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セシウムの固定化剤、その製造方法、およびセシウムの固定化方法

国内特許コード P160012690
整理番号 151
掲載日 2016年1月13日
出願番号 特願2014-167789
公開番号 特開2016-045017
出願日 平成26年8月20日(2014.8.20)
公開日 平成28年4月4日(2016.4.4)
発明者
  • 市川 恒樹
  • 山田 一夫
出願人
  • 国立研究開発法人国立環境研究所
発明の名称 セシウムの固定化剤、その製造方法、およびセシウムの固定化方法
発明の概要 【課題】セシウムの固定化効果および耐アルカリ性が高いセシウムの固定化剤等を提供する。
【解決手段】pHが7を超え13.3以下の液中に溶解して存在するセシウムの固定化剤であって、下記(1)式で表わされるフェロシアン化ニッケルを含む。M(4-2X)/m[NiFe(CN)]・・・・(1)(上記(1)式において、Mはニッケルおよび鉄以外の、正電荷m+を有する金属イオンを表し、mは1または2の整数を表し、xは1.0~1.2の実数を表す。)
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


福島第一原子力発電所の事故により、放射性セシウム(Cs-137およびCs-134)が広範囲に飛散したため、福島県に留まらず首都圏の焼却場においても、放射性セシウムが濃縮した焼却灰が大量に発生するようになった。そして、前記事故以来、多くの焼却灰が焼却場の敷地内に仮置きされているが、高放射線量の焼却灰は受け入れ先がなく、このままでは仮置き場の確保も難しくなる。ちなみに、横浜市が公開している「放射性物質を含む汚泥焼却灰等の取扱いに関する説明資料」によれば、横浜市では下水汚泥焼却灰が毎日約40トン発生し、改良土の製造に使用される分を除く約30トンが日々残るため、平成24年3月末時点で約10900トンの焼却灰を保管しているという。したがって、現在、放射性セシウムを含む焼却灰の処理は、解決すべき喫緊の社会的課題になっている。



焼却灰は、通常、防塵や減容化のため、焼却灰の質量の数%~50%程度のセメントを用いて固型化処理されている。放射性セシウムを含む焼却灰の固型化物は、放射性セシウムの漏出を防止することが重要であるが、焼却灰には天然の安定セシウムも0.1~10ppm程度含有されており、その化学的挙動は放射能の有無に関わらず同一であるため、漏出防止は放射性セシウムおよび安定セシウム(以下、単に「セシウム」という。)の双方に対して行う必要がある。
かかる状況において、セシウムの固定化剤の一つとして、フェロシアン化金属化合物が提案されている。例えば、特許文献1に記載の磁性吸着剤は、磁性体粒子と、不溶性フェロシアン化金属化合物等のセシウム吸着性化合物をバインダーで結着したものである。また特許文献2に記載のセシウム吸着剤は、不溶性フェロシアン化金属化合物と金属酸化物からなるものである。
しかし、本発明者らの研究によれば、フェロシアン化金属化合物は、セメントの固型化物が有するpH13程度のアルカリ性の液中では分解するという問題がある。この問題に鑑み、本発明者らは、先に、高pHを示す物質中に含まれるセシウムに対しても、その漏出を抑制できるフェロシアン化ニッケルを含むセシウムの固定化剤(不溶化剤)を提案した(特許文献3)。

産業上の利用分野


本発明は、アルカリ性の条件下でも高い安定性および固定化能を有するセシウムの固定化剤と、その製造方法、および該固定化剤を用いたセシウムの固定化方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
pHが7を超え13.3以下の液中に溶解して存在するセシウムを固定化するためのセシウムの固定化剤であって、下記(1)式で表わされるフェロシアン化ニッケルを含む、セシウムの固定化剤。
(4-2X)/m[NiFe(CN)]・・・・・・(1)
(上記(1)式において、Mはニッケルおよび鉄以外の、正電荷m+を有する金属イオンを表し、mは1または2の整数を表し、xは1.0~1.2の実数を表す。)

【請求項2】
前記セシウムの固定化剤が、下記(A)~(C)のいずれかのフェロシアン化ニッケルを含む、請求項1に記載のセシウムの固定化剤。
(A)0~100℃の液温における飽和溶液濃度の10~100%の濃度のニッケル塩の水溶液と、0~100℃の液温における飽和溶液濃度の10~100%の濃度のフェロシアン化金属塩の水溶液とを、撹拌せずに接触させた後、静置して生成するフェロシアン化ニッケル
(B)0~100℃の液温における飽和溶液濃度の10~100%の濃度のニッケル塩の水溶液と、固体状のフェロシアン化金属塩とを、撹拌せずに接触させた後、静置して生成するフェロシアン化ニッケル
(C)固体状のニッケル塩と、0~100℃の液温における飽和溶液濃度の10~100%の濃度のフェロシアン化金属塩の水溶液とを、撹拌せずに接触させた後、静置して生成するフェロシアン化ニッケル

【請求項3】
下記(a)~(c)のいずれかのフェロシアン化ニッケルの生成工程を含む、セシウムの固定化剤の製造方法。
(a)0~100℃の液温における飽和溶液濃度の10~100%の濃度のニッケル塩の水溶液と、0~100℃の液温における飽和溶液濃度の10~100%の濃度のフェロシアン化金属塩の水溶液とを、撹拌せずに接触させた後、静置するフェロシアン化ニッケルの生成工程
(b)0~100℃の液温における飽和溶液濃度の10~100%の濃度のニッケル塩の水溶液と、固体状のフェロシアン化金属塩とを、撹拌せずに接触させた後、静置するフェロシアン化ニッケルの生成工程
(c)固体状のニッケル塩と、0~100℃の液温における飽和溶液濃度の10~100%の濃度のフェロシアン化金属塩の水溶液とを、撹拌せずに接触させた後、静置するフェロシアン化ニッケルの生成工程

【請求項4】
フェロシアン化ニッケル/セシウムのモル比が1以上となるように、セシウム含有水と、請求項1または2のいずれかに記載のセシウムの固定化剤とを混合して、該セシウム含有水中のセシウムを固定化する、セシウムの固定化方法。

【請求項5】
pHが13.3を超えるセシウム含有水に対しては、塩化カルシウムを添加してpHを12.7以下にした後、請求項1または2のいずれかに記載のセシウムの固定化剤を混合する、請求項4に記載のセシウムの固定化方法。

【請求項6】
前記セシウム含有水が、セシウムを含む焼却灰の含水物、セシウムを含む焼却灰のスラリー、セシウムを含む焼却灰の洗浄水、またはセシウムを含む焼却灰からの漏出水からなる群より選ばれる1種以上である、請求項4または5に記載のセシウムの固定化方法。

【請求項7】
さらに、セシウムを固定化した後の前記セシウム含有水と、セメントとを混合して、該セシウム含有水を固型化する、請求項4~6のいずれか1項に記載のセシウムの固定化方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014167789thum.jpg
出願権利状態 公開


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