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スピン発振装置及びその製造方法

国内特許コード P150012547
整理番号 (S2012-0068-N0)
掲載日 2015年11月19日
出願番号 特願2013-541823
出願日 平成24年10月31日(2012.10.31)
国際出願番号 JP2012078199
国際公開番号 WO2013065751
国際出願日 平成24年10月31日(2012.10.31)
国際公開日 平成25年5月10日(2013.5.10)
優先権データ
  • 特願2011-238731 (2011.10.31) JP
発明者
  • 中田 一紀
  • 家形 諭
  • 木村 崇
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 スピン発振装置及びその製造方法
発明の概要 複数のスピン発振素子に共通のノイズを付加して位相を同期させるスピン発振装置を提供する。非磁性体からなる非磁性層が強磁性体からなる2つの強磁性層で狭持され、前記非磁性層及び前記強磁性層に通電される電流により、スピントルクを作用させて磁化を自励発振する複数のスピン発振素子11からなるスピン発振素子群12と、複数のスピン発振素子11に共通して、当該スピン発振素子11の発振周波数よりも高い周波数のノイズを加えるノイズ付加手段13とを備える。また、スピン発振素子11の磁化の歳差運動の軌道が、微小な曲率となるような変曲点を有するように、物性、電流及び磁場により制御する。
選択図 図1
従来技術、競合技術の概要


非磁性体からなる非磁性層を強磁性体からなる2つの強磁性層(固定層と自由層)で狭持し、強磁性層間に直流電流を通電すると同時に磁場を加えることで、自由層の磁化Mを回転させて自励でマイクロ波を発振するスピントルク発振器(ST(N)O:Spin-Torque (Nano) Oscillator)が提案されている(図11を参照)。このSTNOは、非常に微小(<1μm)で単純な構造であるが、高出力ができないため、高出力が可能なスピン発振素子の開発が望まれている。



STNOの出力を上げるための一つの手法として、例えば、特許文献1に示すように、STNOを複数併設して全体の出力を上げる技術が開示されている。特許文献1に示す技術は、第1の電極と、磁化方向が固定された磁化固定層と、中間層と、磁化方向を変化させることのできる磁化自由層と、第2の電極とが、この順に積層されて構成されるマイクロ波発振素子において、前記磁化自由層もしくは前記第2の電極のどちらか一方がナノ粒子からなっており、これらが併設された構造が開示されている。



しかしながら、特許文献1のように複数の発振素子を併設(格子化)した場合、各素子の固有の振動数に差があると、それに起因して位相差が拡散してしまう(位相雑音が大きくなる)という問題がある。そこで、位相同期を促進する機構が望まれている。



複数の発振素子の位相を同期させる技術として、例えば、特許文献2に示す技術が開示されている。特許文献2に示す技術は、高周波の発振を行うスピンバルブ素子においてインピーダンスマッチングを実現するため、絶縁体または非磁性体からなる中間層を一対の強磁性層により挟持した磁性素子を複数含む並列または直列磁性素子群を、さらに直列または並列につないでスピンバルブ素子を得て、並列と直列とを組み合わせて接続する磁性素子群を用いることにより、スピンバルブ素子のインピーダンスを所望の値にマッチングさせることができ、さらに多孔質膜を利用してスピンバルブ素子を作製することにより、高度なリソグラフィー法を用いることなく、個々の磁性素子に単磁区構造を実現することができるものである。



一方、雑音誘起位相同期と呼ばれる現象が知られている。これはノイズにより振動の位相が同期する現象であり、例えば、非特許文献1に示すように、複数のCMOS発振器に共通のパルス電流列を与えることで、位相が同期することが開示されている。



