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アスベスト検出方法 UPDATE 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P150012611
整理番号 F11037-JP
掲載日 2015年11月26日
出願番号 特願2013-529030
登録番号 特許第6086494号
出願日 平成24年8月9日(2012.8.9)
登録日 平成29年2月10日(2017.2.10)
国際出願番号 JP2012070783
国際公開番号 WO2013024881
国際出願日 平成24年8月9日(2012.8.9)
国際公開日 平成25年2月21日(2013.2.21)
優先権データ
  • 特願2011-177254 (2011.8.12) JP
発明者
  • 黒田 章夫
  • 石田 丈典
  • 西村 智基
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 アスベスト検出方法 UPDATE 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要 位相差顕微鏡・電子顕微鏡法によるアスベストの検出基準を変えることなく、位相差顕微鏡・電子顕微鏡法と比較して、より効率的で、簡便で、且つ精度高くアスベストを検出し得る方法を提供するために、被検物に蛍光標識を有するアスベスト結合タンパク質を接触させた後に、位相差顕微鏡と蛍光顕微鏡とを組み合わせて用いることにより被検物中に含まれているアスベストを検出する。
従来技術、競合技術の概要


昨今、アスベスト(繊維状ケイ酸塩、「石綿」ともいう)が人体に悪影響を及ぼすことが問題となっている。すなわち、過去にアスベストを製造し、または取扱う業務に従事していた人々に、肺がん、中皮腫等の健康被害が多発していることが企業から公表され、アスベスト粉じんを吸入することにより、主に石綿肺、肺がん、悪性中皮腫等の健康障害を生じるおそれがあることが報告されている。
石綿肺は、肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つである。肺の線維化を起こすものは他の鉱物性粉じん等多くの原因があるが、石綿の曝露によって起きた肺線維症を特に石綿肺として区別している。肺がんは、肺胞内に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により発生するとされている。発がん性の強さは、石綿の種類により異なる他、石綿の太さ、長さも関与する。悪性中皮腫は、肺を取り囲む胸膜や、肝臓や胃等の臓器を囲む腹膜等にできる悪性の腫瘍である。
アスベストには、クリソタイル(白石綿)、クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライト等が含まれる。アスベストの用途としては、9割以上が建材に使用されており、残り1割は化学プラント設備用のシール材、摩擦材等の工業製品等に使用されている。なお、平成16(2004)年10月1日よりアスベストを原料とした建材、摩擦材、接着剤の製造等は禁止されているが、過去に大量にアスベストが使われた経緯があるため、多くの建物に取り残されているのが現状である。
アスベストの検出方法としては、例えば、大気中のアスベストを検査する場合、ポンプで大気を吸い込む際にフィルターにアスベストを捕集し、そのフィルターをアセトン等を用いて無色化(透明化)した後で、位相差顕微鏡を用いて観察し、大気中の総繊維濃度を計測する。総繊維濃度が1本/L以上である場合は、位相差顕微鏡によって観察された繊維が実際にアスベストであるか否かを電子顕微鏡を用いて判定する(非特許文献1を参照)。
しかし、位相差顕微鏡での観察には熟練した技能が必要であり、また相当の時間を要するため、同時に多数の処理を行なうことは困難である。また、電子顕微鏡は非常に高価な機械であるため、誰でも簡便に実施できるものではない。さらには、電子顕微鏡による判定は、試料の煩雑な前処理等が必要であるばかりか、位相差顕微鏡によって観察された繊維を、エネルギー分散型X線分析装置によって分析するという非常に時間と根気とを要する作業である。
このため、従来の位相差顕微鏡と電子顕微鏡とを用いる方法(以下、「位相差顕微鏡・電子顕微鏡法」と称する。)では、アスベストを迅速に検出することができない。よって、迅速性が必要な解体現場でのアスベストリスクに対応することができない。解体現場では、早い場合には2~3日で解体が終了するので、検査結果が出たときには、既にアスベストが周囲にまき散らされた後であるという場合も少なくない。このように、もはや日本におけるアスベスト発生源は、工場よりもむしろ短期的に場所が移動する解体現場へと移行していることから、アスベストを迅速に検出できる方法の開発が急務である。
ところで、本発明者らは、アスベストに特異的に結合するタンパク質(「アスベスト結合タンパク質」と称する。)を独自に発見し、かかるタンパク質を利用したアスベストのバイオアッセイ系(「バイオ蛍光法」と称する。)を提唱している(例えば特許文献1を参照)。バイオ蛍光法は、アスベスト結合タンパク質を蛍光物質で修飾することによりバイオプローブを作成し、かかるバイオプローブを用いて、蛍光顕微鏡下でアスベストを検出する方法である。バイオ蛍光法では、位相差顕微鏡では非常に見え難い、より微細なアスベスト繊維までをも感度よく検出することができる。具体的には、バイオ蛍光法では、幅(直径)が30ナノメートルの微細なクリソタイル単繊維までをも検出できることがわかっている。さらには、バイオ蛍光法では、アスベスト繊維の物性および形状の両方を確認することができる。このため、バイオ蛍光法は、効率的で、簡便で、且つ精度の高いアスベストの検出方法として注目されている。
また、本発明者らは、Escherichia coli由来のDksAタンパク質が、アスベストのなかでも特にクリソタイル(白石綿)に強く結合することを報告している(非特許文献2)。
さらに、本発明者らは、アスベスト結合タンパク質のスクリーニング方法、および当該スクリーニング方法によって得られたアスベスト結合タンパク質を用いて、バイオ蛍光法により様々な試料に含まれるアスベストを検出する方法について開示している(特許文献2)。

