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糖尿病の検出方法

国内特許コード P150012590
整理番号 S2014-0410-N0
掲載日 2015年11月25日
出願番号 特願2014-016801
公開番号 特開2015-143640
出願日 平成26年1月31日(2014.1.31)
公開日 平成27年8月6日(2015.8.6)
発明者
  • 吉宗 一晃
  • 小林 夕香
出願人
  • 株式会社J-オイルミルズ
  • 学校法人日本大学
発明の名称 糖尿病の検出方法
発明の概要 【課題】HbA1cの検出を簡便かつ精度高く行なうために、レクチンを利用した検出方法、及びそれを利用した糖尿病の検出用診断薬又はキットを提供する。
【解決手段】本発明の方法は、生体の血液から取得した検体に含まれるHb1Acに、ヒイロチャワンタケレクチン(AAL)又は麹菌レクチン(AOL)を作用させることを特徴とする。本発明の糖尿病の検出用診断薬又はキットは、AAL又はAOLを含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


糖尿病は、血液中のグルコース濃度である血糖値が異常に高い状態を示す疾患である。年齢層別に見ると、40歳以上で罹患率が高くなり、加齢に伴い増加傾向が高い疾患である。2011年の統計によれば、日本の糖尿病人口は1000万人を超えており、糖尿病予備群を含めると2000万人を超える。先進国の中でも、日本は患者数が多い。しかし、糖尿病は、患者数の多い先進国だけでなく、患者数の増加率の高い新興国においても深刻な問題である。



糖尿病は、発症に自己免疫機序の関与が考えられている1型糖尿病と、カロリーの過剰摂取や運動不足に基づく肥満状態の継続により、インスリン分泌低下と感受性低下を原因として発症する2型糖尿病とに大別される。患者の大部分は2型糖尿病である。



2型糖尿病では、血糖値が1型糖尿病ほど上昇することはないが、高血糖状態が長期にわたると、血中の高濃度グルコースが血管内皮タンパク質と糖化反応を生起し、微小血管を徐々に破壊する。その結果、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害等の合併症を引き起こす。腎臓病では人工透析治療が必要になる等、糖尿病は患者のQOLを損ない、医療コストを引き上げる端緒となる。



生活習慣病の一種である糖尿病の発症やそれに基づく合併症を未然に防止するには、保険指導型の予防医療、すなわち、日常の健康診断や糖尿病検診での糖尿病マーカーに基づいた血糖コントロールが重要となる。



現在行なわれている生化学検査には、血中や尿中のグルコース濃度を直接測定する方法、血中のグルコースがヘモグロビンに結合した糖化ヘモグロビン(グリコヘモグロビンともいう)の割合や血中のグルコースがアルブミンに結合した糖化アルブミン(グリコアルブミンともいう)の割合を測定する方法等がある。



血中グルコース濃度の測定は、グルコース酸化酵素を含んだ診断用テープに血液を滴下して、グルコース酸化酵素とグルコースとの反応を自動分析器にかけて検出するものである。血糖値の基準値は、早朝空腹時血糖で70~109mg/dL、食後2時間血糖で140mg/dLである。早朝空腹時血糖値が126mg/dL、食後血糖値が200mg/mL以上であれば、糖尿病の疑いがある。しかし、一日の血糖値は健常人でも大きく変動し、食事の前と後では大きな差がある。血中グルコース測定法は、数時間~数日間にわたる平均血中グルコース濃度を反映しない。測定精度を高めるために、血中グルコース濃度を頻繁に測定する必要があり、被験者に相当な負担となる。



高血糖状態が長期間続くと、血管内の余分なグルコースは体内のヘモグロビンやアルブミンと結合する。アルブミンは血中タンパク質の主要成分である。グリコアルブミン検査は、アルブミンがどのくらいの割合でブドウ糖と結合しているかを調べる検査である。グリコアルブミンの数値は、過去約2週間の血糖コントロールを表す指標となる。



ヘモグロビンは、赤血球の中に大量に存在し、身体の隅々まで酸素を運搬する役割を担うタンパク質である。血中でヘモグロビン(Hb)とグルコースが結合したものが糖化ヘモグロビンである。血糖値が高いほど、糖化ヘモグロビンが形成されやすく、糖尿病患者では糖化ヘモグロビンの割合が顕著に高い。



後述するように、糖化ヘモグロビンの一種であるHbA1cは、糖化ヘモグロビン中の割合が高く、血糖の変化を最も反映しやすい。HbA1cは、半減期が約1ヶ月、寿命が約4ヶ月と長いため、HbA1cの測定値は、過去1~2カ月間の平均血糖値を反映する。また、HbA1c測定は、検査当日の食事制限がなく、被験者にとって負担が少ない。HbA1c測定法は、糖尿病患者の血糖コントロールの状態を知るのに極めて有効である。



