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液体有機半導体材料

国内特許コード P150012522
整理番号 AF12P023-1
掲載日 2015年11月19日
出願番号 特願2015-001837
公開番号 特開2015-099155
登録番号 特許第5913644号
出願日 平成27年1月7日(2015.1.7)
公開日 平成27年5月28日(2015.5.28)
登録日 平成28年4月8日(2016.4.8)
優先権データ
  • 特願2009-214717 (2009.9.16) JP
発明者
  • 半那 純一
  • 徳永 圭治
  • 飯野 裕明
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 液体有機半導体材料
発明の概要 【課題】少なくとも一つの芳香族共役π―電子系を構造に有する有機物質をTime-of-flight法による電荷輸輸送特性の評価と希釈剤を添加した際の希釈効果の評価から電子伝導性を確認することにより、有機物の液体相における有機半導体としての利用を可能にする方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの芳香族共役π―電子系を構造に有する有機物質を選択し、精製による純度の向上とTime-of-flight法による伝導機構の確認を行うことにより、有機物の液体相を有機半導体として利用可能にする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


有機半導体材料は、光センサ、有機感光、有機EL、有機トランジスタ、有機太陽電池、有機半導体メモリ等に使用可能な材料である。有機半導体材料としては、従来より、有機半導体物質を真空蒸着や溶液による塗布により基板の上に作製した非晶質薄膜や多結晶薄膜、高分子材料等に有機半導体物質を分散させ基板上に形成した薄膜材料、あるいは、有機半導体物質の単結晶等の材料(すなわち、デバイスの駆動温度領域において固体である材料)が用いられている。これは、有機電子デバイスを作成するためには、有機半導体の示す電子伝導性を利用して、素子としての機能を実現することが必要だからである。このような観点から、従来から電子伝導性が実現できると考えられて来た材料である、アモルファスや多結晶、あるいは、単結晶等を用いる必要があると考えられていた。



一方、近年において、一般の液体物質に比べて粘性の高い分子配向をもつ液晶物質のネマティック相、スメクティック相、あるいは、カラムナー相等において電子伝導が見出され、有機半導体材料として用いることができることが知られるようになり、有機電子デバイスへの応用が検討されるようになった。



他方、これまで、低分子の非液晶性の有機物の等方相(液体相)における伝導については、一般に粘性が低いため、イオン伝導性と考えられており、電子伝導を確認した例は、きわめて特殊な系でのみ報告されている。一つは、メタンやエタン等の炭化水素に高エネルギーの電子線、X線、短波長の光照射により生成した高エネルギー電子の伝導をtime-of-flight法等により確認した例(IEEE Transaction on Elecrical Insulation vol.EI-19,No.5 390-418)がある。



この伝導は、生成した高エネルギー電子そのものが分子に弱く拘束された自由電子に近い伝導であると考えられており、移動度も一般の有機固体中の移動度よりも極めて大きく、数十cm2/Vsを超えるものも知られている。また、液晶物質の中でも、粘性の高いディスコティック液晶の一つであるフタロシアニン液晶の等方相においては、飛行時間(time-of-flight)法により、電子伝導性の伝導が確認されている。(第54回応用物理学関係連合講演会(2007年)講演予稿集、第1333頁)しかしながら、非高分子性の棒状液晶物質や非液晶性物質の液体相(等方相)においては、伝導は現在でもイオン伝導と考えられており、電子伝導を実験的に確認した例はない。したがって、これまで、これらの物質において電子伝導は確認されていない。



一般的に、いわゆる液体、つまり、等方相的な液体状態においては、従来、伝導はイオン伝導によるものと考えられていた。すなわち、有機物の液体状態では電子性伝導を利用した有機電子デバイスは実現できないと考えられてきた。換言すれば、従来技術においては、有機電子デバイスに用いる有機半導体材料は、電子伝導を利用して素子の機能を実現するため、デバイスの駆動温度領域において、従来、電子伝導が確認されているアモルファス固体あるいは結晶、あるいは、液晶物質の液晶相を用いる必要があった。

産業上の利用分野


本発明は、電子性伝導を示す有機材料に関する。本発明の液体有機半導体材料は、極めて広範囲の分野に適用が可能であり、例えば、光センサ、有機EL、有機トランジスタ、有機太陽電池や有機半導体メモリ等の有機電子デバイスの新しい製造方法や新しい形態の実現を可能とする。

特許請求の範囲 【請求項1】
a)測定すべき有機物質を一対の電極間に配置し
(b)前記有機物質に電荷を注入して、該有機物質の等方的な液体相における過渡電流をTime-of-flight法により測定し、
(c)前記過渡電流を、電子伝導による電流とイオン伝導による電流に分離し、
(d)前記分離された各電流に対応する電荷量を測定する工程を含む、有機物質の特性を測定する方法であって;
前記分離された各電流に対応する電荷量測定に基づき、前記有機物質の純度を評価する方法

【請求項2】
パルス状の電圧またはパルス状の光を前記有機物質に与えることにより、該有機物質に電荷を注入する請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記有機物質が、電子および/又はホール伝導を示す程度に精製された有機物質である請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。

【請求項4】
前記有機物質が有機半導体材料であり、前記分離された各電流に対応する電荷量測定に基づき、該半導体材料の半導体特性を評価する請求項1~のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
前記半導体特性が、該半導体材料の電子材料としての純度(電子的なトラップとなりうる物質の相対的な濃度)である請求項に記載の方法。

【請求項6】
前記半導体特性が移動度であり、測定された移動度の値に基づき、該有機半導体材料における伝導が、電子伝導および/又はイオン伝導のいずれであるかを区別する請求項に記載の方法。

【請求項7】
前記移動度の測定値が10-3cm/Vsの場合に、該測定値に基づき、前記有機半導体材料における伝導を「電子伝導」として評価する請求項に記載の方法。

【請求項8】
前記移動度の値の希釈による粘性、または対象有機物質の平均分子間距離の希釈に伴う変化を利用して、電子伝導とイオン伝導を区別する請求項またはのいずれか1項に記載の方法。

【請求項9】
前記有機物質におけるHOMO、LUMO準位に対して、電子的にトラップとならないHOMO、LUMO準位を有する物質を希釈剤に用いる請求項に記載の方法。

【請求項10】
前記有機物質が、混合物である請求項1~のいずれか1項に記載の方法。

【請求項11】
前記有機物質が、溶液の状態にある請求項1に記載の方法。

【請求項12】
前記一対の電極が、それぞれ一対の基板上に配置され、且つ、前記有機物質に電荷を注入するための電荷注入手段が配置されている請求項1~1のいずれか1項に記載の方法。

【請求項13】
前記一対の基板と、一対の電極と、電荷注入手段とが、電子伝導および/又はイオン伝導測定用のセルを形成する請求項1に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST ナノ科学を基盤とした革新的製造技術の創成 領域
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