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新規ペプチド複合体、そのハイブリッド複合体およびその用途

国内特許コード P150012557
整理番号 (S2012-0062-N0)
掲載日 2015年11月19日
出願番号 特願2013-540731
出願日 平成24年10月16日(2012.10.16)
国際出願番号 JP2012076654
国際公開番号 WO2013061818
国際出願日 平成24年10月16日(2012.10.16)
国際公開日 平成25年5月2日(2013.5.2)
優先権データ
  • 特願2011-233812 (2011.10.25) JP
発明者
  • 北松 瑞生
  • 道上 宏之
  • 王 飛霏
  • 中島 真実
  • 大槻 高史
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 新規ペプチド複合体、そのハイブリッド複合体およびその用途
発明の概要 本発明は、タンパク質を被運搬物質とする場合であっても、そのタンパク質の種類に大きく左右されることなく効率的に細胞内に導入することができ、またタンパク質が細胞内に導入された後に所期の機能が阻害されることなく発揮でき、しかも生体への影響が懸念される金属を用いない、被運搬物質を細胞内に送達するための手段を提供する。本発明に係るペプチド複合体[A]は、配列番号1:N'-EYQALKKKVAQLKAKNQALKKKVAQLKHK-C'のアミノ酸配列からなるロイシンジッパーペプチド[LZ(K)]等または配列番号2:N'-EYQALEKEVAQLEAENQALEKEVAQLEHE-C'のアミノ酸配列からなるロイシンジッパーペプチド[LZ(E)]等と、これに連結された細胞内侵入ペプチド[CPP]とを含むことを特徴とする。
従来技術、競合技術の概要


従来、所望のタンパク質を細胞内に運搬するための技術として、当該タンパク質に細胞内侵入ペプチド(cell-penetrating peptide; CPP)を導入する技術が一般的に広く用いられている。



しかしながら、上記の技術に用いられるCPP融合化タンパク質は、CPPが連結される対象となるタンパク質の種類によって作製効率が著しく変動し、ほとんど作製することができない場合がある。また、CPP融合化タンパク質が細胞内に導入された後、CPPがタンパク質の機能を阻害する場合がある(CPPは一般的に正に荷電していることが多く、これが負に荷電している核酸等の生体物質と相互作用することにより悪影響がもたらされている可能性がある)。



このような問題に対処するための技術として、Dowdyらのグループによる非特許文献1には、目的とするタンパク質に6つのヒスチジン(いわゆるヒスチジンタグ)を導入し、これを金属配位子で修飾されたCPPに当該金属(ニッケル)を介して(共有結合を用いずに)連結することによって、細胞内運搬能を与えるという方法が記載されている。



この非特許文献1に記載された技術は、タンパク質精製において一般的に広く使用されるヒスチジンタグを細胞内運搬能を与えるタグとして利用しているが、金属を用いる点で、本格的な治療を目的とした細胞内運搬技術、いわゆるドラッグデリバリーシステム(DDS)に適用する上では不安が残る。



一方、Bosshardらのグループによる非特許文献2~5には、天然型のロイシンジッパーペプチドに基づいて人工的に開発された、変異型のロイシンジッパーペプチドが開示されている。ロイシンジッパー(コイルドコイル)は、DNA結合性の転写因子等の二量体形成ドメインに見られるモチーフである。二量体を形成するそれぞれのペプチドには7アミノ酸残基の繰り返しによるαヘリックスが含まれており、その4番目(d)の位置にロイシンが配列し、それらの疎水性アミノ酸残基の相互作用により二量体が形成されるという特徴がある。上記非特許文献に開示された変異型のロイシンジッパーペプチドは、アミノ酸配列中の所定の位置にさらに塩基性アミノ酸(リジン)または酸性アミノ酸(グルタミン酸)を含むように設計され、天然型のロイシンジッパーペプチドよりも結合安定性が向上したものとなっている。



しかしながら、非特許文献2~5に開示された変異型ロイシンジッパーペプチドは、ロイシンジッパーペプチドの熱力学的な挙動の解析のために作製されたものにすぎない。二量体の一方のロイシンジッパーペプチドに細胞内侵入ペプチドを連結することや、そのようなロイシンジッパーペプチドを利用することにより所望の物質(ペプチド等)を効率的に細胞内に導入することができるようになることなどは、記載も示唆もされていない。

産業上の利用分野


本発明は、細胞内で所定の機能を発現しうるタンパク質等を細胞内に導入するための方法および当該方法に用いられるペプチド複合体などに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列からなるロイシンジッパーペプチド[LZ(K)]もしくは当該アミノ酸配列中の1~8個のアミノ酸に対する変異を有するアミノ酸配列からなるロイシンジッパーペプチド[LZ(K)']または配列番号2のアミノ酸配列からなるロイシンジッパーペプチド[LZ(E)]もしくは当該アミノ酸配列中の1~8個のアミノ酸に対する変異を有するアミノ酸配列で表されるロイシンジッパーペプチド[LZ(E)']と、これに連結された細胞内侵入ペプチド[CPP]とを含むことを特徴とする、ペプチド複合体[A]。
N'-EYQALKKKVAQLKAKNQALKKKVAQLKHK-C' 配列番号1
N'-EYQALEKEVAQLEAENQALEKEVAQLEHE-C' 配列番号2

【請求項2】
さらに、前記ロイシンジッパーペプチドおよび/または細胞内侵入ペプチドに連結された蛍光色素を含む、請求項1に記載のペプチド複合体[A]。

【請求項3】
前記蛍光色素が蛍光性アミノ酸である、請求項2に記載のペプチド複合体[A]。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のペプチド複合体[A]と、
当該ペプチド複合体[A]に含まれる第一のロイシンジッパーペプチドと会合可能な第二のロイシンジッパーペプチドと、これに連結された細胞内への被運搬物質とを含むペプチド複合体[B]と
から形成されることを特徴とする、ハイブリッド複合体;
ここで、前記第一のロイシンジッパーペプチドが前記ロイシンジッパーペプチド[LZ(K)]もしくは[LZ(K)']である場合、前記第二のロイシンジッパーペプチドは前記ロイシンジッパーペプチド[LZ(E)]もしくは[LZ(E)']であり、前記第一のロイシンジッパーペプチドが前記ロイシンジッパーペプチド[LZ(E)]もしくは[LZ(E)']である場合、前記第二のロイシンジッパーペプチドは前記ロイシンジッパーペプチド[LZ(K)]もしくは[LZ(K)']である。

【請求項5】
前記被運搬物質がタンパク質またはペプチドである、請求項4に記載のハイブリッド複合体。

【請求項6】
請求項4または5に記載のハイブリッド複合体を含有する治療薬または診断薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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