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加工方法及び加工装置 新技術説明会

国内特許コード P150012603
整理番号 S2014-0319-N0
掲載日 2015年11月26日
出願番号 特願2013-273289
公開番号 特開2015-127078
出願日 平成25年12月27日(2013.12.27)
公開日 平成27年7月9日(2015.7.9)
発明者
  • 久保田 章亀
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
発明の名称 加工方法及び加工装置 新技術説明会
発明の概要 【課題】難加工材料を高精度かつ高能率に加工する方法を提供する。
【解決手段】水、過酸化水素水、オゾン水、あるいはこれらのいずれかを含む溶媒に紫外光等を照射することにより生成される活性種によって、被加工物表面との化学反応を促進し、被加工面を高精度に加工する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


古くから様々な場面で、機械的な加工が用いられてきた。例えば、機械研磨の加工では、工具を被加工表面に押し付け、機械的作用により表面の一部をはぎ取って加工するものである。



しかし、こうした機械研磨の加工では、対象物の結晶格子に欠陥が生じてしまい、また、高精度な面を得ることが非常に困難であった。そこで、高精度な加工を行うために、化学的な加工方法が用いられる。



例えば、超微粉体を分散した懸濁液を被加工面に沿って流動させることにより、略無荷重の状態で超微粉体が被加工面に接触し、その際の相互作用により被加工面を加工する、いわゆるEEM(Elastic Emission Machining)による加工は既に知られている(特許文献1~4)。



また、反応ガスに基づく中性ラジカルと、被加工面の原子又は分子とのラジカル反応を利用して加工するプラズマCVM(Chemical Vaporization Machining)も提案されている(特許文献5)。



さらに、回転電極を高速に回転させることで、回転電極表面でガスを巻き込むことによって加工ギャップを横切るガス流を形成して加工する回転電極を用いた高密度ラジカル反応による高能率加工方法も提案されている(特許文献6)。



前述のEEMやプラズマCVMは、化学的な加工として非常に優れている。EEMは、原子スケールで平滑な面を得ることが可能であり、プラズマCVMでは機械的な加工に匹敵する高能率な加工が高精度で可能である。



EEMは、高周波の空間波長に対して非常に平滑な面を得ることが可能である。EEMは、超純水によりSiО等の微粒子を表面に供給し、微粒子の表面の原子と加工物表面の原子が化学的に結合することで加工が進むことが特徴である。しかしEEMは、その加工原理のゆえ数十μm以上の空間波長域を平坦化しにくいものとなっている。



また、プラズマCVMの加工は、プラズマ中の中性ラジカルと加工物表面の化学反応を利用している。1気圧という高圧力雰囲気下において高密度のプラズマを発生させ、プラズマ中で生成した中性ラジカルを加工物表面の原子に作用させ、揮発性の物質に変えることで加工している。



ゆえに、プラズマCVMの加工では、被加工面の原子配列を乱すことなく、従来の機械加工に匹敵する加工能率を持っている。しかし、基準面を持たない加工法であるため、指数面による影響を受けやすい。



こうしたなか、難加工物の高精度かつ高効率な加工を試みた加工方法が存在し、例えば、特許文献7に記載の触媒支援型化学加工方法が提案されている。



ここで、特許文献7は、酸化剤の溶液中に被加工物を配し、遷移金属からなる触媒を被加工面に接触、もしくは極近接させ、触媒表面上で生成した強力な酸化力を持つ活性種と被加工物の表面原子との化学反応で生成した化合物を除去、あるいは溶出させることによって被加工物を加工する方法が記載されている。



また、特許文献7では、実施形態として、触媒にFe、酸化剤に過酸化水素水(H)を使用する点が開示されている。



この場合、Fe表面では、下記の[化1]及び[化2]で表されるフェントン(Fenton)反応により活性種としてОHラジカル(ヒドロキシラジカル)が発生する。ОHラジカル(ОHの右側にドットを付して表示)は、寿命は短いが、酸化力が非常に強い性質を有する。



