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形質転換細胞の製造方法

国内特許コード P150012565
整理番号 S2014-0049-N0
掲載日 2015年11月20日
出願番号 特願2013-258265
公開番号 特開2015-112086
出願日 平成25年12月13日(2013.12.13)
公開日 平成27年6月22日(2015.6.22)
発明者
  • 中村 美紀子
  • 赤田 倫治
  • 星田 尚司
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 形質転換細胞の製造方法
発明の概要 【課題】プロモータ配列とRNA発現用DNA配列を予め連結することなく、細胞内で目的とするRNAを発現可能な形質転換細胞を短時間かつ簡潔に製造する方法を提供すること。
【解決手段】プロモータ配列を有する線状二本鎖DNA、及び、RNA発現用DNA配列とターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAとを細胞内に導入することで、細胞内で目的とするRNAを発現する形質転換細胞を製造する。かかる製造方法により、目的とするRNAを発現する形質転換細胞を短時間かつ簡潔に製造することができる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


形質転換細胞を作製して該細胞内で目的遺伝子などを発現させるには、プロモータ配列と目的遺伝子配列とターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAを作製し、かかるDNAコンストラクトを、ベクターを介して細胞に導入する方法が一般的である。この方法を用いる場合には、プロモータ配列と目的遺伝子配列とターミネータ配列とを順次備えるようにDNAを連結する必要がある。現在、DNAを連結するために最も一般的に用いられている手法は、DNAリガーゼを用いて、平滑末端を有するDNA分子同士又は相補的な突出末端を有するDNA分子同士を結合させるものである。



この手法を応用した形質転換細胞の作製方法として、Cohen-Boyer法(非特許文献1参照)が知られており、この方法では、インサートDNAとベクターとをそれぞれ制限酵素で切断して精製した後にDNAリガーゼによって連結して目的のコンストラクトを作製し、該コンストラクトにより大腸菌を形質転換している。しかし、Cohen-Boyer法においては、形質転換用のコンストラクトを作製するために制限酵素とDNAリガーゼによるDNAの連結という煩雑なin vitro操作を必要とし、さらに、形質転換後の大腸菌コロニーの中から目的のコンストラクトを含む大腸菌を選択するために多くの時間が必要とされていた。



Cohen-Boyer法に代わる、制限酵素やDNAリガーゼを使用しない形質転換細胞の作製方法として、in vitro相同組換え法や、in vivo相同組換え法が開発されている。上記in vitro相同組換え法は、特定の組換え酵素と該酵素の認識配列を使用することによりDNA分子をつなぎ合わせるものであり、Invitrogen社のGateway法や、タカラバイオ社のIn-Fusionクローニング法などが知られている。しかし、これらの方法は、予め用意した線状化ベクターとインサートDNAを上記特定の酵素で結合する点で本質的にはCohen-Boyer法と大差なく、線状化ベクターの調製や大腸菌内での環状化が必要であり、さらにインサートDNAの両端及びベクターに特定のDNA配列が存在する必要があった。



一方、前述のようなDNAコンストラクトを、ベクターを介さずに細胞に導入して形質転換細胞を作製する方法として、プロモータ配列、目的遺伝子配列、発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列から構成されるDNA断片を環状化して動物細胞に導入する方法が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1記載の方法を用いれば、ベクターを介さずに形質転換細胞を作製して細胞内で目的とする遺伝子を発現させることが可能となるが、各配列(プロモータ配列、目的遺伝子配列、発現マーカー、ポリアデニレーションシグナル配列)の両端に制限酵素サイト或いはアニーリング配列をそれぞれ組み込み、PCRにより上記DNA断片を構築し、次いでその5’末端へのリン酸の付加、若しくは制限酵素により突出末端を作製してセルフライゲーションによる環状化を行う必要があった。



近年、本発明者らは、同じくベクターを介さずに形質転換細胞を作製する方法として、特定のターミネータ配列を含む高発現用リバースプライマーを用いて作製した、プロモータ配列、目的RNA発現用DNA配列、特定ターミネータ配列を順次備えた線状二本鎖DNAを動物細胞に導入する方法を提案した(特許文献2参照)。この特許文献2の方法では、制限酵素サイトやアニーリング配列を導入することなく、また煩雑な環状化操作を行うこともなく、PCRのみによってターミネータ配列をRNA発現用DNA配列の下流に連結でき、得られた線状二本鎖DNAを動物細胞に導入することで形質転換細胞を得ることが可能となるが、PCRを行う際は、プロモータ配列と目的RNA発現用DNA配列とを順次備えたテンプレートを予め用意する必要があるため、テンプレートがない場合やプロモータ配列を変える場合にはまだ改良されるべき点があった。



また、本発明者らは、自律複製配列を含まない2種以上の線状二本鎖DNAをクルイベロマイセス・マルシアヌスに導入し、該2種以上の線状二本鎖DNAからなるDNA連結体により発現するマーカー遺伝子の発現を指標として所望のDNA連結体を含む形質転換体を選択する形質転換酵母の製造方法を提案した(特許文献3参照)。この特許文献3の方法では、プロモータ配列とマーカーをコードする遺伝子の上流配列を順次備えた線状二本鎖DNAと、マーカーをコードする遺伝子の上流配列を欠損した配列と所望の有用物質をコードする配列を順次備えた線状二本鎖DNAとをクルイベロマイセス・マルシアヌスに導入することで、2つの線状二本鎖DNAをクルイベロマイセス・マルシアヌス内で連結させてマーカー遺伝子を発現させている。

産業上の利用分野


本発明は、形質転換細胞の製造方法に関し、より詳しくは、プロモータ配列からなる線状二本鎖DNA、及び、RNA発現用DNA配列とターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAを細胞内に導入し、前記RNA発現用DNA配列由来のRNAを発現させる形質転換細胞の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
プロモータ配列からなる線状二本鎖DNA、及び、RNA発現用DNA配列とターミネータ配列とを順次備えた線状二本鎖DNAを細胞内に導入し、前記RNA発現用DNA配列由来のRNAを発現させることを特徴とする形質転換細胞の製造方法。

【請求項2】
細胞が哺乳動物細胞であることを特徴とする請求項1記載の形質転換細胞の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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