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アワビvasa遺伝子マーカーおよび不稔化アワビの製造方法

国内特許コード P150012578
整理番号 S2014-0733-N0
掲載日 2015年11月20日
出願番号 特願2014-064798
公開番号 特開2015-186454
出願日 平成26年3月26日(2014.3.26)
公開日 平成27年10月29日(2015.10.29)
発明者
  • 竹 内 裕
  • 大 岡 嗣 欧
  • 王 俊 杰
  • 井 野 靖 子
  • 伊 東 裕 子
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
発明の名称 アワビvasa遺伝子マーカーおよび不稔化アワビの製造方法
発明の概要 【課題】アワビの効率的生産のための、アワビの成長促進方法であって、アワビvasa遺伝子マーカー、およびアワビvasaタンパク質の発現を抑制するRNA分子の提供。
【解決手段】新規アワビvasa遺伝子マーカー、アワビvasa遺伝子およびタンパク質の発現を抑制するRNA分子、アワビvasa遺伝子の発現抑制方法並びにアワビの生殖細胞系列の発達抑制方法。また、不稔化アワビの製造方法、加えて、生殖細胞系列検出マーカーとしてのアワビvasa遺伝子の検出手段。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


アワビはミミガイ科ハリオティス属(Haliotis)の大型巻貝の総称であり、世界中に約70種類存在する。日本国内では、クロアワビ(Haliotis discus discus)、エゾアワビ(Haliotis discus hannai)、マダカアワビ(Haliotis madaka)およびメガイアワビ(Haliotis gigantea)の4種が経済的価値の高い漁業上重要なアワビとして種苗生産および養殖の対象となっている。また、オーストラリアでは、ミミガイ(Haliotis asinina)が新たな養殖対象として期待されている。しかし、アワビ、特にエゾアワビは、成長が遅く出荷までにかかる期間が長い。そのため、アワビを効率的に生産するためにアワビの成長を促進する方法が数多く検討されている。



成長を促進する方法としては、例えば、上記4種のアワビの中でも成長が速いメガイアワビと、エゾアワビとを掛け合わせたハイブリッド(雑種)の作出が検討されている(非特許文献1参照)。しかしながら、ハイブリッドは繁殖時期が変化することが多く、従ってハイブリッド種苗を人工種苗として放流すると生態系全体での増殖効率の低下などを引き起こす可能性もある。



別の方法としては、エゾアワビでは、性成熟による成長停滞や消耗を防いで成長を促進するために、三倍体のエゾアワビの作出が行われている。しかしながら、三倍体のエゾアワビは、その後の生存率が通常(二倍体)のアワビに比べて低い(非特許文献2参照)。また、三倍体のアワビは、通常のアワビ同様に配偶子形成が起こり、特に雄では受精可能な正常な精子が形成され、生殖期には通常のアワビ同様に成長率の低下が見られることが確認されている。



近年では、RNA干渉技法による生殖細胞系列の発達抑制方法が知られている。特許文献1では、アコヤガイのpov遺伝子を標的とするRNA干渉を利用した生殖細胞系列の発達が抑制されたアコヤガイの製造方法が報告されている。また、非特許文献3では、マガキの生殖細胞を囲む体細胞で発現するTGFβを標的とする二本鎖RNA(dsRNA)を用いた生殖腺内の生殖細胞の発達抑制方法が報告されている。しかしながら、アワビ類が属する原始腹足類では、生殖細胞の起源や生殖腺形成機構は未だ明らかになっておらず、生殖細胞の発達抑制を目的としたRNA干渉を行うための標的とすべき遺伝子は確認されていない。



【特許文献1】
特開2009-219497号公報



【非特許文献1】
原素之,動物遺伝育種研究, 2008, 36, 105-115
【非特許文献2】
林崎孝志,月刊養殖, 1989, 84-87
【非特許文献3】
Arnaud Huvet et. al., Mar Biotechnol (2012) 14:402-410

産業上の利用分野


本発明は、アワビvasa遺伝子マーカーに関し、また、アワビvasaタンパク質の発現を抑制するRNA分子およびこれを用いたアワビvasaタンパク質の発現抑制方法並びにアワビの生殖細胞系列の発達抑制方法に関する。さらに、本発明は、不稔化アワビの製造方法、加えて、生殖細胞系列検出マーカーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記から選択されるポリヌクレオチドからなる、アワビvasa遺伝子マーカー:
(a)配列番号3または4に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(b)配列番号3または4に記載の塩基配列において、1または複数個の塩基の挿入、置換、欠失、および/またはその一方または両末端への1または複数個の塩基の付加がなされた塩基配列からなるポリヌクレオチド、および
(c)配列番号3または4に記載の塩基配列と少なくとも80%の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド。

【請求項2】
アワビvasaタンパク質の発現をRNA干渉により抑制しうるRNA分子であって、該RNA分子を構成する塩基配列が、請求項1に記載のポリヌクレオチドおよびその一部の塩基配列並びにこれらの塩基配列に相補的な塩基配列からなる群から選択される塩基配列の相補配列からなるRNAに特異的にハイブリダイズする配列を含んでなるものである、RNA分子。

【請求項3】
RNA分子を構成する塩基配列が、配列番号3または4に記載の塩基配列およびその一部の塩基配列並びにこれらの塩基配列に相補的な塩基配列からなる群から選択される塩基配列を含んでなるものである、請求項2に記載のRNA分子。

【請求項4】
RNA分子が二本鎖RNAである、請求項2または3に記載のRNA分子。

【請求項5】
請求項2~4のいずれか一項に記載のRNA分子を含んでなる、アワビvasa遺伝子発現抑制剤。

【請求項6】
請求項2~4のいずれか一項に記載のRNA分子を、アワビの未受精卵、受精卵または生殖巣に導入する工程を含んでなる、未受精卵、受精卵または生殖巣の細胞におけるアワビvasa遺伝子の発現抑制方法。

【請求項7】
請求項2~4のいずれか一項に記載のRNA分子を、アワビの生殖巣に導入する工程を含んでなる、アワビの生殖細胞系列の発達抑制方法。

【請求項8】
(a)vasa遺伝子の発現抑制処理を施した未受精卵と、別の個体から採取した精子とを人工受精することにより、受精卵を得る工程、
(b)卵巣にvasa遺伝子の発現抑制処理を施し、該卵巣から摘出または産卵誘発により得た未受精卵と、別の個体から採取した精子とを人工受精することにより、受精卵を得る工程、および
(c)受精卵にvasa遺伝子の発現抑制処理を施して、vasa遺伝子発現抑制処理受精卵を得る工程のいずれかの工程を含んでなる、不稔化アワビの製造方法。

【請求項9】
vasa遺伝子の発現抑制処理を請求項2~4のいずれか一項に記載のRNA分子により行う、請求項8に記載の製造方法。

【請求項10】
請求項1に記載のポリヌクレオチドまたは該ポリヌクレオチドの相補配列からなるポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、vasa遺伝子検出用プライマーまたはプローブ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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