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信号再生装置及び信号再生方法

国内特許コード P150012525
整理番号 S2012-0233-N0
掲載日 2015年11月19日
出願番号 特願2011-282505
公開番号 特開2013-135244
登録番号 特許第5900848号
出願日 平成23年12月23日(2011.12.23)
公開日 平成25年7月8日(2013.7.8)
登録日 平成28年3月18日(2016.3.18)
発明者
  • 田所 幸浩
  • 一木 輝久
  • 葛西 誠也
出願人
  • 株式会社豊田中央研究所
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 信号再生装置及び信号再生方法
発明の概要 【課題】独立したN個の雑音源を必要せず、雑音をN個の入力信号に印加することなく、入力信号に含まれる微弱信号を精度良く再現するようにすること。
【解決手段】伝達情報である微弱信号に雑音が重畳した入力信号を、確率共鳴現象により、該微弱信号を再生する信号再生装置である。N個(Nは2以上の自然数)の分岐線路L1 ~LN に分岐されたN個の受信信号Rを入力して、非線形出力信号NLO1 ~NLON を出力する非線形素子NL1 ~NLN と、それぞれの非線形出力信号を、それぞれ異なる時間だけ遅延させるN個の遅延素子D1 ~DN と、遅延素子D1 ~DN の出力する遅延信号DS1 ~DSn を合成する合成器10とを有する。各非線形出力信号を遅延させた各遅延信号DS1 ~DSn に含まれる雑音成分間の相関は極めて小さく、微弱信号の相関は大きい。遅延合成信号DAにおいはて雑音成分が除去され、微弱信号が増幅されたものとなる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


下記の非特許文献1において、微弱信号をN個の複数の信号に分配し、それぞれの信号に独立した雑音を加えて、非線形素子に入力して、N個の非線形素子の出力を合成することで微弱信号を再生することが知られている。この方法は、雑音に埋没した微弱信号は、閾値特性を持つ閾値応答素子に入力すると、微弱信号が存在する期間には閾値を越える確率が高くなるということを利用して、微弱信号を再生する方法である。閾値応答素子の出力は、微弱信号が存在する期間には閾値を越える確率が高くなるという現象は、確率共鳴、又は、確率共振と言われている。



非線形素子を1個だけ用いた場合には、微弱信号の存在する期間において、入力信号が閾値を越える確率が高くなり、微弱信号が存在しない期間には閾値を越える確率が低くなることが、微弱信号の再生にとって重要となる。したがって、閾値、微弱信号レベル、雑音レベルが適切な関係にある場合に、信号の検出精度が高くなる。また、最大の検出精度を得るためには最適な雑音レベルが存在する。



非特許文献1の方法は、多数の非線形素子の出力を合成することで、雑音レベルに依存することなく、微弱信号の検出精度を高くしている。すなわち、雑音レベルが高くなると、各閾値応答素子の出力は、微弱信号が存在する期間も微弱信号が存在しない期間も、閾値を越える確率が高くなる。ところが、入力信号が雑音レベルにより閾値を越える場合には、重畳するN個の雑音が独立したものであることから、N個の閾値応答素子において、入力信号が閾値を越える位相はランダムとなる。一方、入力信号が微弱信号の存在により閾値を越える場合には、N個の入力信号に含まれる微弱信号は同相となるので、閾値応答素子の出力も同相となる。この結果、N個の閾値応答素子の出力を1つの信号に合成すると、微弱信号の存在期間に出力レベルが高くなり、微弱信号が存在しない期間には出力レベルは低くなる。非特許文献1は、このような原理により、雑音レベルに係わらず、微弱信号の再生精度を向上させるものである。



また、特許文献1において、非特許文献1による微弱信号にそれぞれ独立した雑音を重畳させたN個の入力信号を非線形素子に入力して、それぞれの非線形素子の出力を1つの信号に合成する方法を実現する装置において、非線形素子を電界効果トランジスタとして、サブスレショルド領域で動作させるようにした装置が知られている。



