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赤かび病菌かび毒産生抑制剤 コモンズ

国内特許コード P150012652
整理番号 NU-614
掲載日 2015年12月1日
出願番号 特願2015-160764
公開番号 特開2017-039649
出願日 平成27年8月18日(2015.8.18)
公開日 平成29年2月23日(2017.2.23)
発明者
  • 木村 眞
  • 前田 一行
  • 中嶋 佑一
  • 長田 裕之
  • 本山 高幸
  • 斉藤 臣雄
  • 近藤 恭光
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 赤かび病菌かび毒産生抑制剤 コモンズ
発明の概要 【課題】赤かび病菌のかび毒抑制剤及び赤かび病菌のかび毒抑制方法の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物及び薬学的に許容される塩の少なくとも1つ以上を有効成分とする赤かび病菌のかび毒抑制剤、及び該抑制剤による赤かび病菌のかび毒産生を抑制する方法。



(R1は-COCH3、-OH、-COCH2OH又は-C≡C;R2は-H又は-OH;R3は-H又は-OH;R4はアミノ酸又はアミノ酸類縁体)
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


フザリウム グラミネアラム(Fusarium graminearum)やフザリウム アシアティクム(Fusarium asiaticum)等のかびは畑等の土壌に生息する糸状菌である。これらフザリウム属の菌が、麦、トウモロコシの穂に感染することにより、粒が肥大しなくなったり、穂全体が枯れたりする赤かび病と呼ばれる植物病害が生じる。



赤かび病は、麦等の植物の組織を壊死させるために収穫量の減少を引き起こす。さらに、かび毒を生成することから、摂取したヒト、家畜に健康被害をもたらすことが知られている。フザリウム属は、化学構造からトリコテセン系かび毒、ゼアラレノン、ブテノライド等、数種類のかび毒を生成することが知られている。特に、トリコテセン系かび毒は、真核生物のタンパク合成阻害を引き起こす。そのため、ヒトや家畜が汚染された穀物を摂取すると、食中毒性無白血球症と言われる悪心、嘔吐、腹痛、下痢、造血機能障害、免疫不全を伴う中毒症状を引き起こす。



赤かび病に罹患した作物では、外見上萎縮するなど形態的に異常が認められる穀粒だけではなく、外見健全粒といわれる外見は全く正常な穀粒であってもかび毒によって汚染されている場合がある。そのため、汚染された作物をヒトや家畜が摂取し、重篤な中毒症状が引き起こされることがあった。そのため、農林水産省は、トリコテセン系かび毒の一つであるデオキシニバレノール(deoxynivalenol、DON)については農産物検査規格を改正し、流通上の規制の強化を行っている。かび毒は加工や調理工程において除去することは難しいため、生産段階において防除することがヒト、家畜での健康被害を生じさせないためには重要になっている。



また、トリコテセン系かび毒は宿主の病徴の進展への関与も指摘されている。したがって、トリコテセン系かび毒の合成を阻害することができれば、麦、トウモロコシの植物病害も低減することができる。トリコテセン系かび毒の産生を制御する農薬の開発は、食の安全性の確保に寄与するばかりではなく、植物病害防除に対しても画期的な薬剤を提供することになる。



トリコテセン産生抑制剤としてはプレコセンが開示されている(特許文献1)。プレコセンは昆虫の抗幼若ホルモンとして既知の化合物であるが、新たにトリコテセン産生を抑制する機能が見出された。クロメン誘導体であるプレコセンには、構造式の異なるプレコセン-1、プレコセン-2、プレコセン-3が存在するが、中でもプレコセン-2は培地へ添加した試験の結果から毒素産生抑制効果が高いとされていた。

産業上の利用分野


本発明は、赤かび病菌のかび毒産生を抑制する薬剤に関する。特に、赤かび病菌の産生するトリコテセンと総称されるマイコトキシン生合成の最初のステップに関与する酵素であるトリコジエンシンターゼ(trichodiene synthase、以下TRI5pと記載することもある。)の活性を阻害する薬剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1):
【化1】


で表される化合物、及び薬学的に許容される塩の少なくとも1つ以上を有効成分として含むトリコテセン系かび毒抑制剤。
(式中Rは、-COCH、-OH、-COCHOH、又は-C≡Cを表す。Rは、-H、又は-OHを表す。Rは、-H、又は-OHを表す。Rは、アミノ酸、又はアミノ酸類縁体を表す。)

【請求項2】
前記(1)で表される化合物のRは、以下から選択されることを特徴とする請求項1記載のトリコテセン系かび毒抑制剤。
【化2】



【請求項3】
請求項1又は2記載のトリコテセン系かび毒抑制剤が、
下記式(2)~(6)で表される化合物、及び薬学的に許容される塩の少なくとも1つ以上を有効成分として含むことを特徴とするトリコテセン系かび毒抑制剤。
【化3】


【化4】


【化5】


【化6】


【化7】



【請求項4】
下記式(1):
【化8】


で表される化合物、及び薬学的に許容される塩の少なくとも1つ以上を有効成分として含むトリコテセン系かび毒抑制剤によって、農産物、その種子、農産物を栽培する圃場、栽培中の農産物の少なくとも1つを処理することを特徴とするトリコテセン系かび毒抑制方法。
(式中Rは、-COCH、-OH、-COCHOH、又は-C≡Cを表す。Rは、-H、又は-OHを表す。Rは、-H、又は-OHを表す。Rは、アミノ酸、又はアミノ酸類縁体を表す。)

【請求項5】
前記(1)で表される化合物のRは以下から選択されることを特徴とする請求項4記載のかび毒抑制方法。
【化9】



【請求項6】
請求項4又は5記載のトリコテセン系かび毒抑制方法であって、
下記式(2)~(6)で表される化合物、及び薬学的に許容される塩の少なくとも1つ以上を有効成分として含むトリコテセン系かび毒抑制剤を用いることを特徴とするトリコテセン系かび毒抑制方法。
【化10】


【化11】


【化12】


【化13】


【化14】



【請求項7】
請求項4~6いずれか1項記載のトリコテセン系かび毒抑制方法において、
前記農産物が、小麦、大麦、トウモロコシ、米、ピーナッツの少なくとも1つであることを特徴とするトリコテセン系かび毒抑制方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015160764thum.jpg
出願権利状態 公開
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