一方、電子伝導準位である空準位については、正確に求める方法がないことから、有機半導体中の電子の挙動については、あまり明らかでなかった。そのようなことから、有機半導体の空準位を精密に測定する手段が必要とされている。



有機半導体の空準位を簡便に測定する方法として、(1) 溶液での電気化学的手法(cyclic voltammetry)により求めた還元電位から、空準位の下端エネルギーである電子親和力を見積もる方法、(2) 光電子分光法によって決定したイオン化エネルギー(HOMO準位上端エネルギーに相当)に光吸収スペクトルから見積もったバンドギャップを足して空準位の下端を見積もるという方法、などが用いられている。



しかし、(1)の電気化学的方法は、溶液中の分子の還元電位が固体での電子親和力と大きく異なることが多く、測定された値は正確なものとは言えない。また、(2)の方法は、光吸収スペクトルから求めたバンドギャップは、エキシトンの影響によりしばしば実際よりも小さくなること、分子系のような電子相関の大きな系では注入・放出した電荷と残る電子との相関が大きく正しい空準位のエネルギーが求まらない、という問題点がある。



一方、空準位を測定する他の方法として、光電子分光法の時間反転過程である逆光電子分光法も知られている。逆光電子分光法は、エネルギーの揃った電子線を試料に照射し、放出される光を検出することで、空準位の状態密度を調べることができる。特に、このスペクトルから、伝導準位の指標である固体の電子親和力を求めることができる。この方法は、原理的には最も信頼できる値を与える方法であると考えられている(非特許文献1~非特許文献4)。

産業上の利用分野


本発明は、半導体や金属等の固体、特に有機半導体の空準位の値を測定するのに有効な方法及び装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
a) 電子線を生成する工程と、
b) 生成された電子線の運動エネルギーを0-5 eVの範囲内で順次変化させ、固体試料に照射する工程と、
c) 前記固体試料から放出される電磁波のうち、180-700 nmの範囲内の所定波長の光の強度を測定する工程と、
d) 電子線の運動エネルギーに対する光強度により生成されるスペクトルより、前記固体試料の空準位エネルギーを決定する工程
を備えることを特徴とする固体の空準位測定方法。

【請求項2】
前記光強度測定工程において、180-700 nmの範囲内に透過域を有するバンドパスフィルターを用いることを特徴とする請求項1に記載の固体の空準位測定方法。

【請求項3】
前記光強度測定工程において、180-700 nmの範囲を波長走査する分光器と出口スリットを用いることを特徴とする請求項1に記載の固体の空準位測定方法。

【請求項4】
a) 電子線を生成する工程と、
b) 生成された電子線を0-5 eVの範囲内の所定のエネルギーで加速し、固体試料に照射する工程と、
c) 前記固体試料から放出される電磁波のうち180-700 nmの範囲内の光を分光し、各波長の強度を測定してスペクトルを生成する工程と、
d) 前記スペクトルより、前記固体試料の空準位エネルギーを決定する工程
を備えることを特徴とする固体の空準位測定方法。

【請求項5】
前記スペクトル生成工程において、分光器と出口スリットと光検出器を用い、分光器の位置(角度)を変化させることにより出口スリットを通過する光の波長を変化させてスペクトルを生成することを特徴とする請求項4に記載の固体の空準位測定方法。

【請求項6】
前記スペクトル生成工程において、試料からの光を分光器で分光し、分光された光をリニアセンサーで波長毎に測定することを特徴とする請求項4に記載の固体の空準位測定方法。

【請求項7】
a) 電子線生成手段と、
b) 電子線生成手段で生成された電子線の運動エネルギーを0-5 eVの範囲内で順次変化させ、固体試料に照射する電子線駆動手段と、
c) 前記固体試料から放出される電磁波のうち、180-700 nmの範囲内の所定波長の光の強度を測定する光強度測定手段と、
d) 電子線の運動エネルギーに対する光強度により生成されるスペクトルより、前記固体試料の空準位エネルギーを決定する空準位決定手段
を備えることを特徴とする固体の空準位測定装置。

【請求項8】
前記光強度測定手段が、180-700 nmの範囲内に透過域を有するバンドパスフィルターと、それを透過する光の強度を測定する光検出器を有することを特徴とする請求項7に記載の固体の空準位測定装置。

【請求項9】
前記光強度測定手段が、180-700 nmの範囲を波長走査する分光器と出口スリットを有することを特徴とする請求項7に記載の固体の空準位測定装置。

【請求項10】
a) 電子線生成手段と、
b) 電子線生成手段で生成された電子線を0-5 eVの範囲内の所定のエネルギーで加速し、固体試料に照射する電子線駆動手段と、
c) 前記固体試料から放出される電磁波のうち180-700 nmの範囲内の光を分光し、各波長の強度を測定してスペクトルを生成するスペクトル生成手段と、
d) 前記スペクトルより、前記固体試料の空準位エネルギーを決定する空準位決定手段
を備えることを特徴とする固体の空準位測定装置。

【請求項11】
前記スペクトル生成手段が、分光器と、その分光器の角度位置を変化させる分光器駆動機構と、出口スリットと、光検出器を備えることを特徴とする請求項10に記載の固体の空準位測定装置。

【請求項12】
前記スペクトル生成手段が、分光器とリニアセンサーを備えることを特徴とする請求項10に記載の固体の空準位測定装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014502245thum.jpg
出願権利状態 公開
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