また、特許文献2においては、一つの非線形素子を用いた確率共鳴現象を利用してS/N比を改善する回路において、非線形特性とS/N比との関係が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、微弱信号に雑音が重畳した入力信号から、確率共鳴現象を用いて、微弱信号を再生する信号再生装置及び信号再生方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
伝達情報である微弱信号に雑音が重畳した入力信号を、確率共鳴現象により、該微弱信号を再生する信号再生装置において、
非線形素子と、
前記入力信号に対する前記非線形素子の時間を変数として変化する出力信号の補間を行う補間装置と、
を有し、
前記補間装置は、
N個(Nは2以上の自然数)の分岐線路と、
該分岐線路により分岐されたN個の信号に対して、それぞれ異なる時間だけ遅延させるN個の遅延素子と、
前記N個の分岐線路において、少なくともそれぞれの前記遅延素子を通過した信号を一つの信号に合成する合成器と
を有することを特徴とする信号再生装置。

【請求項2】
前記入力信号がN個の前記分岐線路に分岐され、前記非線形素子はN個存在し、それぞれの非線形素子は、それぞれの前記分岐線路に設けられ、分岐されたそれぞれの入力信号を入力し、それぞれの非線形素子の出力信号を、それぞれの前記遅延素子に入力させ、前記合成器は、それぞれの前記遅延素子の出力信号を合成する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号再生装置。

【請求項3】
前記入力信号がN個の前記分岐線路に分岐され、それぞれの前記遅延素子は、分岐されたそれぞれの入力信号を入力し、前記非線形素子はN個存在し、それぞれの非線形素子は、それぞれの前記分岐線路に設けられ、それぞれの前記遅延素子の出力信号を、それぞれの非線形素子に入力させ、前記合成器は、それぞれの前記非線形素子の出力信号を合成する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号再生装置。

【請求項4】
前記非線形素子は前記入力信号を入力し、前記非線形素子の出力信号が、N個の前記分岐線路に分岐され、それぞれの分岐された信号がそれぞれの前記遅延素子に入力し、前記合成器は、それぞれの前記遅延素子の出力信号を合成する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号再生装置。

【請求項5】
前記入力信号を入力する側から、前記非線形素子、前記遅延素子の順で接続された第1線路と、前記入力信号を入力する側から、前記遅延素子、前記非線形素子の順で接続された第2線路とが混在し、
前記合成器は、前記非線形素子及び前記遅延素子のうち後段に位置する素子の出力信号を合成することを特徴とする請求項1に記載の信号再生装置。

【請求項6】
前記第1線路における非線形素子は1個であって、その非線形素子の出力信号が複数に分岐された後に前記第1線路における前記各遅延素子に入力していることを特徴とする請求項5に記載の信号再生装置。

【請求項7】
それぞれの前記非線形素子は、その特性の不均一性により出力に異なる遅延を生じ、それぞれの前記遅延素子を兼ねる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の信号再生装置。

【請求項8】
それぞれの前記遅延素子の遅延時間は、公差Δtの等差数列で与えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の信号再生装置。

【請求項9】
N個の遅延素子における遅延時間の差のうち最小遅延時間差は、前記微弱信号に重畳されている前記雑音の相関時間よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の信号再生装置。

【請求項10】
前記微弱信号の再生すべき最大周波数をfとする時、N個の遅延素子における遅延時間の差うち最大遅延時間差は1/(2f)以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の信号再生装置。

【請求項11】
前記微弱信号の再生単位となる時間幅をTとする時、N個の遅延素子における遅延時間の差うち最大遅延時間差はT以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の信号再生装置。

【請求項12】
伝達情報である微弱信号に雑音が重畳した入力信号を、確率共鳴現象により、前記微弱信号を再生する信号再生方法において、
非線形の入出力特性により、前記入力信号に対する非線形出力信号を得て、時間を変数として変化する該非線形出力信号の補間を行うことにより前記微弱信号を再生する信号再生方法であって、
前記補間は、前記入力信号にして、N個(Nは2以上の自然数)の異なる遅延時間だけ遅延されたN個の非線形出力信号を生成した後一つの信号に合成することにより行う
ことを特徴とする信号再生方法。

【請求項13】
N個の前記遅延時間の差のうち最小遅延時間差は、前記入力信号に重畳されている前記雑音の相関時間よりも大きいことを特徴とする請求項12に記載の信号再生方法。

【請求項14】
前記微弱信号の再生すべき最大周波数をfとする時、N個の前記遅延時間の差うち最大遅延時間差は1/(2f)以下であることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の信号再生方法。

【請求項15】
前記微弱信号の再生単位となる時間幅をTとする時、N個の前記遅延時間の差うち最大遅延時間差はT以下であることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の信号再生方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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