(化1)
Fe2++H→Fe3++ОH+ОH・
(化2)
Fe3++H→Fe2++2ООH



一般的に、ハーバー―ワイス(Harber-Waiss)機構によるHの分解でОHラジカルが生成されることは知られている。この反応では、低原子価の遷移金属(Fe2+、Ti3+、Cr2+、Cu+等)による一電子還元によりОHラジカルが生成する。



特に、Fe2+による反応は、フェントン反応としてよく知られている。Hはレドックス反応を行いうる低原子価金属イオンと反応し、ОHラジカルを生成する。ここで、Fe2+は触媒的な作用をする。



ここで、被加工物がSiCの場合には、以下の[化3]に示すように、ОHラジカルと過酸化水素水中の溶存酸素によってSiC表面が酸化され、その部分が優先的に加工されるものと推測されている。



(化3)
SiC+4ОH・+О→SiО+2HO+CО

産業上の利用分野


本発明は加工方法及び加工装置に関する。詳しくは、SiCやGaN、ダイヤモンド等の難加工物を高効率かつ高精度で加工可能な加工方法及びこうした加工方法を実現可能とする加工装置に係るものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
加工基準面に遷移金属または金属酸化物からなる触媒を用い、水、過酸化水素水、オゾン水、あるいはこれらのいずれかを含む溶媒の中に被加工物の少なくとも一部を配し、前記溶媒に紫外光またはプラズマを照射すると共に、前記加工基準面を被加工物の被加工面に接触、もしくは極近接させた状態で前記被加工面と前記加工基準面を相対運動する工程を備える
加工方法。

【請求項2】
前記遷移金属は、Fe、Ni、Co、Cu、Cr、Tiから選択した1種又は2種以上の組み合わせからなる
請求項1に記載の加工方法。

【請求項3】
前記金属酸化物は、遷移金属の酸化物である
請求項1に記載の加工方法。

【請求項4】
前記溶媒は水、過酸化水素水、超純水、オゾン水から選択した1種又は2種以上の組み合わせからなる
請求項1、請求項2または請求項3に記載の加工方法。

【請求項5】
前記被加工物は、シリコンカーバイド、窒化ケイ素、GaN、ダイヤモンド、サファイア、ルビー、AINのうちいずれか一つからなる
請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の加工方法。

【請求項6】
前記溶媒は、前記加工基準面となる平坦な回転定盤と、該回転定盤の回転軸に対して偏心した回転軸を有するホルダーに保持した被加工物の被加工面との間に供給され、
前記相対運動は、前記ホルダーに保持した被加工物を前記回転定盤に所定の押圧力で押圧しながら回転させる運動である
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の加工方法。

【請求項7】
前記遷移金属がFeであり、フェントン反応を利用して加工する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の加工方法。

【請求項8】
前記溶媒に酸素若しくはオゾンの少なくとも一方が供給された状態で、紫外光またはプラズマを照射する
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4、請求項5、請求項6または請求項7に記載の加工方法。

【請求項9】
加工基準面に遷移金属または金属酸化物からなる触媒を用い、活性種を生成可能な溶媒の中に被加工物の少なくとも一部を配し、前記溶媒に紫外光またはプラズマを照射すると共に、前記加工基準面を被加工物の被加工面に接触、もしくは極近接させた状態で前記被加工面と前記加工基準面を相対運動する工程を備える
加工方法。

【請求項10】
遷移金属または金属酸化物からなる触媒を表面に含む加工基準面を有し、回転可能である加工部材と、
該加工部材の回転軸に対して偏心した回転軸を有し回転可能であると共に、所定の被加工物を保持する保持機構と、
前記加工部材及び前記保持機構を内側に配置可能であり、水、過酸化水素水、オゾン水、あるいはこれらのいずれかを含む溶媒を充填させる加工槽と、
前記溶媒に紫外光またはプラズマを照射する処理部と、
前記加工槽中で前記加工基準面を被加工物の被加工面に接触、もしくは極近接させた状態で前記被加工面と前記加工基準面を相対的に変位させる駆動部とを備える
加工装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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