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分散型高分子凝集剤、土壌固化剤及び凝集沈殿剤、並びに放射性物質の汚染拡大防止方法と汚染土壌の除染方法、植生基盤造成方法及び水浄化方法 新技術説明会

国内特許コード P160012727
整理番号 (S2014-0770-N0)
掲載日 2016年1月27日
出願番号 特願2015-013829
公開番号 特開2015-199057
出願日 平成27年1月28日(2015.1.28)
公開日 平成27年11月12日(2015.11.12)
優先権データ
  • 特願2014-076288 (2014.4.2) JP
発明者
  • 熊沢 紀之
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 分散型高分子凝集剤、土壌固化剤及び凝集沈殿剤、並びに放射性物質の汚染拡大防止方法と汚染土壌の除染方法、植生基盤造成方法及び水浄化方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】植物の生育を阻害しないで効果的に土壌固化が行えるだけでなく、効率的な水浄化にも適用できる分散型高分子凝集剤の提供。
【解決手段】カチオン性高分子とアニオン性高分子とを含み、どちらかの高分子を第1の高分子とし、もう一方の高分子を第2の高分子としたときに、第1の高分子の配合量(C)を第1の高分子が有するイオン当量質量(EW)で除算した値(C/EW)と、第2の高分子の配合量(C)を第2の高分子が有するイオン当量質量(EW)で除算した値(C/EW)とが(C/EW)/(C/EW)>1の関係を満たすように、第1の高分子が第2の高分子よりも過剰に配合されており、且つ、沈殿物を生成しない、不透明又は乳白色のコロイド水溶液。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


イオン性有機高分子は、1分子中にカチオン基及びアニオン基の少なくともどちらかを有する有機高分子であり、特徴的な挙動を有することから様々な用途に適用されている。例えば、生活排水、産業排水等に含まれる懸濁物から固形分を凝集、沈降、分離させるためにカチオン性、アニオン性又は両性の高分子凝集剤が使用されており、特許文献1には両性水溶性高分子凝集剤を汚泥の脱水方法として使用することが提案されている。



また、特許文献2には、植生基盤造成のためにイオン性有機高分子を土壌固化剤として使用することが提案されている。前記特許文献2に開示されている植生基盤造成工法は、水、土壌成分及びアニオン性水溶性有機高分子化合物を含む植生基盤材と、カチオン性高分子化合物を含む団粒剤との混合時に、両者のイオン性高分子が反応してゲル構造が形成することを利用するものである。植生基盤造成は、植物の発芽、生育あるいはバランスの良い成長に寄与し、しかも環境保全にも寄与する緑化基盤の造成として行われる。



特許文献3には、極性の異なるイオン性高分子の溶液を混合することで、両成分からなる不溶性のポリイオンコンプレックス複合体を、繊維、フィルム、塗膜、充填材等の用途へ適用することが提案されている。



ポリイオンコンプレックスは、前記の用途の他にも、放射性セシウム汚染土壌の除染方法として適用することが特許文献4、5及び非特許文献1に提案されている。



前記特許文献4及び5に記載の除染方法では、ポリイオンコンプレックスとしてポリカチオンとポリアニオンの両方を含む水溶液として利用する場合、水溶液中にゲル状の沈殿物が生じないように2~6wt%の塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム等)を加えている。



また、前記非特許文献1には、土壌表層の放射性セシウムの除去に使用する固定化剤として、天然ポリイオンコンプレックス溶液又は合成ポリイオンコンプレックス溶液が開示されている。ここで、天然ポリイオンコンプレックス溶液は、塩濃度2%で塩化カリウム又は塩化ナトリウムを水に加えた塩溶液に、カチオン性高分子(HECHPTA)3kgとアニオン性高分子(CMC)1kgとを含む溶液を加え、撹拌しながら溶解して得られること、また、合成ポリイオンコンプレックス溶液は、塩濃度が5%である塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムを水に加えた塩溶液に、カチオン性高分子(PDADMAC)4.2kgとアニオン性高分子(PAA)0.87kgとを含む溶液を加え、撹拌しながら溶解して得られることがそれぞれ記載されている。前記非特許文献1に記載のポリイオンコンプレックス溶液は、カチオン性高分子とアニオン性高分子との電荷比がほぼ1になるように、それぞれの配合量が調整されている。

産業上の利用分野


本発明は、植物の生育を阻害しないで効果的な土壌固化を行えるだけでなく、効率的な水浄化にも適用できる分散型高分子凝集剤及び該分散型高分子凝集剤からなる環境に優しい土壌固化剤と凝集性能に優れる凝集沈殿剤に関する。また、前記土壌固化剤を用いる放射性物質の汚染拡大防止方法と汚染土壌の除染方法及び植生基盤造成方法、並びに前記凝集沈殿剤を用いる水浄化方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カチオン性高分子とアニオン性高分子とを含む水溶液の分散型高分子凝集剤であって、前記カチオン性高分子及び前記アニオン性高分子は、どちらかの高分子を第1の高分子とし、もう一方の高分子を第2の高分子とし、前記第1の高分子の配合量(C)を前記第1の高分子が有するイオン当量質量(EW)で除算した値(C/EW)と、前記第2の高分子の配合量(C)を前記第2の高分子が有するイオン当量質量(EW)で除算した値(C/EW)とが(C/EW):(C/EW)=1:1の場合に電荷比が1であるとしたときに、(C/EW)/(C/EW)>1の関係を満たすように、前記第1の高分子が前記第2の高分子よりも過剰に配合されており、且つ、前記水溶液は沈殿物を生成しない、不透明又は乳白色のコロイド水溶液であることを特徴とする分散型高分子凝集剤。