また、発明者らにより、2つのSTNOに白色雑音を付加することで、それらの発振が同期する現象が開示されている(非特許文献2を参照)。

産業上の利用分野


本発明は、スピントルクにより磁化を自励発振する複数のスピン発振素子を用いたスピン発振装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
非磁性体からなる非磁性層が、強磁性体からなる固定層及び自由層の2つの強磁性層で狭持され、前記非磁性層及び前記強磁性層に通電される電流により、スピントルクを作用させて磁化を自励発振する複数のスピン発振素子と、
前記複数のスピン発振素子に共通して、当該スピン発振素子の発振周波数よりも高い周波数帯域のノイズを加えるノイズ付加手段と、
前記スピン発振素子の前記自由層における磁化の状態及び前記ノイズ付加手段が付加するノイズの状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とするスピン発振装置。

【請求項2】
請求項1に記載のスピン発振素子において、
前記制御手段が、
前記スピン発振素子が振動する際の前記自由層における磁化ベクトルの歳差運動の軌道を、前記固定層における磁化ベクトルに対して面直方向の軸を跨がない軌道に制御することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項3】
請求項2に記載のスピン発振装置において、
前記制御手段が、
前記磁化の歳差運動の軌道を、変曲点を有する軌道に制御することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項4】
請求項3に記載のスピン発振装置において、
前記制御手段が、
前記変曲点近傍での曲率を基本周波数成分に対する高調波成分の比率に基づいて、制御することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項5】
請求項3又は4に記載のスピン発振装置において、
前記制御手段が、
前記変曲点の特徴を、前記スピン発振素子の電流に関するパラメータ及び/又は磁場に関するパラメータにより決定することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項6】
請求項5に記載のスピン発振装置において、
前記制御手段が、
前記変曲点近傍での曲率が、前記スピン発振素子が逆相の信号を出力する確率が所定の値以下となるように、前記各パラメータ及びノイズの状態を調整することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項7】
請求項6に記載のスピン発振装置において、
前記制御手段が、
前記パラメータ及びノイズの状態を、位相縮約法から導出される位相応答に基づいて得られる前記パラメータ及びノイズの状態に調整することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のスピン発振装置において、
前記ノイズ付加手段が、前記複数のスピン発振素子を有し、当該複数のスピン発振素子の固有の発振周波数の出力総和を前記ノイズとして付加することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項9】
請求項1ないし7のいずれかに記載のスピン発振装置において、
前記ノイズ付加手段が、電流変動、磁場変動、熱電流変換素子、光電素子及び/又は圧電素子によりノイズを付加することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項10】
請求項1に記載のスピン発振装置において、
前記制御手段が、
前記スピン発振素子の前記自由層における磁化の初期状態を、前記磁化の磁化ベクトルの方向が揃うように制御することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項11】
非磁性体からなる非磁性層が、強磁性体からなる固定層及び自由層の2つの強磁性層で狭持され、前記非磁性層及び前記強磁性層に通電される電流により、スピントルクを作用させて磁化を自励発振する複数のスピン発振素子と、
前記複数のスピン発振素子に共通して、当該スピン発振素子の発振周波数よりも高い周波数帯域のノイズを加えるノイズ付加手段とを備え、
前記ノイズ付加手段が、前記複数のスピン発振素子を有し、当該複数のスピン発振素子の固有の発振周波数の出力総和を前記ノイズとして付加することを特徴とするスピン発振装置。

【請求項12】
非磁性体からなる非磁性層が、強磁性体からなる固定層及び自由層の2つの強磁性層で狭持され、前記非磁性層及び前記強磁性層に通電される電流により、スピントルクを作用させて磁化を自励発振する複数のスピン発振素子と、前記複数のスピン発振素子に共通して、当該スピン発振素子の発振周波数よりも高い周波数帯域のノイズを加えるノイズ付加手段とを備えるスピン発振装置の製造方法であって、
前記スピン発振素子の物性に関するパラメータを少なくとも含む特性パラメータ、及び、前記ノイズ付加手段のノイズ特性を、位相縮約法から導出される位相応答に基づいて得られる結果に応じて特定して決定するステップを含むことを特徴とするスピン発振装置の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013541823thum.jpg
出願権利状態 公開
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