産業上の利用分野


本発明は、アスベスト検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検物に、蛍光標識を有するアスベスト結合タンパク質を接触させる、接触工程と、
上記接触工程を経た後に、上記被検物中に含まれている長さ5μm以上、幅3μm未満、かつ長さと幅との比が3:1以上の繊維状の物質を、位相差顕微鏡を用いて検出し、当該繊維状の物質を第2検出工程における検出対象物とする、第1検出工程と、
上記第1検出工程において検出対象物とされた上記繊維状の物質と結合した上記アスベスト結合タンパク質を、蛍光顕微鏡を用いて検出し、上記アスベスト結合タンパク質が結合している上記繊維状の物質をアスベストであると判断する、第2検出工程と、
を含み、
上記第1検出工程と上記第2検出工程とは、同一視野において行なわれることを特徴とするアスベスト検出方法。

【請求項2】
上記被検物はフィルターに捕集されており、
上記接触工程を経た後の上記フィルターを透明化する、透明化工程をさらに含み、
上記第1検出工程を、上記透明化工程を経た後に行うことを特徴とする、請求項1に記載のアスベスト検出方法。

【請求項3】
上記第1検出工程および上記第2検出工程を少なくとも1度繰り返し行うことを特徴とする、請求項1または2に記載のアスベスト検出方法。

【請求項4】
上記アスベスト結合タンパク質は、上記透明化工程を経た後にアスベストに対する結合が維持されるタンパク質であり、
上記蛍光標識は、上記透明化工程を経た後に蛍光顕微鏡によって蛍光が検出できるものであることを特徴とする、請求項に記載のアスベスト検出方法。

【請求項5】
上記アスベスト結合タンパク質は、H-NSタンパク質であることを特徴とする、請求項に記載のアスベスト検出方法。

【請求項6】
上記蛍光標識は、Cy3、DyLight488、フルオロセイン、Alexa488、ATTO488、CF488A、DyLight550およびCF555からなる群より選択される1以上の蛍光物質であることを特徴とする、請求項またはに記載のアスベスト検出方法。

【請求項7】
上記アスベスト結合タンパク質は、H-NSタンパク質の多量体であることを特徴とする、請求項に記載のアスベスト検出方法。

【請求項8】
上記接触工程では、上記アスベスト結合タンパク質として、2種類以上の異なるアスベスト結合タンパク質を、被検物と接触させ、
上記2種類以上の異なるアスベスト結合タンパク質は、互いに異なる種類のアスベストと特異的に結合するタンパク質であり、且つ互いに異なる波長の蛍光を発する蛍光標識を有していることを特徴とする、請求項1から3、4、6の何れか1項に記載のアスベスト検出方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013529030thum.jpg
出願権利状態 登録


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