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熱音響機関

国内特許コード P150012536
整理番号 (S2012-0190-N0)
掲載日 2015年11月19日
出願番号 特願2013-548217
登録番号 特許第5970737号
出願日 平成24年11月30日(2012.11.30)
登録日 平成28年7月22日(2016.7.22)
国際出願番号 JP2012081193
国際公開番号 WO2013084830
国際出願日 平成24年11月30日(2012.11.30)
国際公開日 平成25年6月13日(2013.6.13)
優先権データ
  • 特願2011-266181 (2011.12.5) JP
発明者
  • 長谷川 真也
  • 押野谷 康雄
  • 山口 剛史
  • 金子 知弘
出願人
  • 学校法人東海大学
発明の名称 熱音響機関
発明の概要 全体として環状に形成された複数の共鳴管(10)と、複数の共鳴管(10)を連結する複数の原動機(20)と、共鳴管(10)に連通して一端が接続された枝管(11)とを有し、原動機(20)は、蓄熱器(21)と、蓄熱器(21)の一端部(高温部21b)を加熱する加熱器(22)と、蓄熱器(21)の他端部(常温部21a)の熱を外部に放出する冷却器(23)とを備え、蓄熱器(21)の両端部間に温度勾配を形成させて作動気体の自励振動を発生させる熱音響機関(1)であって、加熱器(22)に連結する共鳴管(10)の流路断面積は、冷却器(23)に連結する共鳴管(10)の流路断面積に対し、自励振動による仕事流Wの増幅率と同じか、それの±30%の範囲内にある増幅率で拡大したものであり、蓄熱器(21)の流路断面積は、冷却器(23)に連結する共鳴管(10)の流路断面積の4~36倍であることを特徴とする。
従来技術、競合技術の概要


近年、地球温暖化やエネルギ問題が深刻化してきている。工場や車両において発生する膨大な廃熱や、太陽光エネルギを高効率で回収することが可能であれば、地球温暖化やエネルギ問題を解決するための切り札となる。そこで、これらのエネルギを回収し、動力化するために、熱音響機関に関する研究が活発に行われている。



熱音響機関は、管内に生じる自励振動を利用したものである。すなわち、管内に狭い流路の束(以下、蓄熱器と称する)を設置し、蓄熱器両端の温度比をある臨界値以上にすると、管内の流体が自励振動を起こす。この作用は熱力学的には可動部品の無い原動機とみなすことができ、この作用を用いたものが熱音響機関である(例えば、特許文献1、2参照)。熱音響機関はスターリングサイクルで駆動する外燃機関であるために、太陽光や工業廃熱等、あらゆる熱源から高効率で仕事を取り出せる可能性がある。また音波を利用して熱交換するシンプルな構成である為に、通常のスターリングエンジンと違い、ピストン、タービン等の可動部品を全く必要とせず、安価、長寿命、メンテナンスフリーという利点を有する。



ここで、近年において実用化を目指して研究が行われている代表的な熱音響機関(例えば、非特許文献1参照)の構成を図10に示す。図10(a)に示す熱音響発電機500は、ループ管100と共鳴管111とを備える。そして、ループ管100内には、原動機200を構成する、蓄熱器210、加熱器220および冷却器230を備え、共鳴管111の先端には発電機(リニア発電機)300を備える。熱音響発電機500においては、蓄熱器210に温度勾配を与えると、音波である自励振動(すなわち熱音響自励振動)が励起され、この音波の振動エネルギ(すなわち音響エネルギ)Eをリニア発電機300で電力に変換する。熱音響発電機500は廃熱利用発電機やソーラーパネルを超える高効率太陽光発電機としての利用が想定されている。



一方、冷房や保冷庫、極低温を生成する装置として図10(b)に示す熱音響冷凍機600(例えば、非特許文献2参照)の研究も活発に行われている。熱音響冷凍機600は、2つのループ管100,120と共鳴管111とを備える。そしてループ管100内には、原動機200を構成する、蓄熱器210、加熱器220および冷却器230を備え、ループ管120内には、冷凍機400を構成する、冷凍用蓄熱器410、冷気放出器420および冷凍用冷却器430を備える。熱音響冷凍機600では、一方のループ管100内に設置した蓄熱器210に温度勾配を与えると自励振動が励起される。この自励振動による音響エネルギEは、共鳴管111を通じてもう一方のループ管120に流れ込み、逆スターリングサイクルを実行することで冷凍用蓄熱器410を冷凍作動させる。このような管内音波である自励振動を使って低温生成を行う熱音響冷凍機600には、パルス管冷凍機を超えるポテンシャルがある。



以上に代表される熱音響機関は、現在、熱回収や次世代エネルギ利用の観点から多くの企業で研究が行われている。しかしながら、21世紀に入り本格的な研究が始められた新しい分野であるために、未だ基盤技術が確立されていない現状がある。
ここで、一般的に試みられている熱音響機関の動作温度は500℃程度であり(非特許文献3参照)、現実の自動車や工場からの廃熱温度(100℃~300℃程度)と比較して格段に高温である。そこで、熱音響機関の動作温度を低下させる試みとしては、近年、蓄熱器を多段直列配置することで、各蓄熱器で仕事流Wの累乗増幅を実現する「多段熱音響機関」が提案されている(非特許文献4参照)。

産業上の利用分野


本発明は、作動気体の自励振動を発生させる熱音響機関に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
作動気体が封入され、全体として環状に形成された複数の共鳴管と、前記複数の共鳴管を連結する複数の原動機と、前記複数の共鳴管のうち、環状を形成するループの始点と終点との交点から、前記共鳴管に連通して一端が接続された枝管とを有し、
前記原動機は、前記作動気体を加熱および冷却する蓄熱器と、前記蓄熱器の一端側に隣接して前記蓄熱器の一端部を加熱する加熱器と、前記蓄熱器の他端側に隣接して前記蓄熱器の他端部の熱を外部に放出する冷却器とを備え、前記蓄熱器の両端部間に温度勾配を形成させて前記作動気体の自励振動を発生させる熱音響機関であって、
前記各加熱器に連結する共鳴管の流路断面積は、当該加熱器を備える原動機の冷却器に連結する共鳴管の流路断面積に対し、前記自励振動による仕事流の増幅率と同じ、あるいはそれの±30%の範囲内にある増幅率で拡大したものであり、
前記蓄熱器の流路断面積は、当該蓄熱器を備える原動機の冷却器に連結する共鳴管の流路断面積の4~36倍であることを特徴とする熱音響機関。

【請求項2】
さらに、前記枝管の他端に接続され、前記枝管に連通して、前記作動気体に発生する自励振動に応動して発電を行なう発電機を備えることを特徴とする請求項1に記載の熱音響機関。

【請求項3】
さらに、前記枝管の他端に連通して接続された環状の冷凍用ループ管を有し、前記冷凍用ループ管の管路に設けられ、前記作動気体を冷却する冷凍用蓄熱器と、前記冷凍用蓄熱器の前記自励振動が伝わる一端側に隣接して前記冷凍用ループ管の管路に設けられ、前記冷凍用蓄熱器の一端部の熱を外部に放出する冷凍用冷却器と、前記冷凍用蓄熱器の他端側に隣接して前記冷凍用ループ管の管路に設けられ、前記冷凍用蓄熱器の他端部に発生する冷気を外部に放出する冷気放出器と、備えることを特徴とする請求項1に記載の熱音響機関。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 登録
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