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ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための組成物、キットおよびその利用

国内特許コード P150012518
整理番号 (12075)
掲載日 2015年11月12日
出願番号 特願2014-001258
公開番号 特開2014-155485
出願日 平成26年1月7日(2014.1.7)
公開日 平成26年8月28日(2014.8.28)
優先権データ
  • 特願2013-004953 (2013.1.15) JP
発明者
  • 黒田 章夫
  • 石田 丈典
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための組成物、キットおよびその利用
発明の概要 【課題】従来のイムノクロマト法よりも高感度にてインフルエンザウイルスを検出しかつ検出されたインフルエンザウイルスがノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるか否かを知ることができる技術を開発する。
【解決手段】ノイラミニダーゼ活性阻害剤をN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼと組み合わせて生体外にて用いることによって、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する技術を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


インフルエンザウイルスはコア蛋白質(核蛋白(NP蛋白)および膜蛋白(M1蛋白))の抗原性に基づき分類され、現在では、インフルエンザA、BおよびCの3つの型があることが明らかになっている。



A型インフルエンザウイルスは、さらに、ウイルス粒子の2種類の表面糖蛋白であるヘマグルチニン(Hemagglutinin(HA)、以下、適宜HAと略記する。)とノイラミニダーゼ(Neuraminidase(NA)、以下、適宜NAと略記する。)との抗原性に基づいて、HAでH1~H16、NAでN1~N9の亜型に分類される。HAは、ヒト等の細胞に吸着および侵入する際に、細胞表面に存在するシアル酸と結合して、インフルエンザウイルス粒子が細胞内に取り込まれるときの重要な役割を果たしている。一方、NAは、ウイルス粒子が感染後期に細胞表面から離れる際にシアル酸を切断する働きを有し、感染性を獲得するのに役立っている。



インフルエンザの確定診断のための技術には、ウイルス分離法、RT-PCR法等が用いられている。しかし、これらの方法は操作が煩雑でありかつ測定に時間を要するので迅速な診断に適していない。迅速かつ簡便な検査法として、ニトロセルロース等のメンブレンを用いたイムノクロマト法が近年用いられるようになっている。この技術は、検出対象に特異的に結合する固相(例えばメンブレン)と、検出対象(ウイルス粒子)と、検出対象に特異的に結合する標識物(標識化した抗体)との複合体を固相上に形成する方法である。検出対象と特異的に結合する抗体に、標識物として、酵素(例えばアルカリフォスファターゼ)、金属コロイド(例えば金コロイド)、着色ラテックス粒子等が結合されている。特許文献1には、イムノクロマト法に基づく技術が開示されており、この技術を用いたキットも市販されている。しかし、従来のイムノクロマト法の診断キットは、特異度が高いものの(98.2%)感度が低い(62.3%)(非特許文献1参照)。



ノイラミニダーゼは、インフルエンザウイルスの増殖過程において、感染細胞からのインフルエンザウイルスの放出に必要である。従って、ノイラミニダーゼを阻害することにより、インフルエンザウイルスの増殖を抑制することができる。インフルエンザウイルスの新しい治療法としてノイラミニダーゼ活性阻害剤が注目されており、これまでにいくつかの化合物が開発されている。これまでに開発された薬剤としては、ザナミビル(商品名リレンザ)、オセルタミビル(商品名タミフル)、ペラミビル(商品名ラピアクタ)、ラニナミビル(登録商標イナビル)などがある。ノイラミニダーゼ活性阻害剤は、呼吸器部位における粘液中のウイルス感染を阻害し、早期治療に有効と考えられている。また、インフルエンザを検出するための、N-アセチルノイラミン酸誘導体を発光試薬として用いる検出法が知られている(特許文献2~4参照)。

産業上の利用分野


本発明は、インフルエンザウイルスを診断および治療する技術に関するものであり、より詳細には、ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルとそれぞれインキュベートする工程;
インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;ならびに
第一の発光量をコントロール発光量と比較する工程
を包含する、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する方法。

【請求項2】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬を、被験体サンプルとインキュベートする工程;
インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量を測定する工程;ならびに
第二の発光量を、前記第一の発光量および前記コントロール発光量と比較する工程
を包含する、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
抗インフルエンザ抗体を、被験体サンプルと接触させる工程;
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルと接触させた抗インフルエンザ抗体を含有する画分と、それぞれインキュベートする工程;
インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;ならびに
第一の発光量をコントロール発光量と比較する工程
を包含する、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する方法。

【請求項4】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬を、前記被験体サンプルと接触させた抗インフルエンザ抗体を含有する画分と、インキュベートする工程;
インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量を測定する工程;ならびに
第二の発光量を、前記第一の発光量および前記コントロール発光量と比較する工程
を包含する、請求項3に記載の方法。

【請求項5】
前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
前記第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、且つ前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤とは異なるものである、請求項2または4に記載の方法。

【請求項7】
前記ルシフェラーゼが、下記〔I〕、〔II〕または〔III〕のアミノ酸配列からなる、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法:
〔I〕配列番号1に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号1に示されるアミノ酸配列において下記(a)、(b)および(c)の少なくとも1つの置換が生じたアミノ酸配列:
(a)423位のイソロイシンの、ロイシン、メチオニンもしくはフェニルアラニンへの置換;
(b)436位のアスパラギン酸の、グリシン、アラニンもしくはセリンへの置換;または
(c)530位のロイシンの、アルギニン、リシンもしくはヒスチジンへの置換、
〔II〕配列番号3に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号3に示されるアミノ酸配列において下記(d)、(e)および(f)の少なくとも1つの置換が生じたアミノ酸配列;
(d)425位のイソロイシンの、ロイシンへの置換;
(e)438位のアスパラギン酸の、グリシンへの置換;または
(f)532位のイソロイシンの、アルギニンへの置換、
〔III〕配列番号5に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号5に示されるアミノ酸配列において下記(g)、(h)および(i)の少なくとも1つの置換が生じたアミノ酸配列;
(g)425位のイソロイシンの、ロイシンへの置換;
(h)438位のアスパラギン酸の、グリシンへの置換;または
(i)532位のイソロイシンの、アルギニンへの置換。

【請求項8】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬と、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬とを備えている、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するためのキット。

【請求項9】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬をさらに備えている、請求項8に記載のキット。

【請求項10】
抗インフルエンザ抗体をさらに備えている、請求項8または9に記載のキット。

【請求項11】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための組成物。

【請求項12】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬、ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルとそれぞれインキュベートする工程;
インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量、インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;ならびに
第一の発光量、第二の発光量及びコントロール発光量をそれぞれ比較する工程
を包含する、インフルエンザウイルスの検出方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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