HbA1cの測定原理には、現在、HPLC(高速液体クロマトグラフ)法、免疫法(ラテックス法を含む)、酵素法等が知られている。



HPLC法は、現在、最も汎用される方法である。溶血血液検体に含まれる各種ヘモグロビンの分離に、非多孔性陽イオン交換充填剤を充填した分離カラムを用いる。検体がカラム中を流れる際、種々のヘモグロビン成分は、それぞれが持つ電荷とカラム充填剤の官能基との相互作用によって分離され、正電荷の小さい順に溶出される。こうして分離されたHbA1cを測定する。HPLC法の利点は、高分解能であり、また、HbA1c以外にHbFも測定できることである。しかし、検査コスト高い、時間が要する等の欠点がある。



免疫法は、HbA1c(抗原)の抗体を用いた測定法であり、HbA1cのみを選択的に測定することができる。ラテックス法は、溶血血液検体をラテックス粒子に吸着させ、HbA1cに特異的な抗体を添加し、ラテックス表面に吸着したHbA1cと特異的な凝集塊を形成させる方法である。ラテックスに吸着されるHbA1c量は、試料中に存在するヘモグロビンとHbA1cの比率に依存し、凝集塊は吸着したHbA1c量に依存するため、凝集塊を吸光度変化量として測定することで、血液検体中のHbA1c濃度を求めることができる。ラテックス法の利点は、自動分析装置を用いた大量処理が可能で検査コストが安い、HbA1cのみを測定可能であることである。しかし、HbA1cの測定精度が低いという問題がある。



酵素法は、溶血血液検体に含まれるHbA1cのβ鎖のN末端の糖化ジペプチドを特異的に分解するプロテアーゼを用いて、アミノ酸やペプチドに糖が結合した糖化アミノ酸や糖化ペプチドを生成させ、得られた糖化ペプチドにフルクトシルペプチドオキシダーゼ(非特許文献1)を作用させ、あるいは糖化アミノ酸にフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを作用させ、これらを発色系に導く方法である。酵素フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ法は、自動分析装置を用いた大量処理が可能で検査コストが安い、HbA1cのみを測定可能であるという長所を有する。しかし、HbA1c分解操作が必要である、熱に弱い、糖化したe-Lysにも反応する点で特異性が低い、Kmが高い等の問題がある。



上記の汎用法以外にも、糖尿病を検出する方法が提案されている。例えば特許文献1は、唾液にDSL、ECL、PSA、WGA、UEA、MAL I、MAA、PNA、AAL、LTL、MAL II、JAC、LEL、SNA、PTL I、ACL、GSL II、VVA、BPL、WFL、SJA、MPL、GNL、HHL、CCA、NPL、STL、PHA-L、PHA-E、GSL I、DBA、HMA、EEA、LPA、及びPTL IIからなる群より選択されるレクチンを反応させ、レクチン反応体を分析することによって、う食、歯周病、肺疾患、呼吸疾患、心血管疾患、糖尿病、周産期障害、粘膜感染、口腔癌、咽頭癌、前癌性病変、関連する自己免疫疾患、HIV及び骨粗しょう症、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される疾患のリスクを予測、評価及び診断する方法を開示する。特許文献2では、血液、血清、骨髄液、尿、唾液等の体液、病理標本から抽出した組織可溶化物、生組織可溶化物、細胞可溶化物から選択される被検体由来サンプルに対して、ロータスレクチン、エンドウマメレクチン、レンズマメレクチン、ハリエニシダレクチン-I、コウジカビレクチン、ヒイロチャワンタケレクチン、キカラスウリレクチン-IIから成る群から選択されるレクチンとの相互作用測定を行って、前記レクチンと親和性を有する糖鎖の量を測定し、測定された糖鎖の量により糖尿病性腎症の進行度を検出することを特徴とする糖尿病性腎症の進行度の検出方法が提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、糖尿病の検出方法に関し、より詳細には、レクチンを使用して糖尿病を簡易かつ精度高く検出する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
生体の血液から取得した検体に含まれるHb1Acに、ヒイロチャワンタケレクチン(AAL)又は麹菌レクチン(AOL)を作用させることを特徴とする、糖尿病の検出方法。

【請求項2】
前記検体は、ヒトから採取した赤血球であることを特徴とする、請求項1に記載の糖尿病の検出方法。

【請求項3】
前記AAL又は前記AOLは、標識されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の糖尿病の検出方法。

【請求項4】
前記AAL又は前記AOL及び、1種以上のレクチン又は抗体を用いてHbA1cを検出することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の糖尿病の検出方法。

【請求項5】
前記AAL又は前記AOLと抗Hb抗体とを用いたアッセイによりHbA1cを検出することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の糖尿病の検出方法。

【請求項6】
ヒイロチャワンタケレクチン(AAL)又は麹菌レクチン(AOL)を含む、糖尿病の検出用診断薬又はキット。

【請求項7】
さらに、抗Hb抗体を含む、請求項6に記載の糖尿病の検出用診断薬又はキット。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 公開
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