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導電性ポリマー被覆フラーレン粒子及びその製造方法、並びに、導電性ポリマー被覆フラーレン粒子を用いた有機薄膜太陽電池

国内特許コード P150012642
整理番号 S2014-0378-N0
掲載日 2015年11月26日
出願番号 特願2014-038820
公開番号 特開2015-160792
出願日 平成26年2月28日(2014.2.28)
公開日 平成27年9月7日(2015.9.7)
発明者
  • 有田 稔彦
  • 増原 陽人
  • 渡部 大輝
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 導電性ポリマー被覆フラーレン粒子及びその製造方法、並びに、導電性ポリマー被覆フラーレン粒子を用いた有機薄膜太陽電池
発明の概要 【課題】 1つの粒子中にp型半導体材料及びn型半導体材料が含まれており、安定性に優れ、かつ、不純物の含有量が十分に少なく、有機薄膜太陽電池の有機薄膜を形成する材料として好適に用いることができる導電性ポリマー被覆フラーレン粒子を提供すること。
【解決手段】 フラーレンの結晶粒子と、前記フラーレンの結晶粒子の表面に吸着された導電性ポリマーからなる導電性ポリマー層とを備えることを特徴とする、導電性ポリマー被覆フラーレン粒子。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


化石燃料や原子力発電に頼らない次世代の発電手法のひとつとして、近年、太陽電池を用いた太陽光発電が注目されている。前記太陽電池のうち、現在実用化されているシリコン系の無機太陽電池は、光電変換効率は高いものの、製造コストが高く、設置場所の選択性にも限りがあるといった問題を有していた。他方、有機系の太陽電池は、前記無機太陽電池に比べて軽量で安価であるという利点を有しており、特にフレキシブル性を備える有機薄膜太陽電池は注目を集めている。しかしながら、有機薄膜太陽電池の光電変換効率は未だ十分ではなく、これを向上させるために多くの研究がなされている。



前記有機薄膜太陽電池の種類としては、p型半導体からなるp型半導体層とn型半導体からなるn型半導体層とが積層されてp-n接合を形成するヘテロ接合型、p型半導体とn型半導体とがその混合層内でp-n接合を無秩序に形成するバルクヘテロ接合型、及び、p型半導体とn型半導体とが櫛形のp-n接合面を形成する相互貫入型が挙げられる。また、前記有機薄膜太陽電池としては、p型半導体材料として導電性ポリマーを用い、n型半導体材料としてフラーレンを用いたものが知られている。



このような有機薄膜太陽電池としては、例えば、特開2008-34764号公報(特許文献1)において、アセン系又はアセン系置換化合物とC60フラーレンとのPN接合を備えた有機薄膜太陽電池が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されている有機薄膜太陽電池はヘテロ接合型であり、前記ヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池は、製造が容易であるものの、バルクヘテロ接合型や相互貫入型に比べてp型半導体とn型半導体との接触界面の面積が少なく、光電変換効率が未だ十分ではないという問題を有していた。



また、特開2012-79832号公報(特許文献2)には、導電性高分子鎖及び液晶性高分子鎖からなるブロック共重合体とフラーレン誘導体とを溶媒に溶解したものを基板に塗布して得られた有機薄膜を備える有機薄膜太陽電池が記載されており、特開2007-258079号公報(特許文献3)には、導電性高分子モノマーと、色素と、前記導電性高分子モノマーと電解重合可能な基を含むフラーレン化合物とを電解重合して形成された複合高分子膜を備える有機太陽電池が記載されている。しかしながら、特許文献2~3に記載されている有機薄膜太陽電池はバルクヘテロ接合型となり、このような方法で得られる有機薄膜又は複合高分子膜では、フラーレンの分散性が不十分であり、内部構造を十分に制御することが困難であるという問題や、光電変換効率が未だ十分ではないという問題を有していた。



さらに、特許文献2に記載されているように導電性ポリマー成分及びフラーレン成分の混合物を単に塗布して製膜する方法では、得られる有機薄膜の安定性や強度が十分ではないという問題を有していた。また、特許文献3に記載されているように導電性ポリマー成分とフラーレン成分とを化学結合せしめる方法では、フラーレン化合物に重合可能な基を導入する必要があるため、製造プロセスが多段階である、量産が困難であるといった問題を有していた。さらに、相互貫入型の有機薄膜太陽電池は、制御された内部構造を有し、かつ、より高い光変換効率を達成できることが期待されるものの、このような内部構造を形成するためには、製造工程が非常に煩雑になるという問題を有していた。しかしながら、これらの課題を解決することが可能な太陽電池の有機薄膜を形成するための半導体材料は、これまで開示されていない。



