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遷移金属を大量に導入したメソポーラスシリカおよびその製造方法

国内特許コード P160012688
整理番号 148
掲載日 2016年1月13日
出願番号 特願2013-211200
公開番号 特開2015-074577
登録番号 特許第6108460号
出願日 平成25年10月8日(2013.10.8)
公開日 平成27年4月20日(2015.4.20)
登録日 平成29年3月17日(2017.3.17)
発明者
  • 魯 保旺
  • 川本 克也
出願人
  • 国立研究開発法人国立環境研究所
発明の名称 遷移金属を大量に導入したメソポーラスシリカおよびその製造方法
発明の概要 【課題】遷移金属種をケイ酸骨格構造中に大量に導入したメソポーラスシリカの簡易な製造方法を提供する。
【解決手段】アルキルアンモニウム界面活性剤のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド{C16TMABr、CH(CH15N(CHBr}を鋳型として、水に遷移金属種の硝酸塩を溶かして、アンモニウム水溶液を加え形成した錯イオンを塩基として用い、オルトケイ酸テトラメチル{ケイ酸メチル、TMOS、Si(OCH}の加水分解と縮重合反応を行うことにより、遷移金属種がケイ酸骨格構造中に大量に導入される。更に焼成で界面活性剤を除去することにより、遷移金属を導入したメソポーラスシリカが製造される。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来、界面活性剤等が溶液中で自己集合する性質を利用して、シリカ源との反応により、均一なメソ孔を有するメソポーラスシリカを合成することができ、その均一なメソ孔は、有機分子集合体のサイズや集合形態(構造規則性)に規定されることが知られている。メソポーラスシリカは、比較的大きい分子を対象とした吸着分離や選択的合成を可能とする特殊ナノ空間として大いに期待されている。また、様々な触媒、脱臭、吸着機能等を付与する目的で様々な金属種を、骨格構造中に導入するか、又は担持する試みがなされている(非特許文献1,2、特許文献1、2参照)。そして、導入する金属種の化学的性質を考慮して、シリカ骨格中に様々な金属種を導入したメソポーラスシリカの合成が可能となっている。また、後処理により、メソポーラスシリカ表面に金属種を固定化する方法で、金属種をシリカ骨格中に導入することが可能となる。アルミニウムをシリカ骨格中に導入したメソポーラスシリカアルミナの合成が最も代表的であり、そこでは酸性質が発現される。また、チタンをシリカ骨格に導入したメソポーラスシリカの合成も盛んに行われており、オレフィンのエポキシ化反応等に優れた触媒となることが示されている。
ケイ素と酸素は四面体構造(SiO4-を形成することができる。同じように3価のアルミニウムと4価のチタンも酸素と四面体構造(AlO5-と(TiO4-を形成することができるので、ケイ素と類似化学性質を有する。そこで、アルミニウムとチタンはシリカ骨格中に導入することが容易である。しかし、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、カドミウムおよびクロムの遷移金属は酸素と四面体構造を形成することがきわめて難しいので、それらをシリカ骨格中に導入することが非常に困難である。



従来、塩基性条件下での溶解性が非常に低い遷移金属種のニッケル、銅、亜鉛、コバルト、カドミウムおよびクロムの硝酸塩、界面活性剤、水とシリカ源の混合溶液に、アルカリ源を添加して水熱合成により遷移金属を導入したメソポーラスシリカを得ることが多い。しかし、アルカリ源を添加した直後に原料の混合溶液は塩基性水溶液になって、遷移金属水酸化物を生成しやすいので、このまま水熱合成を行うと、メソポーラスシリカと大部分の遷移金属に由来する水酸化物が分離した状態で生成してしまい、遷移金属種が骨格構造中に少量にしか導入できない。従来技術では遷移金属(M)種ニッケルとコバルトが5.5重量パーセントしかメソポーラスシリカに導入されず、Si/Mモル比は 16.6に留まっていた(非特許文献3-6)。
また、遷移金属種銅、亜鉛、カドミウムおよびクロムをメソポーラスシリカに導入した例はない。
そこで、遷移金属種ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、カドミウムおよびクロムを大量にメソポーラスシリカ骨格構造中に導入する製造方法の開発は大きな挑戦である。