【請求項2】
前記コロイド水溶液は、前記カチオン性高分子又は前記アニオン性高分子に含まれる対イオン以外の塩として塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムから選択される塩の少なくとも1種を含み、前記コロイド水溶液の全量を100質量部としたときに、前記塩を構成するカチオン及びアニオンを合わせたイオンの全濃度が1.5質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の分散型高分子凝集剤。

【請求項3】
前記第1の高分子は前記第2の高分子に対して、前記(C/EW)を前記(C/EW)で除算した値である電荷比が2倍以上となる配合量であり、且つ、前記コロイド水溶液には前記カチオン性高分子又は前記アニオン性高分子に含まれる対イオン以外の塩が含まれないことを特徴とする請求項2に記載の分散型高分子凝集剤。

【請求項4】
前記第1の高分子を前記第2の高分子に対して過剰に配合するときの配合量の上限値は、前記コロイド水溶液が沈殿物を形成しない半透明又は乳白色の均一状態を維持することができるまでの配合量であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の分散型高分子凝集剤。

【請求項5】
前記カチオン性高分子が、カチオン化セルロース、カチオン化でんぷん、アミノ基を有する高分子若しくは4級アンモニウム塩の高分子から選択される少なくとも1種であり、
前記アニオン高分子が、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、リグニンスルホン酸及びその塩、ポリアクリル酸及びその塩、ポリスルホン酸及びその塩から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の分散型高分子凝集剤。

【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の分散型高分子凝集剤において、前記コロイド水溶液は、前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子を前記コロイド水溶液100mlに対して質量で0.5gを超え10g以下の範囲で含有することを特徴とする土壌固化剤。

【請求項7】
請求項1~5の何れかに記載の分散型高分子凝集剤において、前記コロイド水溶液は、前記カチオン性高分子と前記アニオン性高分子とを合わせた高分子を前記コロイド水溶液100mlに対して質量で0.1gを超え10g以下の範囲で含有することを特徴とする凝集沈殿剤。

【請求項8】
請求項1~5の何れかに記載の分散型高分子凝集剤から水を除去した後に残留物として得られる固形物又は該固形物を粉砕加工して得られる粉状体であることを特徴とする凝集沈殿剤。

【請求項9】
放射性セシウムにより汚染された土壌に、請求項6に記載の土壌固化剤を散布した後、前記土壌を固定させることによって放射性物質の移動及び拡散を防止する放射性物質の汚染拡大防止方法。

【請求項10】
放射性セシウムにより汚染された土壌に、請求項6に記載の土壌固化剤を散布して前記土壌の少なくとも一部を固定させた後、前記土壌の表層を剥離除去することを特徴とする汚染土壌の除染方法。

【請求項11】
放射性セシウムにより汚染された土壌に、粘土微粒子を有する懸濁液と請求項6に記載の土壌固化剤とをこの順に散布することによって、放射性セシウムを前記粘土微粒子中に取り込み、当該放射性セシウムを取り込んだ粘土微粒子を含む土壌を固化させることによって放射性物質の移動及び拡散を防止する放射性物質の汚染拡大防止方法。

【請求項12】
前記粘土微粒子が、ベントナイト及びゼオライトの少なくとも何れか1つであることを特徴とする請求項11に記載の放射性物質の汚染拡大防止方法。

【請求項13】
前記粘土微粒子を有する懸濁液が、前記粘土微粒子を0.05~5質量%含有する水溶液であることを特徴とする請求項11又は12に記載の放射性物質の汚染拡大防止方法。

【請求項14】
放射性セシウムにより汚染された土壌に、粘土微粒子を有する懸濁液と請求項6に記載の土壌固化剤とをこの順に散布することによって、放射性セシウムを前記粘土微粒子中に取り込み、当該放射性セシウムを取り込んだ粘土微粒子を含む土壌を前記土壌固化剤によって前記土壌の少なくとも一部を固化させた後、前記土壌の表層を剥離除去することを特徴とする汚染土壌の除染方法。

【請求項15】
前記粘土微粒子が、ベントナイト及びゼオライトの少なくとも何れか1つであることを特徴とする請求項14に記載の汚染土壌の除染方法。

【請求項16】
前記粘土微粒子を有する懸濁液が、前記粘土微粒子を0.05~5質量%含有する水溶液であることを特徴とする請求項14又は15に記載の汚染土壌の除染方法。

【請求項17】
請求項6に記載の土壌固化剤を被施工面の土壌に吹き付けて該土壌の表層を固化することによって、前記施工面の土壌を造成し緑化を行うことを特徴とする植生基盤造成方法。

【請求項18】
汚染水又は排水に請求項7又は8に記載の凝集沈殿剤を混入させ、前記汚染水又は排水に含まれる帯電浮遊粒子を沈殿させることによって水浄化を行うことを特徴とする水浄化方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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