また、炭素材料の調製方法としては、例えば、特表2000-511212号公報(特許文献4)において、炭素質材料と、エステルポリマーの処理剤とを物理的配合、溶融混合、又はペレット化混合することにより処理された炭素質組成物を得る方法が記載されている。さらに、特開昭63-17917号公報(特許文献5)には、炭素質材料に対し、吸油量未満のビニルモノマー及び重合開始剤を吸着させた状態で重合を行わせる方法が記載されている。また、特開2007-238415号公報(特許文献6)には、炭素質材料に重合開始剤及びモノマーを配合し、前記モノマーを重合させて前記炭素質材料の表面に前記モノマーの重合体からなる被覆を設けることが記載されている。



さらに、炭素質材料と、各種ポリマー又はモノマーとを混合して加熱し、前記炭素質材料とポリマーとの間にグラフト重合を形成させる方法が特開2012-250892号公報(特許文献7)及び特開2013-129596号公報(特許文献8)に記載されており、炭素質物質の芳香族環又は含酸素官能基を付加反応開始点として有機重合性単量体を付加する方法が特開平3-174422号公報(特許文献9)に記載されている。しかしながら、これらの文献には、太陽電池の有機薄膜を形成するための半導体材料に関する記載は何らなされていない。

産業上の利用分野


本発明は、導電性ポリマー被覆フラーレン粒子及びその製造方法、並びに、導電性ポリマー被覆フラーレン粒子を用いた有機薄膜太陽電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
フラーレンの結晶粒子と、前記フラーレンの結晶粒子の表面に吸着された導電性ポリマーからなる導電性ポリマー層とを備えることを特徴とする、導電性ポリマー被覆フラーレン粒子。

【請求項2】
前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリアニリン及びポリピロールからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ポリマー被覆フラーレン粒子。

【請求項3】
前記導電性ポリマー層の厚さが1~1,000nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ポリマー被覆フラーレン粒子。

【請求項4】
粒子径が2~10,000nmであることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の導電性ポリマー被覆フラーレン粒子。

【請求項5】
分解開始温度が結晶構造を形成していないフラーレンの分解開始温度±10℃の範囲内にあることを特徴とする請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の導電性ポリマー被覆フラーレン粒子。

【請求項6】
前記導電性ポリマーの良溶媒中、20℃において24時間放置した後の前記導電性ポリマー層の平均厚さが、放置前の前記導電性ポリマー層の平均厚さの90%以上であることを特徴とする請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の導電性ポリマー被覆フラーレン粒子。

【請求項7】
請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の導電性ポリマー被覆フラーレン粒子を用いて形成される有機薄膜を含むことを特徴とする有機薄膜太陽電池。

【請求項8】
フラーレンの結晶粒子と、前記フラーレンの結晶粒子の表面に吸着された導電性ポリマーからなる導電性ポリマー層とを備える導電性ポリマー被覆フラーレン粒子の製造方法であり、
フラーレンの結晶粒子、導電性モノマー、及び溶媒を含有する反応溶液中において、前記導電性モノマーを逐次重合せしめると共に得られた導電性ポリマーを前記フラーレンの結晶粒子の表面に吸着させて、前記フラーレンの結晶粒子の表面に前記導電性ポリマー層を形成せしめる工程を含み、
前記溶媒が前記導電性モノマーに対する良溶媒であり、かつ、前記導電性ポリマーに対する貧溶媒であることを特徴とする、導電性ポリマー被覆フラーレン粒子の製造方法。

【請求項9】
前記導電性ポリマーが、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリアニリン及びポリピロールからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項8に記載の導電性ポリマー被覆フラーレン粒子の製造方法。

【請求項10】
前記フラーレンの結晶粒子のアセトニトリル中で測定される平均粒子径が1~200nmであることを特徴とする請求項8又は9に記載の導電性ポリマー被覆フラーレン粒子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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