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EGFR遺伝子の変異検出方法及びキット UPDATE

国内特許コード P150012519
掲載日 2015年11月13日
出願番号 特願2015-098876
公開番号 特開2016-214086
出願日 平成27年5月14日(2015.5.14)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発明者
  • 小宮山 一雄
  • 松本 直行
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 EGFR遺伝子の変異検出方法及びキット UPDATE
発明の概要 【課題】より短時間で簡便にEGFR遺伝子の変異を検出することができる方法及びキットを提供することを目的とする。
【解決手段】被検サンプルのEGFR遺伝子の対象領域に存在する変異を検出する方法であって、前記対象領域のセンス鎖又はアンチセンス鎖の塩基配列を有するペプチド核酸断片の存在下で、対照サンプル及び前記被検サンプルを鋳型として、等温増幅法により、EGFR遺伝子の前記対象領域を含む領域を増幅する工程と、前記対照サンプル及び前記被検サンプルの遺伝子増幅速度を比較し、前記被検サンプルの遺伝子増幅速度が前記対照サンプルの遺伝子増幅速度よりも速かった場合に、前記被検サンプルのEGFR遺伝子の前記対象領域には変異が存在すると判定する工程と、を含む方法及びキット。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


成長因子は細胞の増殖や機能獲得に重要な役割を果たしている。上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor;EGFR)は、EGF、アンフィレギュリン、TGF-α等の成長因子の受容体である。EGFRタンパク質は、細胞外領域、膜貫通領域及び細胞内領域に大別される。細胞内領域にはチロシンリン酸化領域が存在し、腫瘍細胞の分裂や増殖に重要な役割を果たす。



成長因子がEGFRに結合すると、細胞内領域のチロシンキナーゼ部位がリン酸化し、その刺激がJAK/STAT経路、RAS経路及びPI3K/mTOR経路を経て核内に伝達される。正常な細胞と同様に、癌細胞においても成長因子により細胞の機能が調節され、癌細胞の増殖、アポトーシス抑制、血管新生、浸潤・転移が生じることが知られている。



EGFRは近年注目されている分子標的薬のターゲットの1つである。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(一般名「ゲフィチニブ」、商品名「イレッサ(登録商標)」)は、EGFRのリン酸化を阻害するため、成長因子が結合したシグナルが下流へ伝達されなくなり、その機能を低下させる。また、セツキシマブ(商品名「アービタックス(登録商標)」)及びパニツムマブ(商品名「ベクティビックス(登録商標)」)はEGFRに対する抗体であり、EGFRの細胞外領域に結合し、成長因子の結合を阻害するため、EGFRの機能を低下させる。



EGFR遺伝子のコドン746~753の領域は、チロシンリン酸化領域に相当し、肺癌をはじめとする種々の癌で変異が報告されている(例えば、非特許文献1を参照。)。上記の領域に変異がある場合、ゲフィチニブの奏功率が高いことが知られている。一方で、EGFRの下流に存在するK-Rasに変異がある場合、K-Rasが常に活性化された状態となり、抗EGFR抗体薬(セツキシマブ、パニツムマブ等)や、EGFRリン酸化阻害剤(ゲフィチニブ等)の奏功率が低下することが知られている。このようなことから、例えば癌患者の治療方針を決定するための情報の1つとして、EGFR遺伝子の変異を検出する需要がある。

産業上の利用分野


本発明は、EGFR遺伝子の変異検出方法及びキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検サンプルのEGFR遺伝子の対象領域に存在する変異を検出する方法であって、
前記対象領域のセンス鎖又はアンチセンス鎖の塩基配列を有するペプチド核酸断片の存在下又は非存在下で、前記被検サンプルを鋳型として、等温増幅法により、EGFR遺伝子の前記対象領域を含む領域を増幅する工程と、
前記ペプチド核酸断片の存在下及び非存在下の遺伝子増幅速度を比較し、前記ペプチド核酸の存在下での遺伝子増幅速度と前記ペプチド核酸の非存在下での遺伝子増幅速度とが実質的に変わらなかった場合に、前記被検サンプルのEGFR遺伝子の前記対象領域には変異が存在すると判定する工程と、
を含む方法。

【請求項2】
被検サンプルのEGFR遺伝子の対象領域に存在する変異を検出する方法であって、
前記対象領域のセンス鎖又はアンチセンス鎖の塩基配列を有するペプチド核酸断片の存在下で、対照サンプル及び前記被検サンプルを鋳型として、等温増幅法により、EGFR遺伝子の前記対象領域を含む領域を増幅する工程と、
前記対照サンプル及び前記被検サンプルの遺伝子増幅速度を比較し、前記被検サンプルの遺伝子増幅速度が前記対照サンプルの遺伝子増幅速度よりも速かった場合に、前記被検サンプルのEGFR遺伝子の前記対象領域には変異が存在すると判定する工程と、
を含む方法。

【請求項3】
前記被検サンプル又は前記対照サンプルは、細胞又は組織をリン酸緩衝液中で煮沸後遠心分離して回収された上清である、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記対象領域がEGFR遺伝子のコドン746~753の領域である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
前記ペプチド核酸断片が配列番号1に記載の塩基配列又は配列番号1に記載の塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記等温増幅法が、配列番号2に記載の塩基配列からなるプライマー、配列番号3に記載の塩基配列からなるプライマー、配列番号4に記載の塩基配列からなるプライマー及び配列番号5に記載の塩基配列からなるプライマーを用いて行われる、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
前記等温増幅法が、配列番号6に記載の塩基配列からなるプライマー及び配列番号7に記載の塩基配列からなるプライマーを更に用いて行われる、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
前記等温増幅法がLAMP法である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
配列番号1に記載の塩基配列又は配列番号1に記載の塩基配列に相補的な塩基配列を有するペプチド核酸断片、配列番号2に記載の塩基配列からなるプライマー、配列番号3に記載の塩基配列からなるプライマー、配列番号4に記載の塩基配列からなるプライマー及び配列番号5に記載の塩基配列からなるプライマーを含む、EGFR遺伝子の変異検出キット。

【請求項9】
配列番号6に記載の塩基配列からなるプライマー及び配列番号7に記載の塩基配列からなるプライマーを更に含む、請求項8に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
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