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亜リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、および、当該遺伝子を用いた出芽酵母の選択的培養方法 新技術説明会

国内特許コード P150012610
整理番号 13060
掲載日 2015年11月26日
出願番号 特願2014-002024
公開番号 特開2015-128397
出願日 平成26年1月8日(2014.1.8)
公開日 平成27年7月16日(2015.7.16)
発明者
  • 黒田 章夫
  • 廣田 隆一
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 亜リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、および、当該遺伝子を用いた出芽酵母の選択的培養方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】出芽酵母においても正常に機能し得る選択マーカーとして用いることが可能な遺伝子、および、当該遺伝子を用いた出芽酵母の選択的培養方法を提供する。
【解決手段】亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子であって、上記タンパク質内に存在する全てのアルギニンが、特定のコドンによってコードされており、かつ、上記タンパク質内に存在する全てのアラニンが、特定のコドンによってコードされている遺伝子を、出芽酵母へ導入する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


従来から、各種生物(例えば、微生物、細胞など)が、バイオ燃料の生産をはじめ、様々な有用物質の生産に利用されている。有用物質を生産するための生物の培養では、一般的に、目的の生物ではない生物を排除して、目的の生物のみを純粋培養している。純粋培養によって、目的の生物ではない生物による有害な物質の生産を防止することができる。また、純粋培養によって、目的の生物の量を増やすことができ、その結果、より効率的な有用物質の生産を実現することができる。



上記生物としては、例えば、大腸菌に代表される原核生物や、酵母に代表される真核生物が用いられている。それぞれの生物には独自の利点があり、目的に応じて使い分けられている。



真核生物である酵母は、原核生物とは異なる特徴的な物質代謝経路等を備えており、有用物質の生産において非常に有用な微生物であるといえる。そして、酵母を用いた有用物質の生産の場合においても、一般的に、酵母を純粋培養することによって有用物質を生産している。



従来から、酵母を純粋培養するための方法として、薬剤耐性マーカーを用いる方法(例えば、非特許文献1参照)、および、栄養要求性マーカーを用いる方法(例えば、非特許文献2参照)が利用されている。



例えば、薬剤耐性マーカーを用いる方法では、酵母に対して、所望の遺伝子と共に、薬剤耐性遺伝子が導入される。このとき、薬剤耐性遺伝子が導入された酵母は、薬剤を含む培地中であっても生育することができるが、薬剤耐性遺伝子が導入されていない酵母や不要な微生物は、薬剤を含む培地中では生育することができない。



そこで、薬剤を含む培地を用いて培養を行うことによって、目的とする酵母のみを純粋培養することができる。なお、薬剤耐性遺伝子としては、Aureobasidin耐性遺伝子、G418耐性遺伝子、Chloramphenicol耐性遺伝子などを挙げることができる。



一方、栄養要求性マーカーを用いる方法では、まず、特定のアミノ酸の代謝(例えば、特定のアミノ酸の生産)に必要な遺伝子を破壊した酵母(栄養要求性変異株)を作製する。なお、当該酵母は、特定のアミノ酸が存在しない培地中では生育できない。



次いで、当該酵母に対して、所望の遺伝子と共に、特定のアミノ酸の代謝に必要な遺伝子が導入される。このとき、特定のアミノ酸の代謝に必要な遺伝子が導入された酵母は、当該アミノ酸を含まない培地中であっても生育することができるが、当該遺伝子が導入されていない酵母や不要な微生物は、当該アミノ酸を含まない培地中では生育することができない。



そこで、特定のアミノ酸を含まない培地を用いて培養を行うことによって、目的とする酵母のみを純粋培養することができる。



しかしながら、薬剤耐性マーカーを用いる方法、および、栄養要求性マーカーを用いる方法には、多くの問題点が存在する。



具体的に、薬剤耐性マーカーを用いる方法では、薬剤を含む培地を用いる必要がある。この場合、薬剤によって、培地のコストが上がるという問題点を有している。また、薬剤の種類によっては、人体や環境にとって有害になり得るという問題点を有している。また、薬剤を含む培地は、廃棄するときに薬剤を除去または無毒化する処理を必要とする場合がある。当該処理は、生物の培養にかかるコストを上げ、かつ、生物の培養に必要な処理を複雑化させるという問題点を有している。



