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焼却灰の処理方法

国内特許コード P160012691
整理番号 152
掲載日 2016年1月13日
出願番号 特願2014-099996
公開番号 特開2015-217314
出願日 平成26年5月13日(2014.5.13)
公開日 平成27年12月7日(2015.12.7)
発明者
  • 山田 一夫
  • 市川 恒樹
出願人
  • 国立研究開発法人国立環境研究所
発明の名称 焼却灰の処理方法
発明の概要 【課題】本発明は、鉛や金属アルミニウムを含む焼却灰からの鉛の溶出や金属アルミニウムの発泡を抑制するための方法を提供する。
【解決手段】本発明は、塩化カルシウム(CaCl)および/または水酸化塩化カルシウム(CaClOH)と、水酸化カルシウム(Ca(OH))とを含み、さらに、鉛および/または金属アルミニウムを含む焼却灰と、水およびセメントとを混合した後、該混合物中の液分を採取し、該液分のpHが12を超える場合は、該混合物にさらに塩化カルシウムを添加して、該pHを12以下にする、焼却灰の処理方法である。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


焼却灰は、表1に示すように、一般に、両性金属である鉛や金属アルミニウムを含むほか、焼却炉の排ガス中の塩化水素を中和するために吹き込まれた消石灰やその中和生成物である塩化カルシウムを含む。そして、焼却灰の液性は、未反応のままで残存する消石灰のため、一般に水酸化カルシウムの溶解平衡から最大pH12.7程度のアルカリ性を示す。



【表1】




鉛は両性金属であるから、鉛の溶解度は、非特許文献1の図1に示すように、pH12以下では低いがpH12を超えると急に高くなる。また、金属アルミニウムは、下記反応式に示すように、アルカリ性の液中では水を還元して水素ガスが発生する。
2Al+6OH+6HO → 2Al(OH)+6OH+3H
ただし、前記反応により生成する水酸化アルミニウムは難溶性であるため、弱アルカリ性では、金属アルミニウムの表面に難溶性被膜が形成されて前記反応は停止する。しかし、pH12を超える強アルカリ性では、水酸化アルミニウムが水溶性のアルミン酸に変わるため、前記反応は停止することなく水素ガスが発生し続ける。



通常、焼却灰は、防塵や減容化のため、焼却灰の質量の数%~50%程度のセメントを用いて固型化処理した後、最終処分場内に埋め立て処分されている。
そして、前記セメントの種類や添加量により、セメント固型化物のpHは13を超える場合がある。該pHでは、図1に示すように鉛の溶解度は10-2Mを超え、また、セメントの凝結の初期段階から水素ガスが多量に発生して、焼却灰とセメントの混練物が膨張し、硬化体の組織が脆くなる。さらに、水素ガスの発生が甚だしい場合、前記混練物は1個の硬化体を形成することなく発泡したり、崩壊して大小の脆弱な塊状物になり、該塊状物からの鉛の溶出は増加することが予想される。ちなみに、水質汚濁防止法に規定する鉛の排水基準は0.3mg/L(1.4×10-6M)である。



そこで、特許文献1では、焼却灰をアルカリまたは酸で処理して金属アルミニウムを除いた後に、セメントを用いて固型化する方法がいくつか提案されている。具体的には、請求項1の発明は、金属アルミニウム等が残存する焼却灰をアルカリ水溶液で処理し、金属アルミニウム等を水酸化物にした後、脱水し、セメントを加えて固型化する方法である。また、請求項2の発明は、前記焼却灰を酸で処理し、金属アルミニウム等をアルミニウム塩とした後、中和して脱水し、セメントを加えて固型化する方法である。さらに、請求項3の発明は、セメントを加えて固型化する際に、重金属イオン固定剤を加える方法である。
しかし、請求項1の発明は、焼却灰をアルカリ水溶液で処理するから、鉛の溶解度がより高くなって鉛が溶出し易くなり、その分、重金属イオン固定剤の添加量が増加してコスト高になると予想される。
また、焼却飛灰は1~40質量%もの未反応の水酸化カルシウムを含むから、前記請求項2の発明では、本来、金属アルミニウム等を塩にする目的で添加した酸の大部分は、目的外の水酸化カルシウムとの反応に消費されるため、多量の酸の添加が必要な場合があり、実用性に乏しいと考える。

産業上の利用分野


本発明は、焼却灰に含まれる鉛の溶出や金属アルミニウムの発泡を抑制するために、焼却灰のpHを低減する焼却灰の処理方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
塩化カルシウム(CaCl)および/または水酸化塩化カルシウム(CaClOH)と、水酸化カルシウム(Ca(OH))とを含み、さらに、鉛および/または金属アルミニウムを含む焼却灰と、水およびセメントとを混合した後、該混合物中の液分を採取し、該液分のpHが12を超える場合は、該混合物にさらに塩化カルシウムを添加して、該pHを12以下にする、焼却灰の処理方法。

【請求項2】
前記混合物中の液分のカルシウムイオン濃度が0.5M以上である、請求項1に記載の焼却灰の処理方法。

【請求項3】
前記pHが12以下になった混合物から固液分離して得られた塩化カルシウムを含む液分を、前記塩化カルシウムの全部または一部としてリサイクルする、請求項1または2に記載の焼却灰の処理方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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