遷移金属種ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、カドミウムおよびクロムの硝酸塩を水に溶かして、アンモニア水溶液を加えて沈殿物を生成する。アンモニア水溶液を過剰に加えることにより、塩基性条件下でも沈殿物が溶かされ、金属とアンモニアの錯イオンを形成する。
その結果、塩基性条件下で溶解性が非常に高い遷移金属種のニッケル、銅、亜鉛、コバルト、カドミウムおよびクロムを得ることが可能になる。



ストーバー法は均一な大きさのシリカ粒子の一般的合成法として知られている(非特許文献7)。この方法はシリカ源であるアルコキシシラン(例えばオルトケイ酸テトラエチル)をアンモニア/水/エタノール溶液中で加水分解・縮重合反応を進行させシリカを得るものである。エタノールはアルコキシシランの加水分解速度を抑えることができる。そこで、この方法を利用して、縮重合反応段階で部分もしくは全部を加水分解したケイ素アルコキシドは溶解性の高い遷移金属種との間に結合をつくることが可能になり、遷移金属種が大量にメソポーラスシリカ骨格構造中に導入されることが期待される。

産業上の利用分野


本発明は、遷移金属を導入したメソポーラスシリカの製造方法に関するものであり、更に詳しくは遷移金属種をケイ酸骨格構造中に幅広い範囲(ケイ素と遷移金属種のモル比:∞~5)に導入した遷移金属含有メソポーラスシリカの製造方法に関するものである。均一なメソ細孔とそれらの高機能性を利用して、次世代のメソ空間材料として、触媒、センサー、電極および吸着剤などの分野に、その実用化が高く期待される遷移金属を導入したメソポーラスシリカの製造方法を提供する。

特許請求の範囲 【請求項1】
メソポーラスシリカのメソ構造体のケイ酸骨格内の4配位に遷移金属種が導入され、前記ケイ酸骨格外に前記遷移金属が存在しない単一物であることを特徴とする遷移金属を大量に導入したメソポーラスシリカ。

【請求項2】
前記遷移金属種が、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、カドミウムおよびクロムから選択される1種またはそれ以上である請求項1に記載の遷移金属を導入したメソポーラスシリカ。

【請求項3】
上記の遷移金属を導入したメソポーラスシリカは、比表面積700~1100m/gの範囲の均一なメソ孔と規則性の構造を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遷移金属を導入したメソポーラスシリカ。

【請求項4】
上記の遷移金属を導入したメソポーラスシリカ球状であることを特徴とする請求項1~請求項の何れか1項に記載の遷移金属を導入したメソポーラスシリカ。

【請求項5】
溶媒中で鋳型剤とする界面活性剤とともに、遷移金属塩基とシリカ源の加水分解に由来するシリカ種を複合化して、焼成で界面活性剤を除去することにより得た遷移金属を大量に導入したメソポーラスシリカの製造方法において、
前記塩基を、遷移金属種の硝酸塩とアンモニウム水溶液で調製した錯イオンの塩基としたことを特徴とする遷移金属を大量に導入したメソポーラスシリカの製造方法

【請求項6】
前記溶媒を50~60重量%範囲のメタノールと水を混合した溶媒としたことを特徴とする請求項に記載の遷移金属を大量に導入したメソポーラスシリカの製造方法

【請求項7】
前記界面活性剤が、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド{C16TMABr、CH(CH15N(CHBr}であって、
界面活性剤(C16TMABr)とケイ素(Si)の適切なモル比(C16TMABr/Si)の範囲が0.2~0.48であることを特徴とする請求項又は請求項に記載の遷移金属を大量に導入したメソポーラスシリカの製造方法

【請求項8】
前記メタノールと水の混合割合および界面活性剤の濃度を調整することにより、球状遷移金属を導入したことを特徴とする請求項~請求項の何れか1項に記載の遷移金属を大量に導入したメソポーラスシリカの製造方法
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013211200thum.jpg
出願権利状態 登録


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