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急性期脊髄損傷の予後予測マーカー

国内特許コード P150012609
整理番号 13072
掲載日 2015年11月26日
出願番号 特願2014-019146
公開番号 特開2015-144586
出願日 平成26年2月4日(2014.2.4)
公開日 平成27年8月13日(2015.8.13)
発明者
  • 亀井 直輔
  • 越智 光夫
  • 蜂須賀 晋
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 急性期脊髄損傷の予後予測マーカー
発明の概要 【課題】脊髄損傷後急性期であっても高感度な予後予測を可能とする急性期脊髄損傷の予後予測マーカーを提供する。
【解決手段】 miR-9*、miR-219、及びmiR-384-5pの少なくとも何れか一つを有する。miR-9*の場合、受傷後3時間~24時間の被験者のmiR-9*の発現量を検出し、受傷後3時間では、被験者のmiR-9*の発現量が健常者のmiR-9*の発現量と比較して25倍未満の場合、急性期脊髄損傷の予後が良好であると予測し、被験者のmiR-9*の発現量が健常者のmiR-9*の発現量と比較して25倍以上の場合、急性期脊髄損傷の予後が不良であると予測する。受傷後12~24時間では、被験者のmiR-9*の発現量が健常者のmiR-9*の発現量と比較して10倍未満の場合、急性期脊髄損傷の予後が良好であると予測し、被験者のmiR-9*の発現量が健常者のmiR-9*の発現量と比較して10倍以上の場合、急性期脊髄損傷の予後が不良であると予測する。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


転落や交通事故などの外傷によって起こる脊髄損傷では、四肢の運動や感覚機能が失われるため、日常生活に重大な障害を来す。さらに高齢化に伴って、転倒などの軽微な外傷でも脊髄損傷を来す患者が増加している。これまで脊髄損傷に対して唯一保険適用が認められていたステロイド大量療法は、その有効性が疑問視されるようになり、さらに重篤な副作用を起こすリスクの高さから、徐々に臨床における適用が減少傾向であり、現時点の臨床において脊髄損傷に対する確立された治療法は存在しない。しかし、脊髄損傷の治療開発研究は盛んに行われており、少なくとも脊髄損傷後の急性期~亜急性期では、実験的に有効性を示す治療アプローチが数多く報告されており、急性期脊髄損傷に対する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の投与をはじめとする臨床研究も開始されている。一方、基礎研究においても慢性期では有効な治療法がほとんど存在せず、脊髄損傷急性期における治療の実現性が最も高いと言える。



しかし、数多くの治療アプローチが研究され、実験的に有効性が明らかになっているにも関わらず、臨床での新規治療が普及しない原因の一つとして、急性期における脊髄損傷の予後予測が困難であることが挙げられる。脊髄損傷の重症度は四肢における運動・感覚の麻痺の程度で評価されるが、急性期において四肢麻痺が重篤であっても、その後の経過で麻痺が自然に回復する症例と回復しない症例が存在する。つまり、脊髄損傷急性期に治療介入して四肢麻痺の回復が得られても、その回復が治療の効果であるのか自然回復であるのか明らかにすることが非常に難 しく、治療の有効性をなかなか証明できないのが現状である。実際の臨床における脊髄損傷の麻痺の程度やその後の回復パターンは様々であり、治療の有効性を統計学的に証明するためには非常に大規模な臨床研究が必要になるという問題がある。



そこで、急性期に予後を予測するための新しい検査方法の開発が求められており、最近では血液バイオマーカーにも注目が集まっている。これまでに脊髄損傷のバイオマーカーとして、神経特異的な蛋白であるpNF-Hの血液中への流出をとらえる方法が唯一報告されている(非特許文献1,非特許文献2)。



