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CRS4の治療及び/又は予防のための組成物、CRS4モデルマウス及びバイオマーカー 新技術説明会

国内特許コード P150012570
整理番号 S2014-0058-N0
掲載日 2015年11月20日
出願番号 特願2013-258220
公開番号 特開2015-113327
出願日 平成25年12月13日(2013.12.13)
公開日 平成27年6月22日(2015.6.22)
発明者
  • 斎藤 能彦
  • 上村 史朗
  • 竹田 征治
出願人
  • 公立大学法人奈良県立医科大学
発明の名称 CRS4の治療及び/又は予防のための組成物、CRS4モデルマウス及びバイオマーカー 新技術説明会
発明の概要 【課題】CKDに続発する心不全のうち、臨床的にも頻度が高いCRS4の適切な治療薬を提供する。
【解決手段】可溶性Flt-1(sFlt-1)を有効成分とする。sFlt-1をノックアウトした後、大動脈縮窄術を施してCRS4モデルマウスを作成した。CRS4モデルマウスでは肺重量係数及び心重量係数の増加が認められた。このCRS4モデルマウスに、リコンビナントsFlt-1タンパクを投与したところ、心重量係数と肺重量係数の増加を抑制した。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要


慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)は心血管系疾患(CVD:cardiovascular disease)の独立した危険因子であり、糸球体積過量の低下とともにCVDの発症率が上昇することが知られている。CKDが注目されるようになったのは、軽微な腎機能障害や尿所見異常でもCVD特に心不全発症の強力な予測因子となることが明らかとなったためで、腎機能障害とCVDが互いに密接に悪影響を及ぼし合うことから心腎連関の概念が生まれるきっかけとなった。



現在では心腎連関はRoncoらによりcardio-renal syndrome(CRS)として心血管障害及び腎機能障害の急性・慢性、病態の方向性(心腎、腎心)等から5種類(CRS1-CRS5)の病型に分類されている(非特許文献1)。このうちCKDによる心不全の悪化はCRS4に分類されており、臨床的にも頻度が高く、予後とも密接に関与すると考えられる病態である。しかし、CKDにおいて心不全が増悪する機序としては、過去より様々な機序が想定されているが、その機序はいまだ十分には解明されておらず、その有効な原因療法は皆無であり、対症療法に限られているのが現状である。



CKDでは、古典的なCVDさらには心不全の発症危険因子である加齢、高脂血症、高血圧、喫煙、糖尿病のほか、腎性貧血、栄養不良、酸化ストレス、慢性炎症、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系や交感神経活性の亢進、カルシウム・リン代謝異常、高ホモシスティン血症、一酸化炭素(NO)産生低下等の非古典的心血管危険因子を有していることが多く、これら多くの病態が複合的に関与する(非特許文献2)。



更にCKD患者では内因性NOS阻害物質であるADMA(Asymmeteric dimethylarginine)が増加し、NO産生はますます低下する傾向にある。これらの病態は、糸球体や尿細管、間質にとどまらず、全身の血管にも波及しており、これが血管内皮障害・炎症・動脈硬化病変の発現を介して、心不全発症に繋がる。血行動態的には、CKDでは高血圧と血管の石灰化や動脈硬化度の増加が圧負荷増大の原因となり(非特許文献3)、一方、水・ナトリウム貯留、及び貧血が容量負荷増大の原因となって、左室肥大、左室拡張不全をきたす(非特許文献4)。



更に透析患者は内在性の動脈硬化や危険因子を多数有しており、貧血や動静脈シャントによる心拍出量の増加、透析時の除水による急激な循環血漿量の減少、血圧降下等の冠動脈血流量を減少させる要因も多く、高頻度に心不全の発症をきたす。この様にCRS4に関しては様々な機序が想定されているが、裏を返せば根幹となる分子機序が解明されていないことを表している。



更にCRS4の治療法に関しては、上述したように対症療法の域を出ておらず、CKDを有する心不全患者はしばしば塩分・水分が貯留傾向にあることから、そのため利尿薬投与が行われることがある。しかしながら過剰な利尿薬の使用は前負荷の低下から心拍出量の低下を引き起こし、結果として糸球体濾過量を低下させる虞がある。また、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)やBNP(brain natriuretic peptide)は、血管拡張及び利尿作用を有し、神経体液因子を抑制することも知られているため、CKDを合併する心不全の治療において投与されることがある。しかしながら腎に対する効果は一定の見解が得られておらず、腎血流や糸球体濾過量を低下させ、腎機能を悪化させる虞がある。また、低用量のドパミンも腎血流を増加させ、糸球体濾過量の増加と腎尿細管への直接作用による利尿作用が期待され時として使用されるが、強心薬は短期間の血行動態を改善させるが、心事故や死亡率を増加させる危険性を有している(非特許文献5)。このようにCKDに続発する心不全の適切な治療法は提案されていない。

産業上の利用分野


本発明は、CRS4の治療及び/又は予防のための組成物、CRS4モデルマウス及びCRS4のバイオマーカーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
可溶性Flt-1(sFlt-1)を有効成分とするCRS4を治療及び/又は予防するための組成物。

【請求項2】
sFlt-1をノックアウトした後、大動脈縮窄術を施したことを特徴とするCRS4モデルマウス。

【請求項3】
PlGF/sFlt-1からなることを特徴とするCRS4のバイオマーカー。

【請求項4】
PlGF/sFlt-1が0.061以上の場合に、CRS4の発症リスクの存在を判定することを特徴とする請求項3に記載のCRS4のバイオマーカー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013258220thum.jpg
出願権利状態 公開


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