つまり、薬剤耐性マーカーを用いる方法は、簡便、安全、かつ低コストにて生物を選択的に培養することができないという問題を有している。



また、栄養要求性マーカーを用いる方法では、まず、特定のアミノ酸の代謝に必要な遺伝子を破壊した酵母(栄養要求性変異株)を作製する必要がある。しかしながら、実用化されている酵母の多くは多倍体の酵母であって、細胞の中に複数の染色体(換言すれば、特定のアミノ酸の代謝に必要な複数の遺伝子)が存在する。



この場合、栄養要求性変異株を作製するためには、複数の遺伝子の全てを破壊する必要があるが、このような栄養要求性変異株の取得は、非常に困難である。



つまり、栄養要求性マーカーを用いる方法は、簡便に生物を選択的に培養することができないという問題を有している。



そこで、従来から、酵母などの有用生物に関して、新たな選択マーカーを用いた純粋培養の開発が進められている。

産業上の利用分野


本発明は、亜リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、および、当該遺伝子を用いた出芽酵母の選択的培養方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードしている遺伝子であって、上記タンパク質内に存在する全てのアルギニンが、CGT、AGA、または、AGGのコドンによってコードされており、上記タンパク質内に存在する全てのアラニンが、GCT、GCC、または、GCAのコドンによってコードされている遺伝子、が導入された出芽酵母を、亜リン酸を唯一のリン源として含む培地中で培養することを特徴とする、出芽酵母の選択的培養方法。

【請求項2】
上記タンパク質内に存在するアルギニンの50%以上が、AGAのコドンによってコードされていることを特徴とする、請求項1に記載の出芽酵母の選択的培養方法。

【請求項3】
上記タンパク質内に存在するアラニンの50%以上が、GCTのコドンによってコードされていることを特徴とする、請求項1または2に記載の出芽酵母の選択的培養方法。

【請求項4】
上記遺伝子は、以下の(1)または(2)のタンパク質をコードしていることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の出芽酵母の選択的培養方法:
(1)配列番号1または4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号1または4に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。

【請求項5】
上記遺伝子は、以下の(3)または(4)のDNAからなることを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の出芽酵母の選択的培養方法:
(3)配列番号3または6に示される塩基配列からなるDNA;
(4)配列番号3または6に示される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。

【請求項6】
上記培養は、無殺菌条件下にて行われることを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載の出芽酵母の選択的培養方法。

【請求項7】
上記培地は、無殺菌の培地であることを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載の出芽酵母の選択的培養方法。

【請求項8】
亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードしている遺伝子であって、
上記タンパク質内に存在する全てのアルギニンが、CGT、AGA、または、AGGのコドンによってコードされており、
上記タンパク質内に存在する全てのアラニンが、GCT、GCC、または、GCAのコドンによってコードされていることを特徴とする遺伝子。

【請求項9】
上記タンパク質内に存在するアルギニンの50%以上が、AGAのコドンによってコードされていることを特徴とする、請求項8に記載の遺伝子。

【請求項10】
上記タンパク質内に存在するアラニンの50%以上が、GCTのコドンによってコードされていることを特徴とする、請求項8または9に記載の遺伝子。

【請求項11】
以下の(1)または(2)のタンパク質をコードしていることを特徴とする、請求項8~10の何れか1項に記載の遺伝子:
(1)配列番号1または4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号1または4に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。

【請求項12】
以下の(3)または(4)のDNAからなることを特徴とする請求項8~11の何れか1項に記載の遺伝子:
(3)配列番号3または6に示される塩基配列からなるDNA;
(4)配列番号3または6に示される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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