しかし、この方法は蛋白をELISA法で検出する方法であるが、完全麻痺と不全麻痺との鑑別はできるものの、不全麻痺の中での軽症と重症との鑑別は困難なことが報告されており、その感度は高いとは言えない。また、その血中への流出には神経損傷の程度だけでなく、血液脊髄関門の機能にも影響をうけるという問題がある。さらに、完全麻痺と不全麻痺との鑑別が可能なタイミングも損傷後18時間以降であり、ステロイド大量療法の様に損傷後8時間をゴールデンタイムとするような急性期の治療のためのバイオマーカーとして有用性が高いとは言えない。

産業上の利用分野


本発明は、急性期脊髄損傷の予後予測マーカーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
miR-9*、miR-219、及びmiR-384-5pの少なくとも何れか一つを有することを特徴とする急性期脊髄損傷の予後予測マーカー。

【請求項2】
miR-9*、miR-219、及びmiR-384-5pからなることを特徴とする請求項1に記載の急性期脊髄損傷の予後予測マーカー。

【請求項3】
被験者の脊髄損傷の急性期におけるmiR-9*、miR-219、又はmiR-384-5pの発現量を健常者の対応するmiRの発現量とを比較して、その差異の程度から予後が良好又は不良であると予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の急性期脊髄損傷の予後予測マーカー。

【請求項4】
受傷後3時間~24時間の被験者のmiR-9*の発現量を検出し、
受傷後3時間では、被験者のmiR-9*の発現量が健常者のmiR-9*の発現量と比較して25倍未満の場合、急性期脊髄損傷の予後が良好であると予測し、
被験者のmiR-9*の発現量が健常者のmiR-9*の発現量と比較して25倍以上の場合、急性期脊髄損傷の予後が不良であると予測すること、
また、受傷後12~24時間では、被験者のmiR-9*の発現量が健常者のmiR-9*の発現量と比較して10倍未満の場合、急性期脊髄損傷の予後が良好であると予測し、
被験者のmiR-9*の発現量が健常者のmiR-9*の発現量と比較して10倍以上の場合、急性期脊髄損傷の予後が不良であると予測することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の急性期脊髄損傷の予後予測マーカー。

【請求項5】
受傷後12時間~24時間の被験者のmiR-219の発現量を検出し、
受傷後12時間では、被験者のmiR-219の発現量が健常者のmiR-219の発現量と比較して10倍未満の場合、急性期脊髄損傷の予後が良好であると予測し、
被験者のmiR-219の発現量が健常者のmiR-219の発現量と比較して10倍以上の場合、急性期脊髄損傷の予後が不良であると予測すること、
また、受傷後24時間では、被験者のmiR-219の発現量が健常者のmiR-219の発現量と比較して3倍未満の場合、急性期脊髄損傷の予後が良好であると予測し、
被験者のmiR-219の発現量が健常者のmiR-219の発現量と比較して3倍以上の場合、急性期脊髄損傷の予後が不良であると予測することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の急性期脊髄損傷の予後予測マーカー。

【請求項6】
受傷後3時間~12時間の被験者のmiR-384-5pの発現量を検出し、
受傷後3時間では、被験者のmiR-384-5pの発現量が健常者のmiR-384-5pの発現量と比較して25倍未満の場合、急性期脊髄損傷の予後が良好であると予測し、
被験者のmiR-384-5pの発現量が健常者のmiR-384-5pの発現量と比較して25倍以上の場合、急性期脊髄損傷の予後が不良であると予測すること、
また、受傷後12時間では、被験者のmiR-384-5pの発現量が健常者のmiR-384-5pの発現量と比較して10倍未満の場合、急性期脊髄損傷の予後が良好であると予測し、
被験者のmiR-384-5pの発現量が健常者のmiR-384-5pの発現量と比較して10倍以上の場合、急性期脊髄損傷の予後が不良であると予測することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の急性期脊髄損傷の予後予測マーカー。

【請求項7】
前記発現量の検出は、PCR法による検出であることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の急性期脊髄損傷の予後予測マーカー。
国際特許分類(IPC)
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JP2014019146thum.jpg
出願権利状態 公開


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